KNOW-HOWこれまでとこれからの商業施設

1973年の「渋谷パルコ」の開業と共に「ファッションビル」という概念が日本から誕生し、「駅ビル」や郊外の「ショッピングモール」が以降爆発的に増加した。都心のオフィス需要の増加にともなう大規模複合ビルや、「爆買い」の象徴される観光・インバウント需要の増加に向けて、更なる開発が進もうとしていた2020年、感染症という想定外の事態が発生した。郊外、都心の一等地も問わずテナントの撤退や縮小が相次ぎ、今後終息がみえたとしても以前と同じ状況には戻らないことも自明となった。これからの商業施設はどこへ向かうのか。考えてみたい。
1.商業施設の新しいカタチ

注目したいのは、「もりのみやキューズモールBASE(2015年開業)」や「南町田グランベリーパーク(2019年開業)」、長野県松本市にある「信毎メディアガーデン(2018年開業)」などの外部や周辺環境を積極的に生かしている、いわば「公園のような」商業複合施設だ。特に、もりのみやキューズモールBASEでは、健康やスポーツ、地域コミュニティづくりに注力した展開を行っている。決して大きなモールではないが、屋上に陸上トラックやフットサルコート、またクライミングウォールなどがあり、テナントとしてスポーツ用品店やアウトドア専門店が各テナントとして入居。市民参加型のコミュニティ図書館「まちライブラリー」なども入居している。同じく東急グループが手掛ける南町田グランベリーパークでは、園芸や食などを強化した、「もりのみや」の進化型だ。単に「購買意欲」を刺激するのではなく、その地域で暮らす人々の「ライフスタイル」を刺激し、日常や生活を豊かにすることが求められているように思う。
2.「寂しさ」という商業施設を拡大させてきた潜在的なニーズ
商業施設の発展の背景には、さまざまなコミュニティの喪失があると考えている。時代とともに「大家族」や「世間」と言われる地域社会と個人との関係が薄くなり、家族や地域の代わりを担っていた「会社」なども雇用の流動化とともに決して社員やその家族を守ってくれるものではなくなっていった。商業施設は、喪失していったコミュニティの代わりを担い、拡大しさまざまな形に変化を遂げてきた。また「サードプレイス」を合言葉とするコーヒーチェーンが成長してきた背景にも同様の背景があるように思う。キーワードは「寂しさ」や「孤独」であり、そこから生活者や消費者に一時的であっても救済し癒しを与えていくことが、商業施設の大切な役割であると思う。



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