半個室は飲食店やサービス店で人気のある客席・接客スペースです。
本記事では、半個室が店舗にもたらすメリットやデメリット、そして半個室をデザインする際の注意点についてご紹介します。半個室が持つ独自の魅力や、業態ごとの特徴についても紐解いていきます。

半個室とは

半個室とは、パーテーションやついたて、カーテンやブラインドなどで周囲を囲んだ客席・接客スペースを指します。
構造上、周囲の視線や音をある程度遮ることが可能です。また、可動式のパーテーションやついたてを導入することで、スペースの広さを調整できます。
ただし、密室という訳ではないため、プライバシーの確保という点では後述の完全個室に劣ります。

完全個室の違い

完全個室とは、造作壁や建具で周囲を囲んだ客席・接客スペースです。どちらかというと、名前の通り部屋のようなイメージです。
こちらは密室に近い構造であるため、視線はもちろんのこと、音や匂いといった要素もしっかりと遮ります。
プライバシーの確保と点で非常に優れており、プライベートな空間を好むお客様に人気があります。

半個室が店舗にもたらすメリット

さまざまな店舗に設置され人気のある「半個室」。完全個室とは異なり、パーテーションやついたてなどで周囲を囲いながらも、完全には隔離されていない空間です。
ここでは5つのメリットについて解説します。

幅広い客層の集客が可能

半個室の醍醐味は、周囲の視線を気にすることなくリラックスできる点です。完全なプライベート空間ではありませんが、周囲の視線が気になるお客様からすれば、十分利用しやすい環境といえます。
完全個室に比べて気軽に利用しやすいという特徴もあるため、小さいお子様連れのファミリー層や、二人での会話を楽しみたいカップル層などに人気のある客席です。

仕切りを工夫することでさまざまな人数・状況に対応できる

仕切りを可動式のパーテーションやついたてにしておくことで、客席の広さを柔軟に変更できます。少人数の利用時には、2人掛けや4人掛けのテーブル席として、大人数の利用時には、パーテーションやついたてを取り払って広い空間を作れます。サービス店においても、接客スペースの開放感を調整できます。
このような工夫を施すことで、半個室はさまざまな人数や状況に対応できる柔軟な空間となります。

客単価のアップが見込める

プライバシーを重視するお客様にとって、利用しやすくプライベートな空間である半個室は魅力的な環境です。あわせて、お客様の望むメニューやサービスを提供することで、満足度向上につながり、客単価のアップが見込めます。
お客様にとって魅力的な半個室をつくるには、利用するお客様とその利用目的を想定することが重要です。

空間ごとに異なる雰囲気を演出できる

半個室は照明やインテリアなどを工夫することで、さまざまな雰囲気を演出できます。
空間ごとに仕切られているからこそ、高級感のある空間やカジュアルな空間、ロマンチックな空間など、デザインに幅を持たせられます。
お店の中に異なる雰囲気の空間をつくりだすことで、異なるニーズを持つお客様に利用してもらえます。

完全個室よりも工事費用を抑えられる

半個室は壁や扉などの設備を完全個室よりも減らせます。これにより、工事費用を削減することが可能です。完全個室の場合に比べて、施工の手間や材料費が少なくなるため、全体的なコストを抑えられます。
新規店舗の立ち上げ費用を抑えたい、既存店舗を改装して半個室を導入したいといった場合にも、半個室は導入しやすい選択肢となります。

半個室のデメリット

半個室は多くのメリットをもたらす一方で、いくつかのデメリットも存在します。
ここではその3つのデメリットについて解説します。

設置するスペースが必要

仕切りを設置する分、シンプルなテーブル席・接客スペースよりも広いスペースを必要とします。
十分なスペースがない店舗では半個室を設置できない可能性があります。また、スペースを確保できる店舗であっても、他の席タイプ・接客スペースを考慮しながら席数・レイアウトを検討する必要があります。

設置する工事費用が発生する

空間を仕切るためのパーテーションや衝立など、その工事費用が追加で発生します。半個室に合わせた照明やディスプレイ、什器類を設置する場合、さらに費用が掛かると見ていいでしょう。
注意点として、費用を抑えるために簡易的にしすぎてもプライベートな空間にはなりません。利用客層と利用シーンをしっかりと検討したうえで、設置の有無やデザインを決める様にしましょう。

通常の席よりも回転率が下がる

半個室用のような居心地の良い空間は、お客様の滞在時間が長くなる傾向にあります。当然、回転率は下がってしまうため、回転率重視の店舗には向かないということになります。

売上機会の損失につながる可能性があるため、店舗のコンセプト、提供するメニューやサービスと親和性があるかどうかは要チェックです。

半個室をデザインする際の注意点

半個室は、お客様にプライベート感を提供できる空間として人気が高まっています。しかし、デザインを誤るとお客様の満足度を下げてしまう可能性もあります。
ここでは半個室をデザインする際の2つの注意点について解説します。

お店のコンセプトに基づいてデザインする

半個室はお店のコンセプトに合ったデザインにすることが重要です。
高級感のあるレストランであれば、落ち着いた色調のインテリアや間接照明を用いて、上品な空間を演出するのがいいでしょう。カジュアルなカフェであれば、明るい色調のインテリアを用いて親しみやすい空間を演出するのがおすすめです。お店のコンセプトと異なるデザインの半個室を作ってしまうと、お客様に違和感を与えてしまう可能性があります。

スタッフの作業や動線を想定する

半個室はスタッフの作業や動線も考慮してデザインする必要があります。
例えば、スタッフがスムーズにメニュー・サービスを提供できるように、開け閉めが容易なパーテーション・カーテンを採用したり、客席・接客スペース周りの通路幅を広めに取ったりなどの工夫が必要です。
スタッフの作業や動線を考慮していない場合、接客の効率が悪く、お客様にストレスを与えてしまう可能性が高まります。

半個室が人気の業態と特徴

ここでは半個室が人気の4つの業態と、その特徴について解説します。

カフェ

カフェではリラックスした雰囲気でくつろぎたいというお客様が多いと言われています。そのようなお客様にとって、他のお客様との距離を保ちながらも、プライベートな空間である半個室は魅力的に映ります。
また、カフェでは作業や勉強をするお客様も多く、静かで集中できる環境が求められています。ある程度外部の騒音を遮断し、落ち着いた空間である半個室は、お客様にとって快適な環境といえます。

居酒屋

居酒屋ではグループでの食事や飲み会が多いため、プライバシーを最低限でも確保することが重要です。友人や同僚との会話を楽しみたいお客様にとって、半個室はこの点が守られているため、安心して利用しやすいのです。
また、居酒屋は騒がしい環境が一般的である一方、静かな空間を求めるお客様もいます。半個室は外部の騒音を遮断し、落ち着いた雰囲気を提供できるため、お客様は居心地の良い空間で食事や飲み会を楽しめます。

サロン&美容室

サロンや美容室では個々のお客様に対し、プライバシーを守りながら施術する必要があります。半個室は他のお客様との距離を保ちつつ、個別の施術を提供することに適しています。お客様はリラックスした環境で施術を受けられ、プライバシーが確保されることで安心感を得ます。
また、サロンや美容室はリラックスや癒しを求めるお客様が多いため、静かで落ち着いた雰囲気が重要です。半個室は外部の騒音を遮断し、リラックスした空間を提供できるため、お客様は施術中に安らぎを感じ、心身ともにリフレッシュできます。

まとめ

ここまで半個室の概要、メリットとデメリット、デザインする際の注意点を紹介してきました。
プライベートな空間でありながら気軽に利用しやすい半個室は、居心地の良さや特別感を求めるお客様にとって、魅力的な客席といえます。
集客や売り上げ面でメリットがある一方、スペースやコスト面でデメリットもあります。また、業態によって向き不向きがあるため、利用客層や利用目的、コンセプトを明確にしたうえで検討することが重要です。
当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛けください。

テラス席は、開放的な雰囲気や自然の風景を楽しめることから、非常に人気のある客席です。しかし、寒さが厳しい時期は適切な寒さ対策が欠かせません。お客様に快適な環境を提供するためにも。さまざまな対策を検討しておきましょう。
この記事では、冬のテラス席の魅力を最大限引き出すための取り組みやアイデアについて紹介しています。

冬のテラス席でしか味わえない魅力

テラス席は、天候や気温の影響をもろに受けてしまうため、年中人気という訳ではありません。特に、暑さや寒さが気になる夏と冬は顕著で、テラス席が全く稼働しないといったこともあります。
しかし、冬のテラス席でしか味わえない魅力があるのも事実で、近年、冬のテラス席を提供するレストランやカフェが増えています。
ここでは冬のテラス席でしか味わえない魅力を二つ紹介します。

冬の澄んだ空気や自然を感じられる

テラス席の魅力は、開放感あふれる雰囲気の中で食事を楽しめる点です。冬のテラス席は、澄んだ空気や独特の静けさが魅力的な客席です。
時間や時期に応じてゆるやかに変化する自然を、テラス席という空間で楽しんでもらうことで、顧客満足度の向上にもつながります。

冬ならではの風景やイルミネーションなどを楽しめる

冬の澄んだ空気や独特の静けさに加えて、冬ならではのイルミネーションや景色も楽しめる空間であれば、テラス席の価値はさらに高まることでしょう。
イルミネーションや雪景色といった冬の風景は、それだけでも集客力のあるコンテンツです。食事と一緒に楽しめる空間を提供することは、お客様にとっても貴重な体験となるでしょう。

冬のテラス席は、開放的な空間で冬の澄んだ空気や自然を感じられるだけでなく、冬ならではの風景を楽しめます。

冬のテラス席に寒さ対策が必須の理由

冬のテラス席は寒さ対策が必須です。なぜなら、寒さ対策が不十分だとお客様が寒くて快適に過ごせません。寒い思いをさせてしまうと、満足度が下がり、二度とお店に来なくなる可能性もあります。
また、デッドスペースとなってしまう可能性もあり、設置したテラス席が活用できなければお店の収益にも影響します。

冬のテラス席におすすめの寒さ対策

冬のテラス席は、気温の低さや空気の乾燥によって非常に寒く不快な空間になることがあります。
ここでは、冬のテラス席におすすめの寒さ対策を5つご紹介します。

パラソルヒーター&パティオヒーター

屋外用の自立式暖房器具としては有名な製品で、ガスタイプや電気タイプがあります。上部がパラソルの形をしており、広い範囲を暖められることから人気があります。
散水性能や安全装置を備えているため、安心かつ安全な運用を可能としており、デザイン的にもテラス席の雰囲気を損ねずに設置できます。

電気ストーブ&電気ヒーター

その名の通り、電気をエネルギー源として周囲を暖めます。一般的に電気ストーブや電気ヒーターと呼ばれる製品は小型で、手軽に持ち運びできるため設置場所の自由度が高いと言われています。
火を使わないので安全性も高いのですが、暖められる範囲は狭く、消費電力が大きいという点がデメリットとしてあげられます。

電気ブランケット&ひざ掛け

暖房器具を設置するほか、身に着ける物を貸し出すのもおすすめです。電気ブランケットを足元や膝にかけて使用してもらうことで、下半身を暖められます。コードレスタイプなら、場所を選ばずに使用できます。

ビニールカーテン

ビニールカーテンは、軟質ビニールを素材とした透明のカーテンを指します。店舗以外にも、工場や倉庫などの多くの場所で採用されており、幅広い用途で対応できます。
風よけや雨よけとしての利用はもちろん、防寒、防犯など、機能性に優れている点が魅力的です。また、熱遮断の効果が高いため暖房効率を上げられます。

その他に検討すべき対策

冬のテラス席はお客様に特別な体験を提供できる一方、営業者側が配慮すべき点も多くあります。快適な空間を提供するためには、寒さ対策だけでなく、近隣とのトラブル対策、天候対策、積雪対策などを検討しておくことが重要です。

近隣とのトラブル対策

そもそもテラス席を設置する条件として、「近隣の快適な生活を阻害してはならない」という前提があります。テラス席から発生する音や臭いなどによって、近隣住民や店舗に迷惑をかけてはいけません。

トラブルを避けるためには、事前の周知により理解を得ることが重要です。また、テラス席の利用時間やルールを明確に定め、徹底する必要があります。

天候対策

冬は天候が急変しやすい季節です。強風や降雪などによってお客様が危険にさらされる可能性があります。急な天候の変化に対応できるように、事前に策を講じておきましょう。
例えば、強風対策としてはとしてはヒーターやストーブを固定することが一般的です。その他にも、備品を移動・保管する場所を確保し、テラス席の利用を中止する基準を決めておくのもよいでしょう。

積雪対策

地域によりますが、積雪によってテラス席が利用できなくなる可能性があります。
除雪用の備品を用意しておくのはもちろんのこと、積雪量によっては、テラス席の利用を中止するなどの判断が必要です。

冬のテラス席にはさまざまな課題があります。これらの課題を事前に把握し、適切な対策を講じることで、お客様に安全で快適な空間を提供できます。

まとめ

冬のテラス席における寒さ対策についてご紹介しました。お客様に快適な食事体験を提供するためには、絶対に欠かせない事項といえます。寒さ対策をしっかりと考え、快適なテラス席を提供することで、食事やイベントがさらに楽しいものになるでしょう。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛けください。

テラス席は、開放的な雰囲気や自然の風景を楽しめることから、非常に人気のある客席です。しかし、暑さが厳しい時期は適切な暑さ対策が欠かせません。お客様に快適な環境を提供するためにも、さまざまな対策を検討しておきましょう。
この記事では、夏のテラス席の魅力を最大限に引き出すための取り組みやアイデアについて紹介しています。

夏のテラス席でしか味わえない魅力

天候や気温の影響をもろに受けてしまうテラス席は、年中人気という訳ではありません。特に、暑さや寒さが気になる夏と冬は顕著で、テラス席が全く稼働しないといったこともあります。
しかし、夏のテラス席でしか味わえない魅力があるのも事実で、ビヤガーデンやBBQ場、カフェのテラス席に人が集まるのがその証拠です。適切な暑さ対策を講じることで、夏であっても魅力的なテラス席を実現できます。
ここでは、夏のテラス席の魅力を二つ紹介します。

夏の爽やかな風や日差しを感じられる

テラス席の魅力は、開放感あふれる雰囲気の中で食事を楽しめる点です。夏はさらに、爽やかな風や日差し、活気がテラス席を魅力的な客席にします。
心が開放的になる時期に、日々の疲れを忘れ、リフレッシュできる空間を提供することで、顧客満足度の向上にもつながります。

夏ならではのメニュー・サービスを楽しめる

夏の爽やかな風や日差し、活気に加えて、夏ならではのメニューやサービスがあれば、テラス席の価値はさらに高まることでしょう。
季節限定のメニューやサービスは、それだけでお客様の興味を引き、来店を促す要素です。それを開放的な空間と併せて提供することは、お客様にとって貴重な体験となるでしょう。

夏のテラス席は開放的な空間で風や自然を感じられるだけでなく、夏ならではのメニューやサービスを楽しめます。

夏のテラス席に暑さ対策が必須の理由

近年、夏にテラス席を稼働させるレストランやカフェが増えています。しかし、夏のテラス席は暑さ対策が必須です。なぜなら、暑さ対策が不十分だとお客様が熱中症になる危険性があるからです。
夏は気温・湿度ともに高くなります。テラス席の場所によっては、日差しが強く熱中症のリスクが高くなります。

夏のテラス席におすすめの暑さ対策6

夏のテラス席は、直射日光や熱気によって非常に暑く不快な空間になることもあります。
ここでは、夏のテラス席におすすめの暑さ対策を6つご紹介します。

屋外用エアコン

屋外用エアコンは屋内用と同じく、熱交換器を用いて冷たい空気をつくり出します。後述の冷風機やミストファンとは異なる仕組みです。
特徴として、屋外用エアコンは空気自体を冷やす効果があるため、後述の冷風機よりも冷却能力は高いと言われています。電源さえあれば、配管工事や設置工事が必要ないという部分も魅力的です。

冷風機

冷風機は水が蒸発する際の気化熱を利用して涼しい風をつくり出します。
屋外用エアコンと同様に工事の必要がなく、設置・移動が簡単という特徴があります。おまけに、消費電力がかからないため、環境にも財布にも優しいと言われています。
冷却能力は劣りますが、冷えすぎることがないため、ゆったりとした時間を過ごす飲食店には適しています。

ミストファン

ミストファンは、水滴を含んだ微細な霧を噴射することで涼しい風を送り出します。屋外エアコンや冷風機と同様に、電源があれば工事の必要性がありません。
ミストを送風機によって送り出す仕組み上、冷風機よりも涼感を得られやすく、乾燥対策にも効果的です。

オーニング

オーニングは、お店の軒先やテラスに設置する可動式のテントを指します。日差しを遮り、日陰をつくることで、暑さ対策、熱中症対策、紫外線対策としても効果を発揮します。
軽量で取り付けやすいうえ、さまざまなデザインや色の製品が販売されているため、お店の装飾物としても人気があります。

パラソル

パラソルは、自立型かつ大型の日傘を指します。日よけ・雨よけとしての利用はもちろんのこと、おしゃれな雰囲気をつくり出すという点でも優れています。
オーニングとは異なり、テーブルごとに設置して使用します。大きさや形状もさまざまで、デザインも豊富なため、テラス席の雰囲気に応じて設置できます。

ビニールカーテン

ビニールカーテンは、軟質ビニールを素材とした透明のカーテンを指します。店舗以外にも、工場や倉庫などの多くの場所で採用されており、幅広い用途で対応できます。
風よけや雨よけとしての利用はもちろん、防寒、防犯など、機能性に優れている点が魅力的です。また、熱遮断の効果が高いため、屋内から送る冷暖房の空気を逃がしません。

その他に検討すべき対策

夏のテラス席はお客様に特別な体験を提供できる一方、営業者側が配慮すべき点も多くあります。快適な空間を提供するためには、暑さ対策だけでなく、近隣とのトラブル対策、天候対策、虫よけ対策、熱中症対策を検討しておくことが重要です。

近隣とのトラブル対策

そもそもテラス席を設置する条件として、「近隣の快適な生活を阻害してはならない」という前提があります。テラス席から発生する音や臭いなどによって、近隣住民や店舗に迷惑をかけてはいけません。
トラブルを避けるためには、事前の周知により理解を得ることが重要です。また、テラス席の利用時間やルールを明確に定め、徹底する必要があります。

天候対策

夏は天候が急変しやすい季節です。突風や豪雨などによってお客様が危険にさらされる可能性があります。急な天候の変化に対応できるように、事前に策を講じておきましょう。
例えば、突風対策としてはパラソルやテントをしっかりと固定することが一般的です。その他にも、備品を移動・保管する場所を確保し、テラス席の利用を中止する基準を決めておくのもよいでしょう。

虫よけ対策

屋外という環境かつ夏という時期柄、蚊やハエなどの害虫対策はより力を入れる必要があります。飲食店における虫の存在は、衛生的にも印象的にも最悪といえるからです。
テラス席は常に清潔であることが求められるため、こまめな清掃しましょう。また、虫を引き寄せる原因となる、廃棄物、段ボール、水たまりは早めに処理、除去しましょう。飲食店向けの防虫忌避剤も効果的です。

熱中症の予防と緊急時の対応

夏のテラス席では、お客様やスタッフが熱中症になる可能性があります。予防策をはじめ、なってしまった場合の対応を事前に検討しておくことが非常に重要です。
テラス席を稼働させるかどうかは、熱中症警戒アラートなどの情報をもとに判断するのがいいでしょう。また、お客様やスタッフが熱中症になった場合に備えて、応急処置マニュアルを作成し、スタッフに周知徹底する必要があります。

夏のテラス席にはさまざまな課題があります。これらの課題を事前に把握し、適切な対策を講じることで、お客様に安全で快適な空間を提供できます。

まとめ

夏のテラス席における暑さ対策についてご紹介しました。お客様に快適な食事体験を提供するためには、絶対に欠かせない事項といえます。暑さ対策をしっかりと考え、快適なテラス席を提供することで、食事やイベントがさらに楽しいものになるでしょう。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛けください。

レストランやカフェなどで見かけるテラス席は、開放感が魅力の席です。お客様に特別な体験を提供できるだけでなく、他店舗との差別化ポイントにもなることでしょう。設置することで顧客満足度向上にもつながります。
しかしながら、テラス席を設置するにはルールや条件があり、その適合性を満たすためにさまざまな手続きが必要です。
本記事では、テラス席とは何か、その設置に際して手続きやポイントについて紹介していきます。

テラス席とは?

テラス席とは飲食店が屋外に設置する座席のことで、屋外客席とも呼ばれます。開放的な環境で食事を楽しめるのが特徴で、近年人気が高まっています。
テラス席の設置に際して、諸々の許可を出すのは保健所です。このことからも分かる通り、テラス席の設置は衛生的な観点から厳しくチェックされ、営業者はそれを守って運営していくことが求められます。

テラス席のメリット

レストランやカフェなどの飲食店において、テラス席は根強い人気を誇っています。お客様に開放的な環境で食事を楽しんでもらえるだけでなく、集客効果や他店との差別化など、さまざまなメリットをもたらします。
ここではテラス席の4つのメリットについて解説します。

集客効果が高い

テラス席は通行人から視認しやすく目を引く効果があります。特に、ランチタイムやディナータイムなど、多くの人が行き交う時間帯には集客を期待できます。
また、ロケーションが良ければ話題性も高まり、オンライン上での集客も期待できるでしょう。

開放感を訴求できる

屋内の環境と一番異なるのが、外部の風や光を感じながら食事を楽しんでもらえる点です。天気や時間、季節によって変わる環境こそ、お客様が求めている開放感やリラックス感の要素といえます。
また、環境に合わせて照明や装飾にこだわったり、季節に対応したメニューを提供したりすることで、さらに特別な雰囲気を演出できます。

屋外ならではのサービスが提供できる

テラス席は屋内では提供が難しいサービスも訴求できます。その一部として次の例を紹介します。

【ペットの同伴が可能】

お客様の中には、ペットと食事をともにしたいと考える方が非常に多くいます。ただでさえペットと同伴が可能なお店は少ないため、この点は魅力的なサービスといえるでしょう。もちろん、衛生面での管理は必要ですが、特定層の集客が期待できます。

【喫煙席を設置できる】

2020年4月1日に施工された改正健康増進法により、屋内での喫煙は原則禁止となりました。屋外はその対象ではないため、テラス席には喫煙席を設けることが可能です。
ただし、屋外に喫煙席を設ける場合は、周囲に受動喫煙させないような配慮は必要です。この点がクリアできれば、特定層の集客が期待できるでしょう。

競合店との差別化を図れる

テラス席を導入することで、競合店との差別化を図れます。お客様に新しい体験を提供することで、競合店との差別化を図り、顧客満足度向上につなげられます。

テラス席は、集客効果、開放感、差別化など、さまざまなメリットをもたらします。導入を検討してみてはいかがでしょうか。

テラス席を設置するまでの流れ

開放感あふれるテラス席は、お客様に特別な体験を提供できる一方、設置には様々な準備が必要です。
ここでは、テラス席を設置するまでの流れをざっくり3つのステップに分けて解説します。

保健所への事前相談

テラス席を設置する場合、工事着工前に管轄の保健所へ事前相談に行きます。このタイミングで、申請方法や準備すべきこと、留意点などについて確認します。
一点注意いただきたいのは、手続きに関する事項は自治体により異なるということです。東京都で必要な『屋外客席営業設備の大要』という届出を参考に、以下の情報を整理しておくと良いでしょう。

【屋外客席営業設備の大要に記入する情報】
・設置場所
・屋外客席の面積
・屋外客席の区画
・設置期間
・設置時間
・定休日
・配置図

各種届出の作成・提出

保健所の指導に基づき、指定された届出を作成・提出します。
届出の内容は、設置場所が『公有地以外』か『公有』で異なります。ここでも、東京都の例を紹介します。

【公有地以外を使用する場合(お店の敷地など)】
・屋外客席営業設備の大要

【公有地等を使用する場合】
・屋外客席営業設備の大要
・屋外客席設置届
・法令、条例等に基づく当該公有地等の使用等の許可等を受けていることを証明する書面の写し
※道路占用許可や道路使用許可など
・当該公有地等の使用等の許可等を受けた者が営業者以外の場合、許可を受けた者からの当該共有地等の使用承諾書

また、場所に加えて設置する状況によっても内容が異なります。
【屋外客席を設置するお店を新たに始める場合】
営業許可申請の際に、『屋外客席用の営業設備の大要』を提出する。

【既存の施設に屋外客席を新たに設置する場合】
変更届提出の際に、『屋外客席用の営業設備の大要』を提出する。

承認

保健所が書類を審査し、問題がなければ承認されます。承認までに数週間かかる場合がありますので、余裕を持って手続きを進めましょう。

テラス席を設置する際は事前に保健所に相談し、必要な手続きを進める必要があります。また、設置場所や構造、設備など、さまざまな注意点も理解しておきましょう。

テラス席を設置できる条件

テラス席を設置するにはいくつかの条件を満たす必要があります。
ここではテラス席を設置できる条件について東京都の例を参考に解説します。詳細は自治体によって異なりますので、あくまでも参考程度にとどめておきましょう。

対象業種

テラス席を設置できる業種は、「飲食店営業」および「喫茶店営業」のみです。
ただし、飲食店営業や喫茶店営業の許可を得ていても、以下の場合はテラス席を設けられません。
・屋内に客席を設置せず、対面で販売する形態
・臨時営業
・引車、自動車による移動営業並びに天ぷら船、屋形船および自動販売による営業

※2021年の食品衛生法改正により、「喫茶店営業」は「飲食店営業」に統合されました。

設置場所

テラス席は、スタッフが衛生的に管理できる範囲内かつ、店舗・屋内客席に隣接している必要があります。こちらの基準は公有地であっても公有地以外であっても適用されます。
店舗・屋内客席から離れた場所、例えば反対側の歩道や別の区画に設置することは、基本的にはできないということです。
道路(歩道&車道)の不正使用、通行幅の確保などは特に注意が必要です。

屋外客席の面積

テラス席の面積は、原則として屋内客席の規模を超えない程度にします。設置場所にも関係していますが、衛生的な管理を徹底し、周辺環境への影響を少なくするためです。
後述の『気を付けるべきこと』でも述べますが、屋外に客席を設置することで発生するトラブルを防止するために、管理しやすい環境でなくてはなりません。
例外として、トラブル防止対策や衛生管理が徹底されていると判断された場合、屋外客席の面積を広げることが可能です。

施設基準

テラス席を設置する際は、その範囲を明確にするための区画が必要です。具体的には、ウッドデッキや植栽、ポール付きのロープなどが挙げられます。
これは、お店が管理する範囲を明確にしたうえで、衛生管理やトラブル防止対策を徹底するために重要といえます。定期的な清掃により、常に清潔な環境を維持することが求められます。

テラス席で気を付けるべきこと

テラス席の最大の魅力は屋外という環境下で食事を楽しめることです。しかし、屋外という環境だからこそ食品衛生や近隣環境に対して配慮すべき点が数多くあります
ここでは、テラス席で気を付けるべき6つのポイントについて解説します。

食品取扱設備を設置しない

衛生上テラス席には調理用・サーブ用の器具を設置できません。そのため、食品の調理・サーブは屋内で行い、テラス席に運ぶ必要があります。
具体的には、サラダバー、バイキング、フリードリンクコーナー、バーベキューにかかわる焼台などの食品取扱設備がその対象です。
しかし、一定の要件を満たせば設置が可能な場合があります。屋外で設備の使用を検討している場合は、保健所への相談を必ずしましょう。

清潔な環境を維持する

テラス席を清潔に保つうえで問題となるのが、風や人の移動によって運ばれる土ぼこり、害虫・ねずみなどの存在です。道路に面している場合、排ガス由来のススや油汚れも問題となるでしょう。これらは衛生的にも印象的にも非常に悪く、お店の評価を落とす原因となります。
お店側としては、こまめな清掃を欠かさず行ったり、お店から出たゴミの保管場所に気を遣ったり、虫よけ対策を講じたりなどの対応が必要です。
テラス席を設置する際は、清潔な環境を維持しやすいかどうか、入念なチェックが必要です。

騒音・臭気・煙などへの対策

テラス席の設置にあたっては、近隣の快適な生活を阻害してはいけません。そのため、近隣の住民や店舗に迷惑をかける騒音、臭気、煙などには特に注意が必要です。
施設基準で紹介した、何かしらの方法で区画することも有効ですし、面している歩道や敷地から距離を開けて設置してもいいでしょう。もちろん、営業時間にも配慮しなくてはいけません。
これらについては、営業形態や提供するサービスも関係があるため、保健所との密な協議が重要になります。

暑さ・寒さ対策

お客様に一年間テラス席を利用してもらうには、暑さ対策と寒さ対策が欠かせません。開放感があるとはいえ、食事する以上は快適な環境であることが求められます。
問題となるのが夏と冬の時期です。夏の暑さ対策としては、日差しを遮るパラソルやオーニング、冷たい空気を感じさせる冷風機やミストファンが有効です。
冬の寒さ対策としては、空気を暖めるパラソルヒーターや電気ヒーター、お客様に身に着けてもらう電気ブランケットやカイロが有効です。

天候対策

突発的な天候不良に対しても対策を講じておく必要があります。雨天をはじめ、強風や積雪もテラス席にとっては大きな脅威です。

暑さ対策で触れたパラソルやオーニングは雨対策としても有効です。他にも、水はけを考えたデッキづくりや除雪用具、備品の固定方法や保管場所なども検討しましょう。
天候が悪化することを想定して、事前にお客様対応を決めておきましょう。

屋外に適した什器を選ぶ

ここで説明してきたように、テラス席はさまざまな外部環境にさらされています。備品を清潔に長く使用するためにも、耐候性やメンテナンス性を考えて選択するのがおすすめです。
屋外用什器は、テーブルや椅子、ソファー席など数多く販売されています。機能性とデザイン、予算と相談しながら導入してみましょう。

テラス席は、開放的な空間で食事を楽しめる魅力的な空間です。しかし、快適な空間を維持するためには、周辺への配慮や清潔な環境の維持など、いくつかの点に注意する必要があります。

まとめ

テラス席の重要性と設置に必要な手続きについてまとめると、テラス席は店舗にとって特徴的な空間を提供し、お客様に居心地の良い環境を提供する重要な要素であることがわかります。
テラス席を設置するためには、一定の基準を満たす必要があります。許可取得や届出手続き、条件の遵守などが必要であり、これらに注意を払うことが非常に重要です。店舗側は管理の範囲を明確にし、ルールを守ることで、安全かつ快適なテラス席を提供することが求められます。
テラス席は店舗運営において重要な要素であり、適切に設置・管理することで、顧客満足度の向上や集客力の強化につがることが期待されます。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛け下さい。

飲食店において、お客様に快適でリラックスできる空間を提供するためには、テーブル席が欠かせない要素になります。テーブル席がお客様にもたらす居心地の良さは、滞在時間を長くして食事体験をより満足度の高いものにします。
この記事では、テーブル席を導入するメリットや他の客席、テーブル席の配置について紹介しています。
飲食店の空間づくりにおいて、テーブル席を検討している方の助けとなれば幸いです。

テーブル席とは?

レストランやカフェなどで食事する際、多くの人が利用する「テーブル席」。飲食店のデザインを決める際は、他の客席についても当然検討するでしょう。そのため、「テーブル席」の意味を知っておくと、他の客席との違いがより明確になります。

「テーブル席」は食事するためのテーブルと椅子がセットで設置された座席を指します。
テーブルには正方形、長方形、丸形などさまざまな形状があり、椅子にはダイニングチェアやベンチ、ソファーも含まれています。基本的にはこれらを組み合わせて「テーブル席」を構成します。
また、4人掛けまたは2 人掛けなど複数人での利用を想定して配置され、後述するメリットから人気があります。
ただし、設置する際は最低限スペースを確保しなくてはならず、狭小店舗での導入には工夫が必要です。

テーブル席を導入するメリット

飲食店のデザインにおいては、営業スタイルやお客様のニーズに合った座席を設置することが重要です。お客様にとって居心地の良い空間を提供できれば、顧客満足度向上につながります。
ここではテーブル席を導入する 4つのメリットを紹介します。

複数人で利用しやすい

テーブル席は2人~4人など、複数人で利用しやすい点が人気です。家族や友人との食事会をはじめ、ビジネスランチなどさまざまなシーンに対応できます。

靴の脱ぎ履きが必要ない

テーブル席は靴を脱ぎ履きせずに利用できるため、気軽に利用しやすい雰囲気を作れます。特に、小さなお子様連れや高齢者の方にとっては、靴の脱ぎ履きが負担となる場合もあります。

脚への負担が少ないため長時間の利用に向く

テーブル席は椅子に座って食事をするため、脚への負担が少なく長時間の利用に向いています。ゆっくりとした時間を過ごしたいお客様に快適な空間を提供できます。

利用人数・状況に応じて配置を変えられる

可動式のテーブル席を設置すれば、利用人数や状況に応じて配置を変えられます。ランチタイムは 2 人掛け、ディナータイムは 4 人掛けなど、柔軟に対応することでスペースを有効活用できます。

テーブル席は、複数人で利用しやすい、靴の脱ぎ履きが必要ない、長時間の利用に向いているなど、さまざまなメリットがあります。お店のコンセプトやターゲット層に合わせて、テーブル席を導入してみてはいかがでしょうか。

飲食店で見られる他の客席と特徴

飲食店を訪れたお客様はどのような席に座りたいと思うでしょうか?テーブル席以外にもさまざまな種類の客席があり、それぞれが異なる特徴を持っています。
ここでは7つの客席とその特徴について紹介します。

カウンター席

カウンター席は調理場と客席が対面したタイプの座席を指します。他の座席に比べて高さがあるため、スタッフとお客様の距離・目線が近く、コミュニケーションが取りやすい席です。これにより、スタッフは直接サービスに当たれるため、作業効率も良くなります。
一人や少人数のお客様が利用しやすく、カフェやバーでは一般的な座席とされています。

ボックス席(ファミレス席)

ボックス席はお客様が対面した形で着席する座席を指し、ファミレス席とも呼ばれています。パーテーションや腰壁、仕切りと一体化したベンチシートによって構成されており、プライベートな空間をつくり出します。
ゆったりと食事を楽しめるため、ファミレスはもちろんのこと、カフェや焼肉店、居酒屋では一般的な座席とされています。

座敷(小上がり)&掘りごたつ

座敷は畳の上に座卓と座布団を設置した座席を指します。靴の脱ぎ履きは必要ですが、足を伸ばしてリラックスでき、利用人数や状況に合わせて配置を変えられます。
似たような座席に掘りごたつがあります。こちらは座敷と同様に靴を脱いで利用するタイプの座席で、足を下ろせることでよりリラックスできる空間をつくり出します。
どちらの座席も長時間の利用に向いているうえ、複数人での利用に適していることから、居酒屋では人気の席とされています。

立席(スタンド)

立席は椅子を設置せず、ハイカウンターやハイテーブルのみで構成された席を指します。椅子を設置する必要がないため、狭いスペースでも席数を増やすことができます。
また、回転率が良く混雑時も比較的利用しやすいことから、立ち食いそばや立ち飲み、カフェなど気軽に利用できるお店で人気の席です。

個室

個室は、造作壁や扉、パーテーションなどによって他の席から仕切られた空間を指します。周囲から完全に仕切られた空間を完全個室、カーテンやパーテーションで簡易的に仕切られた空間を半個室と呼びます。個室の中にテーブル席や座敷などの座席を設けることで客席として利用します。
プライベートな空間をつくりやすいことから、接待や会食などにも最適です。

それぞれの客席には異なる特徴があります。営業スタイルや利用するお客様、店舗スペースを整理しながら、お店に合う席を検討しましょう。

テーブル席の配置で気を付けるポイント

テーブル席は飲食店において最も一般的な座席です。しかし、テーブルをただ並べればいいというわけではありません。テーブル席の配置にはいくつかのポイントがあります。
ここではテーブル席の配置で気を付けたい 3つのポイントを紹介します。

業態特性を把握しておく

まず、展開するお店の業態特性を把握することが重要です。カフェ、レストラン、居酒屋など、業態によってお客様のニーズや求める雰囲気は異なります。

【カフェ】

カフェでは多くのお客様が長居する傾向があります。そのため、ゆったりと座れるようにテーブルの間隔を広く取る必要があります。また、電源や Wi-Fi などの設備も充実させることで、より快適な空間を作れます。

【レストラン】

レストランでは食事に集中できる落ち着いた雰囲気を作る必要があります。そのため、テーブルの間隔を広く取り、周囲の視線が気にならないように配置することが重要です。

【居酒屋】

居酒屋ではお客様同士がワイワイと盛り上がれるような雰囲気を作る必要があります。そのため、テーブルを密集させて配置し、会話がしやすいように工夫すると良いでしょう。

営業スタイルを明確にする

次に、お店の営業スタイルを明確にする必要があります。回転率を重視するお店なのか、落ち着いた雰囲気を重視するお店なのかによって、テーブル席の配置は大きく変わってきます。

【例:回転率を重視したお店】

回転率を重視するお店では、できるだけ多くのお客様を席に案内できるように、テーブルを密集させて配置する必要があります。また、通路を広く確保することでお客様の動線をスムーズにすることも重要です。

【例:落ち着いた雰囲気を重視したお店】

落ち着いた雰囲気を重視するお店では、テーブルの間隔を広く取り、ゆったりと座れるように配置する必要があります。また、照明を暗めにしたり間接照明を使ったりすることで、より落ち着いた雰囲気を作ることができます。

お客様とスタッフの動線を想定する

最後に、お客様とスタッフの動線を想定する必要があります。お客様をスムーズに席に案内できるか、スタッフがスムーズに料理や飲み物を運べるかなどを考慮する必要があります。

【動線設計のポイント】

・出入口付近は混雑しやすいので通路を広く確保する
・厨房から客席までの距離を短くする

・トイレへの動線を考慮する

テーブル席の配置は、お店の雰囲気や顧客満足度に大きく影響します。上記で紹介したポイントを参考に、お店のコンセプトに合ったテーブル席の配置を検討しましょう。

まとめ

テーブル席はお客様にリラックスした雰囲気を提供し、食事や会話を楽しむ場として重要な役割を果たしています。テーブル席の配置やデザインに工夫を凝らすことで、お客様により快適な空間を提供できるでしょう。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛けください。

飲食店におけるカウンター席は、店舗の雰囲気やお客様の体験に大きな影響を与える重要な要素です。
この記事では、飲食店のカウンター席の役割や種類、そして居心地の良さを左右する要素について紹介します。また、カフェや和食店など業態ごとのカウンター席の特徴にも触れていきます。
開業や改装を予定している飲食店オーナーの方々にとって、カウンター席の重要性を理解するための助けとなれば幸いです。

飲食店におけるカウンター席の役割

ここでは飲食店におけるカウンター席の5つの役割について解説します。

調理·提供のプロセスをパフォーマンスとして見せる

オープンキッチンと組み合わせたカウンター席は、調理や提供のプロセスをお客様に直接見せることができます。
調理の臨場感を演出することでエンターテイメント性を高めることができます。また、食材の鮮度や調理過程を透明化することで、お客様の信頼を獲得すると共に料理に対する期待感を高めることもできます。
パフォーマンス性の高いカウンター席は、お客様に特別な体験を提供し、記憶に残る食事を提供することができます。

回転率を高める

カウンター席はテーブル席よりもスペースを有効活用できるため、回転率を高める効果があります。
同じ面積でも、カウンター席の方がテーブル席よりも多くの座席を設けることができるうえ、食事時間も短くなる傾向があります。
待ち時間と提供時間が短くなれば多くのお客様が利用でき、リピーター獲得にも繋がります。

スタッフの作業効率を上げる

カウンター席はスタッフの作業効率を上げる効果があります。
まず、スタッフとお客様の距離が近いためコミュニケーションがスムーズになります。カウンター越しに直接オーダーを取ることができるため、オーダーミスを防ぐことができます。同時に、カウンター越しに直接料理を提供できるため、提供時間を短縮することもできます。
作業効率が上がると、従業員の負担が軽減されサービス向上にも繋がります。

お客様とのコミュニケーションを取りやすくする

カウンター席はお客様とのコミュニケーションを取りやすい環境です。
スタッフとお客様の距離が近づき目線が合うため、コミュニケーションがスムーズになり、会話が自然と生まれます。また、メニューやおすすめ情報などを直接伝えることもできます。
お客様とのコミュニケーションは、信頼関係を築きリピーターに獲得に繋がります。

一人客の利用を促す

カウンター席は一人客が利用しやすい環境です。
一人でも気兼ねなく利用できる環境なうえ、周囲の視線が気にならないので、飲食以外にちょっとした作業に集中できます。コンセントやUSBポートを備えたカウンター席は充電や作業に便利で人気があります。
一人客が増えている現代において、カウンター席は重要な役割を果たします。

カウンター席の種類

ここではカウンター席の種類を寸法、形状、素材から解説します。

寸法

カウンター席で重要な寸法は高さ、幅、奥行です

【高さ】
カウンター席は高さに応じて以下の3つに分類できます。高さによって演出できる雰囲気が異なり、滞在時間にも影響を与えます。併せて使用する椅子の高さも非常に重要で、椅子の座面高とカウンター天板の間が「30cm~40cm」となるように選ぶと良いです。
・ハイカウンター:床から天板までの高さが「100cm~110cm」
・ミドルカウンター:床から天板までの高さが「85cm~95cm」
・ローカウンター:床から天板までの高さが「70cm程度」

【幅】
カウンター席の幅は、「一人当たりに必要なスペース×人数」をベースに割り出すのが良いとされています。
・一人当たりに必要なスペース:一般的には「60cm」。ゆったりとしたい場合は「70cm」。
・二人掛け:「60cm」または「70cm」が二人分となるため「120cm~140cm」
・四人掛け:「60cm」または「70cm」が四人分となるため「240cm~280cm」
・六人掛け:「60cm」または「70cm」が六人分となるため「360cm~420cm」

【奥行】
カウンター席の奥行は、提供する料理の数や使用する食器の大きさなどを基に調整します。奥行次第でカウンターに配置できる品数が変わるため、お客様の注文数にも影響します。
・一般的な奥行:通常は「45cm」程度あればいいとされています。
・バーやカフェ:軽食の提供程度であれば「40cm以下」でもよい。
・和食店やレストラン:しっかりと料理を提供するのであれば「50cm以上」がよい。

形状

カウンター席で有名な形状は、コの字型、I字型、L字型です。設置に必要なスペース、費用、スタッフの作業効率性などが異なります。
・コの字型:3方向にカウンターを設置することで、一体感と活気のある空間を演出できます。
・I字型:シンプルでスタイリッシュな印象を与え、省スペースにも適しています。
・L字型:コの字型とI字型の中間的な形状で様々な空間に柔軟に対応できます。

素材

カウンター席で良く採用される素材は、木材、左官素材、メラミン樹脂です。演出できる雰囲気やメンテナンス性、費用などが異なります。
・木材:温かみのある自然な風合いが特徴です。
・左官素材:独特の質感と高級感のある仕上がりになります。
・メラミン樹脂:耐久性と耐水性に優れ、お手入れが簡単です。

カウンター席のデザインは、形状、高さ、幅、奥行、素材など様々な要素から検討する必要があります。上記の情報を参考に、空間の魅力を最大限に引き出すカウンター席をデザインしましょう。

カウンター席の居心地を左右する要素

ここではカウンター席の居心地を左右する4つの要素(付け台、荷物入れ、足掛け、椅子)について解説します。

付け台(立ち上がり)

付け台はカウンター席と調理場の間にある、一段高くなっている部分を指します。
つけ台の用途は業態によって異なりますが、提供する品や空き皿、調味料やカトラリーを置く場所として設置されます。また、着席したお客様の目線から厨房や調理場、スタッフの手元を隠す役割もあります。
付け台の寸法は、営業スタイルと用途を検討したうえで決めます。素材についても、カウンター席の素材、内装デザインと合わせて選ぶと統一感のある空間になります。

荷物入れ

カウンター席に荷物入れがあれば、お客様は荷物の置き場や汚れを心配する必要がなくなります。
荷物入れ以外にも、服を掛けておくフックや棚なども必要です。また、サイズや素材、設置するスペースは、利用者層など想定して検討しましょう。通常は、お客様の足元に設置しておくことが多いです。

足掛け

ハイカウンターやミドルカウンターといった足がつかないようなカウンター席では、足掛けがあると便利です。お客様は足を楽に置くことができ、長時間座っていても疲れにくくなります。
足掛けの高さは、カウンター席の高さに合わせて調整する必要があり、滑りにくい素材を選ぶと安全です。また、足掛けにはバー状のものや板状のものなどがあります。

椅子

カウンター席の椅子はお客様の居心地を左右する重要な要素です。
椅子の高さは寸法の解説時に書いたように、カウンター席の高さに合わせて調整する必要があります。また、長時間座っていても疲れない素材や形状に加え、空間全体の雰囲気に合わせて選ぶことが居心地の良さに繋がります。

業態ごとのカウンター席の特徴

カウンター席は、カフェ、バー&酒場、和食店&レストランなど、様々な業態で採用されています。業態によって、カウンター席の役割や求められる機能が異なるため、それぞれの業態に合ったカウンター席をデザインすること重要です。
ここでは3つに分類した業態におけるカウンター席の特徴を解説します。

カフェ

基本的には一人でも気軽に利用できるような雰囲気が重視されます。飲食以外の目的で利用されることもあるため、電源やWi-Fiを提供することも一般的となりました。コーヒーに力を入れている店舗では、高めのカウンター席を設けてスタッフとお客様の距離を近づけるなど、気軽に会話できるような工夫も見られます。
テーブル席よりも回転率が高いため、一人客の利用促進や作業効率向上などを目的として、カウンター席を設置することが多いです。

バー&居酒屋

バー&居酒屋のカウンター席はコミュニケーションが自然と生まれる雰囲気が重視されます。ハイカウンターまたはミドルカウンターが人気で、バーテンダーやスタッフとお客様の目線が近くなることで会話しやすくなります。距離が近いというのは他のお客様にも当てはまり、一人客だけでなく、複数人でも交流しやすいような寸法とすることが多いです。また、カクテルや料理を作る過程を楽しんでもらうこともカウンター席の醍醐味としています。
ハイカウンターとバーチェアに加え、照明を落とした落ち着いた雰囲気や豊富な酒類のディスプレイが鉄板です。

和食店&レストラン

和食店&レストランのカウンター席は、食材の鮮度や調理過程の演出が重視されます。ローカウンターまたはミドルカウンターが人気で、調理の過程、食事、コミュニケーションをゆったりと楽しめるような工夫が見られます。また、板前やシェフの技術力を演出するために、L字型やコの字型のカウンター席も人気があります。
技術や食材の鮮度などをアピールするためにカウンター席を設置することが多く、天板素材や照明にこだわることで更に雰囲気を演出することができます。

まとめ

以上、飲食店におけるカウンター席の役割、種類、居心地を左右する要素、業態ごとの特徴について解説しました。カウンター席は飲食店において重要な役割を果たしており、お客様にとって快適な空間を提供します。
適切な形状やデザイン、居心地の良さを考慮しながらカウンター席を活用することで、店舗の魅力を高め、お客様に満足度の高い食事体験を提供することができるでしょう。是非、これらのポイントを参考にして、飲食店のカウンター席を検討していただきたいと思います。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛け下さい。

カフェにはおしゃれで機能的なカウンター席が必要不可欠です。そのようなカウンター席では、お客様はゆったりとくつろぎながら飲食を楽しむことができます。では、理想的なカウンター席をデザインするには何が重要なのでしょうか?それは店舗コンセプトや営業スタイルに適した寸法を知ることです。
本記事では、カフェカウンターの寸法や形状について紹介しています。カウンター席のデザインを決めるポイントや、高さや形状による違い、さらには居心地に影響を与える要素についても紹介します。開業や改装を予定しているカフェオーナーの方々に向けて、カウンター席を検討する際に参考になる情報を解説していきます。

カウンター席が重要な理由

カフェという空間においてカウンター席は重要な役割を担っています。単なる座席というだけでなく、お店の雰囲気や快適度、スタッフとお客様のコミュニケーションを向上させる要素として機能します。
ここではカウンター席が重要な4つの理由を紹介します。

カフェの印象を決める

カウンター席はカフェの雰囲気や印象を決定する重要な要素です。
通常、カウンター席は店舗の入口付近に配置したうえで、おしゃれで魅力的にデザインします。なぜかというと、カウンター席はお客様が最初に目にする場所であり、その印象はカフェ全体のイメージに影響を与えるからです。
そのため、カウンター席のデザインはカフェのブランディングやお客様の期待値に合致するよう、慎重に検討する必要があります。

一人のお客様が利用しやすい

カウンター席は一人での利用に最適な環境を提供します。
一人での来店や短時間での立ち寄りに適しており、他のお客様との関わりを最小限に抑えることができます。
また、席が一つずつ独立しているため、プライバシーが保たれ、リラックスして過ごすことができます。これは、一人客の利便性を高め、カフェの利用率を向上させる重要な要素となります。

お客様とコミュニケーションを取りやすい

カウンター席はスタッフとお客様とのコミュニケーションを容易にします。
カウンターでの接客は直接的であり、お客様とスタッフとの距離が縮まります。注文やサービスの要望がスムーズに伝えられるため、よりパーソナライズされたサービスを提供することが可能です。
また、店舗によっては隣の席に座るお客様との交流も促進され、カフェ全体のアットホームな雰囲気を醸成します。

作業効率の向上

カウンター席はキッチンやレジに近い位置に設置されることが多いため、スタッフの作業効率を向上させます。
注文の受け渡しや飲食物の提供が迅速に行われ、待ち時間が短縮されます。これにより、顧客満足度が向上し、リピーターの増加に繋がります。
また、混雑時にもスムーズな業務遂行が可能となり、スタッフのストレスが軽減されます。

カウンター席のデザインを決めるポイント

カフェカウンターのデザインを決める際の重要なポイントは、カフェのコンセプトやターゲットを明確にすることです。

カフェのコンセプトやターゲットを明確にする

カウンター席のデザインは、カフェのコンセプトやターゲットに合わせて行う必要があります。
例えば、落ち着いた雰囲気を目指すなら木目調やナチュラルな素材を使用し、居心地の良さを演出します。一方で、都会的でモダンな雰囲気を目指す場合は、スタイリッシュなデザインやモノクロのカラースキームを採用することが有効です。
また、ターゲットが若者向けであればカラフルでポップな要素を取り入れることで、若々しい雰囲気を醸し出します。
このように、カウンター席のデザインはカフェのコンセプトやターゲットとの一貫性を保ちつつ、居心地の良さや魅力を高めることが重要です。そのため、デザインプロセスでは十分な調査と検討を行い、カフェの独自性を引き出すデザインを追求することが求められます。

カウンター席の高さによる違い

カウンター席は高さに応じて、ハイカウンター、ミドルカウンター、ローカウンターの3つに大別できます。それぞれ特徴があり、カフェの雰囲気や利便性を高めることができますが、コンセプトやお客様によって適切なカウンターは異なります。

ハイカウンター

一般的に床から天板までの高さが「100cm~110cm」のカウンターを指します。座面高が「70cm~80cm」の椅子と併せて採用します。多くの人にとって床に足がつかない高さです。
カフェの活気ある雰囲気を演出し、短時間の滞在や立ち寄り客に適しています。また、スタッフとお客様のコミュニケーションも容易であり、接客効率の向上にも寄与します。
一方で、長時間の滞在やくつろぎたい客層には向かない場合があります。

ミドルカウンター

一般的に床から天板までの高さが「85cm~95cm」のカウンターを指します。座面高が「55cm~65cm」の椅子と併せて採用します。多くの人にとって床に足がギリギリつくかつかない高さです。
ハイカウンター同様にスタッフとお客様のコミュニケーションが取りやすいのが特徴です。低くなったことでくつろぎやすくなり、よりカジュアルな雰囲気となります。
一方で、丁度よい高さの椅子が少ないことが難点です。

ローカウンター

一般的に床から天板までの高さが「70cm」程度のカウンターを指します。座面高が「40cm」程度の椅子と併せて採用します。多くの人にとって床にしっかりと足がつく高さです。
リラックスした雰囲気を演出することに長けており、様々な客層がゆったりと飲食を楽しむことができます。長時間の滞在に向いているカウンターです。
一方で、お客様よりも厨房側のスタッフの目線が高くなることで、圧迫感を感じる場合があります。

カウンター席の形状による違い

カウンター席は形状に応じて、I字型カウンター、L字型カウンター、コの字型カウンターの3つに大別できます。それぞれ特徴があり、カフェの雰囲気や利便性を高めることができますが、コンセプトやお客様によって適切なカウンターが異なります。

I字型カウンター

I字型のカウンター席は直線的なカウンターの形状を指します。
この形状の特徴はスペースを効率的に利用できることです。カウンターが直線であるため、お客様が座席に着席しやすく、スタッフも効率的な接客が可能です。
また、I字型のカウンター席は壁際や入り口付近に配置されることも多く、店内のアクセントとなります。これにより、カフェの雰囲気や活気を演出することができます。

L字型カウンター

L字型のカウンター席は文字通りカウンターがL字型の形状を指します。
この形状の特徴はスタッフとお客様の距離が近くなることです。角度をつけて配置された座席は、会話や交流を促進しやすくなります。
また、L字型の配置は店内の一部を区切る効果もあり、プライベートな空間を提供することができます。このため、カップルや友人同士の利用に適しています。

コの字型カウンター

コの字型のカウンター席はカウンターがコの字型の形状を指します。
この形状の特徴はお客様が中央の調理場を囲うように座ることができることです。同時に、スタッフから見てもお客様を見渡しやすい形状です。
提供過程を見て楽しんでもらうことができる他、密なコミュニケーションによって細やかなサービスが可能です。

カウンター席の居心地に影響を与える要素

ここでは、カフェのカウンター席の居心地に影響を与える3つの要素(幅と奥行き、荷物入れや足掛け、カウンター席に合う椅子)について紹介します。

幅と奥行

カウンター席の幅と奥行きは、提供する品・サービス、利用客層や利用目的によって適切に設定しなくてはいけません。
一人当たりに必要な幅は「60cm」が一般的です。ゆったりとした席を設けたい場合は、「70cm」以上確保すると良いでしょう。奥行については、軽食程度であれば「40cm以下」、しっかりと料理を提供する場合は「50cm以上」が一般的です。
幅と奥行きを適切にデザインすることで、窮屈感や圧迫感を感じることなく快適に過ごせる空間を作ることができます。

荷物入れや足掛け

カウンター席に荷物入れや足掛けがあると、お客様の利便性が向上し居心地も良くなります。
荷物入れがないと、お客様は荷物を床に置くか膝の上に抱えることになってしまいます。荷物入れを設置することで、お客様は荷物の置き場・汚れの心配をすることなく、快適に過ごせるようになります。
また、足掛けがあるとお客様は足を楽に置くことができ、長時間座っていても疲れにくくなります。特にハイカウンターの場合は、足掛けがあると足がぶらぶらせず、快適に過ごせるようになります。
荷物入れや足掛けはスペースやデザインに合わせて検討しましょう。

カウンター席に合う椅子

カウンター席の高さに合う椅子を選ぶことも居心地を左右する重要なポイントです。
カウンター席の高さを紹介した際に、それぞれのカウンター席ごとに椅子の高さも紹介しました。これに加えて、素材やデザインも雰囲気や利便性を向上させる要素です。例えばカフェであれば、柔らかいクッションや快適な素材を使用することで、お客様はよりリラックスした雰囲気の中でくつろぐことができます。その結果として、滞在時間や注文数にも影響を与えるのです。

まとめ

本記事では、カウンター席が重要な理由や、カウンター席のデザインを決めるポイント、カウンター席の高さによる違い、カウンター席の形状による違い、そして居心地に影響を与える要素について紹介しました。
おしゃれさと機能性を兼ね備えた理想的なカフェカウンターで、お客さんが快適に過ごせる空間を提供するために、是非参考にしてみてください。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛け下さい。

カウンター席は、お客様のお店に対する第一印象を左右する場所として重要な役割を果たしています。そして、そのカウンター席の寸法やデザインは、店舗の雰囲気や営業スタイルに合わせて様々な設定がされています。
本記事では、カウンター席の高さ、奥行と幅、使用される素材について解説します。カウンター席のデザインが営業スタイルに合っていれば、快適な食事や接客ができるだけでなく、お客様の体験にも大きく影響を与えるということを知っておきましょう。

カウンター席の高さ

カウンター席は高さに応じて、ローカウンター、ミドルカウンター、ハイカウンターの3つに分類されます。ここでは、それぞれのカウンターについてメリットとデメリットを紹介します。

ローカウンター

ローカウンターは床から天板トップまでの高さが「70cm前後」のカウンターです。座面高「40cm前後」の椅子と併せて採用することが多いです。着席した際に足が床につく高さですので、ゆったりと食事やお酒を楽しんでもらうことができます。
ただし、厨房側に立つスタッフに見下ろされる形となるため、圧迫感を感じることがあります。

ミドルカウンター

ミドルカウンターは床から天板トップまでの高さが「85㎝~ 95cm 」のカウンターです。座面高「55cm~65㎝」の椅子と併せて採用することが多いです。着席すると足がギリギリつく高さです。スタッフとお客様との目線が近づくことでカジュアルな雰囲気を演出できます。後述するハイカウンターよりはゆったりと座ることができます。
ただし、丁度よい高さの椅子が少ないため、カウンターに合ったものを探すのが難しいです。

ハイカウンター

ハイカウンターは床から天板トップまでの高さが「 100cm~110cm」のカウンターです。座面高「75cm」前後の椅子と併せて採用することが多いです。着席すると足がつかないため、足掛けや足置きを設けることが一般的です。ミドルカウンターより高くなったことで、スタッフとお客様の目線は更に近づき、コミュニケーションが取りやすくなります。この高さまでくると、圧迫感を感じることもなくなります。
ただし、ローカウンターとは対照的に長時間の滞在には向かないとされています。

カウンターの高さを決めるポイント

カウンターの高さを決める際には、利用するお客様とその目的、設ける空間の広さや動線についても同時に検討しておくと良いです。収納や荷物置きが必要かどうかも忘れずに。

カウンター席の奥行と幅

ここではカウンター席の重要な2つの寸法である奥行と幅について解説します。

カウンター席の奥行

カウンター席の奥行は料理をどれだけ置けるかという部分に影響します。つまり、注文数を左右する要素といえます。提供する料理の数やお皿の大きさなどを明らかにしたうえで、決めることが重要です。
立ち飲みや軽食を提供する店舗であれば「40cm以下」でも良く、しっかりと料理を提供する店舗であれば「50cm以上」は確保しておきたいところです。

カウンター席の幅

カウンター席の幅はお客様が隣に並んだ際の居心地に影響します。つまり、滞在時間を左右する要素といえます。カウンターだからこそパーソナルスペースの確保はしっかりと検討しなくてはなりません。
一般的に、一人当たりに必要な幅は「60cm」と言われています。カウンターの想定利用人数に応じて、二人なら「120cm」、三人なら「180cm」、四人なら「240cm」といったように寸法を決めましょう。

カウンター席の寸法は用途や空間に合わせて適切に設定することが重要です。 寸法を適切に決めて、快適且つ機能的な空間を目指しましょう。

カウンター席の素材

カウンター席の素材 は、デザイン、機能性、価格、メンテナンス性など様々な要素を考慮して選ぶことが重要です。
ここでは、カウンター席によく使用される6つの素材の特徴とメリット・デメリットを解説し ます。

合板

合板は複数の薄板を接着剤で貼り合わせて作られた素材です。
価格が安く様々な種類の木材からつくられています。反りや伸縮に強いため耐久性もあります。ただし、質感は無垢材に劣ります。
合板はコストパフォーマンスを重視する場合におすすめです。

集成材

集成材は板状の小角材を接着剤で貼り合わせて作られた素材です。合板が薄板を繊維方向が直交するように重ね合わせるのに対して、集成材は板状の小角材を繊維方向が揃うように貼り合わせます。
集成材も無垢材に比べると価格が安く、反りや伸縮にも強いです。加工のしやすさからデザイン面にも優れています。ただし、合板よりは価格が高く、無垢材には質感で劣ります。
集成材は強度とコストパフォーマンスのバランスが良い素材です。

突板

突板は無垢材をスライスした薄板を集成材やベニヤの表面に貼り付けた素材です。この構造によって、無垢材のような質感をリーズナブルに再現することができます。ただし、上記の構造によって剥がれてしまう可能性や、深い傷が入った時に芯材が露出してしまう可能性があります。どちらにせよ修理が難しいです。
突板は無垢材の質感とコストパフォーマンスのバランスが良い素材です。

無垢材

無垢材は天然木をそのまま加工した木材です。合板、集成材、突板と比べて価格が高い分、質感や触り心地が非常に良いです。また、木目の違いや経年劣化による風合いが味わい深い素材です。落ち着いた雰囲気や高級感を演出するのに長けています。ただし、ひび割れや反りが起こりやすいという特徴もあります。温度や湿度の調整はもちろん、定期的なメンテナンスを必要とします。
無垢材は高級感を求める場合におすすめです。

メラミン化粧板

メラミン樹脂を含ませた紙と芯材を重ね合わせた素材です。樹脂を使用しているため傷や汚れに強いです。また、価格が安くバリエーションも豊富とあって人気の素材です。ただし、自然素材を用いていないため質感や風合いという点では無垢材などに見劣りしてしまいます。
メラミン樹脂はコストパフォーマンスと耐久性を重視する場合におすすめです。

左官

左官はセメントや砂、水などを混ぜ合わせて作る素材です。左官の中でもモルタルやモールテックスは、シンプルなデザインでありながらも様々なテイストの内装に合うため人気です。加工や塗装を施すことでメンテナンス性も向上します。ただし、そのままだと強度はあまり高くないため、ひび割れが起こることがあります。また、施工にかかる費用も安くはありません。

まとめ

本記事ではカウンター席の寸法について解説しました。カウンター席の寸法は、お客様の快適性や店の雰囲気を左右する重要な要素です。適切な高さ、 奥行き、幅、素材を選ぶことで、お客様にとって快適な空間を提供することができます。 これらのポイントを考慮しながら、カウンター席の設計や配置を行ってください。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛け下さい。

飲食店において、店内の雰囲気や居心地、お客様の滞在時間や注文数に影響を与えるのがカウンター席です。店舗の顔として、デザイン的な面でも機能的な面でも欠かせない存在といえます。そのため、内装のデザインやテーブルなどの家具を検討するのと同じぐらい、カウンター席のデザインはしっかりと検討しなくてはいけません。
この記事では、カウンター席が果たす役割をはじめ、採用するメリットとデメリット、種類や寸法などの情報を紹介しています。お客様によりよい環境で食事を楽しんでもらうためにも、紹介しているポイントを押さえて、店舗に合ったカウンター席をデザインしましょう。

カウンター席の役割

カウンター席は単なる座席以上の役割を果たし、デザイン次第で店舗イメージやお店の価値を左右する要素になります。
ここではカウンター席の計画が失敗しないように、押さえておくべき役割を3つに分けて紹介します。

店舗の印象を決定づける

カウンター席はお客様が入店して最初に目にする場所であり、店舗の印象を決定づける要素といえます。

【清潔感を感じさせる】
清潔感のあるカウンター席は、お客様に安心感を与えます。対して、汚れたカウンター席はお客様に不快感を与え、店舗の評価を下げてしまう可能性があります。

【雰囲気を印象付ける】
おしゃれなカウンター席は店舗の雰囲気を格上げし、お客様の期待感を膨らませます。例えば、木製のカウンター席は温かみのある雰囲気を演出できますし、大理石のカウンター 席であれば高級感のある雰囲気を演出できます。

【余裕を感じさせる】
余裕のある広々としたカウンター席は、お客様に開放感を与えてリラックスさせます。一方、狭すぎるカウンター席は、お客様に窮屈な印象を与えて居心地を悪く感じさせてしまう可能性があります。

特定層の来店を促す

カウンター席には特定層の来店を促す効果があります。

【お一人様】
一人でも気軽に食事を楽しみたい方にとって、カウンター席は居心地の良い空間です。周囲を気にせず、自分のペースで食事を楽しめる点が魅力です。

【カップル】
二人だけの時間を楽しみたいカップルにとって、距離の近いカウンター席は親密な時間を過ごせる場所です。また、スタッフとの距離が近いため会話も弾みやすいです。

【ビジネスパーソン】
サッと食事を済ませたいビジネスパーソンにとって、カウンター席は時間効率の良い席です。テーブル席よりも回転率が高いため、待ち時間が少なく食事を楽しめます。

回転率や注文数に影響を与える

カウンター席は滞在時間や注文数にも影響を与えます。

【回転率アップ】
カウンター席はテーブル席よりも回転率が高いため、売上の向上に貢献します。お客様が食事を終えた後すぐに次のお客様を案内できるため、混雑時でも効率的な席です。

【注文数アップ】
カウンター席ではテーブル席よりも単価の高いメニューを注文する傾向あると言われています。これは、お客様とスタッフの距離が近いことでおすすめメニューを聞きやすく、つい注文してしまうという心理がはたらくためです。

【コミュニケーションアップ】
お客様との距離が近いカウンター席はコミュニケーションを促し、リピーター獲得に繋がりやすいと言われています。スタッフはお客様と顔見知りになりやすく、好みやニーズを把握しやすくなります。

カウンター席を導入し有効活用することで、お客様に快適な空間を提供しつつ売上向上に繋げることができます。

カウンター席のメリット

調理·提供のプロセスをパフォーマンスとして見せることができる

カウンター席では調理や提供のプロセスを目の前で楽しんでもらうことができます。これは、お客様にとってエンターテインメント性のある体験となります。
熟練した職人の技を間近で見られるのは、カウンター席ならではの魅力です。また、新鮮な食材を丁寧に調理する様子を見せることで、お客様に安心感を与えるとともに料理への期待感を高めることができます。

お客様とコミュニケーションを取りやすい

カウンター席はスタッフとお客様の距離が近いため、コミュニケーションが取りやすいというメリットがあります。
スタッフがお客様と直接会話することで、お客様のニーズを把握しやすくなります。そして、お客様の好みや雰囲気に合わせて、おすすめの料理やお酒を提案しやすいのも魅力的です。スタッフとの会話を好むお客様からすれば居心地の良い空間となるでしょう。

スタッフの作業効率が上がる

カウンター席はスタッフの作業効率が上がるというメリットもあります。
スタッフはお客様の顔を見ながら直接オーダーを受けられるため、オーダーミスが少なくなります。また、調理場とカウンター席が近いことで料理の提供時間が短縮されます。テーブル席に比べると、お客様に対して気を配る負担が軽減されます。

一人のお客様が利用しやすい

カウンター席は一人のお客様が利用しやすいというメリットがあります。
一人のお客様でも、気楽に周囲を気にせず食事を楽しむことができます。中には、隣に座ったお客様との会話から新しい出会い生まれることもあります。

カウンター席は、お客様との距離を縮めて特別な体験を提供できる空間といえます。

カウンター席のデメリット

カウンター席はお客様との距離を縮めて特別な体験を提供できる空間です。しかし、メリット だけでなくデメリットも存在します。

厨房や調理·提供のプロセスが見える

カウンター席では、厨房や調理・提供のプロセスがお客様の目に入ります。これは、お客様にとってメリットになる場合もありますが、デメリットになる場合もあります。
厨房が汚れていたり調理過程が雑だったりすると、お客様に不快感を与えてしまいます。他にも、厨房の音が大きい場合はお客様が落ち着けません。

機能性やデザインが考えられていないと居心地が悪い

カウンター席はお客様が長時間座る場所です。そのため、機能性やデザインが考えられていないと居心地が悪く なってしまいます。
サイズが高すぎるカウンターや奥行のないカウンターは、お客様に圧迫感や窮屈さ感じさせます。さらに、素材や照明が合っていないカウンターは、店の印象を悪くする要因にもなってしまいます。

カウンター席を検討する際は上記のデメリットも考慮する必要があります。 メリットとデメリットを比較し、店舗にとって最適な選択をしましょう。

カウンター席をデザインする際のポイント

カウンター席は、単なる座席ではなく店舗の雰囲気やコンセプトを表現する要素です。ですから、カウンター席はただ設置すれば良いというわけではないのです。店舗のコンセプトやターゲット層に合わせて、適切にデザインすることが重要です。

店舗のコンセプトとターゲットを明確にする

まず、店舗のコンセプトとターゲット層を明確にすることが重要です。
カジュアルな居酒屋、高級レストラン、カフェなど、店舗のコンセプトによって、カウンター席の雰囲気は大きく変わります。同時に、一人客が多い、カップルが多い、家族連れが多いなど、ターゲット層によってもカウンター席の使い方が変わります。
コンセプトとターゲット層を明確にすることで、どのようなカウンター席をデザインすれば良いのかが見えてきます。

業態の特徴からカウンター席の必要性を検討する

カウンター席はすべての業態に適しているわけではありません。
居酒屋ではお客様同士のコミュニケーションを促進するため、カフェでは一人客やカップルが多いのでカウンター席が有効です。一方で、高価格帯のレストランでは、落ち着いた雰囲気を演出するため、テーブル席の席数を多くする傾向があります。
業態の特徴や営業スタイルからカウンター席が必要かどうか検討しましょう。

カウンター席の形状

カウンター席の形状 は空間の広さや使い勝手、デザインなどによって様々です。
ここではカウンターの代表的な 3つの形状である I 字型、L 字型、コの字型を解説します。

I字型カウンター

I 字型カウンターは最もシンプルな形状です。
他の形状に比べてスペースを取らないので、狭くても工夫次第で設置が可能です。シンプルな形状なので様々な業態で採用しやすく、他と比べて製作コストが安いのも魅力です。
ただし、スタッフと視線が合うことで圧迫感を感じさせてしまうこともあります。これに関しては、店舗のコンセプトによっては工夫が必要になります。

L字型カウンター

L 字型カウンターはI字型カウンターを二辺に配置した形状です。
I 字型カウンターよりも多くの収納スペースを確保できるうえ、二辺に作業スペースがあるので、複数人で作業しやすいのが特徴です。
ただし、 I 字型カウンターよりも広いスペースが必要で、製作コストも高くなります。

コの字型カウンター

コの字型カウンターは三辺にカウンターを設置した形状です。
三辺あるため、最も多くの収納スペースと作業スペースを確保でき、複数人で作業しやすいです。空間を一体化させる効果もあり、開放的な雰囲気を演出できます。
ただし、ある程度広いスペースが必要で、最も製作コストが高くなります。

上記の点を考慮して空間や用途に最適なカウンター席を検討しましょう。

カウンター席の高さ

カウンター席の高さも形状と同様に、利用者や利用シーン、空間に合わせて選ぶことが重要です。
ここでは代表的な ローカウンター、ミドルカウンター、ハイカウンターを解説し ます。

ローカウンター

ローカウンターは床からカウンター天板までの高さが70cm程度のカウンターです。座面高40cm前後の椅子と合わせて採用することが一般的です。
座面高40㎝の椅子は床に足がつくため、ゆったりと座って食事やお酒を楽しむことができます。

ミドルカウンター

ミドルカウンターは床からカウンター天板までの高さが95cm前後のカウンターです。座面高65cm前後の椅子と合わせて採用することが一般的ですが、このサイズの椅子は見つけにくいと言われています。
座面高65㎝前後の椅子は座った時に足先がギリギリつくかつかないかぐらいの高さです。座った際の目線が高くなり、カジュアルな雰囲気をつくってくれます。

ハイカウンター

ハイカウンターは床からカウンター天板までの高さが105cm前後のカウンターです。座面高75cm前後の椅子と合わせて採用することが一般的です。
座面高75cm前後の椅子は座った時に足がつかない高さです。目線が更に高くなることでスタッフとのコミュニケーションが取りやすくなります。バーで採用されることが多く、おしゃれな雰囲気をつくり出します。
足がつかないことへの対策として足掛けを設ける場合が多いです。

上記の点を考慮して用途や空間に最適なカウンターを検討しましょう。

カウンター席の寸法

ここではカウンター席の重要な2つの寸法である奥行と幅について解説します。

カウンター席の奥行

カウンター席の奥行は料理をどれだけ置けるかという部分に影響します。つまり、注文数を左右する要素といえます。提供する料理の数やお皿の大きさなどを明らかにしたうえで決めることが重要です。
立ち飲みや軽食を提供する店舗であれば「40cm以下」でも良く、しっかりと料理を提供する店舗であれば「50cm以上」は確保しておきたいところです。

カウンター席の幅

カウンター席の幅はお客様が隣に並んだ際の居心地に影響します。つまり、滞在時間を左右する要素といえます。カウンター席だからこそパーソナルスペースの確保はしっかりと検討しなくてはなりません。
一般的に、一人当たりに必要な幅は「60cm」と言われています。カウンターの想定利用人数に応じて、二人なら「120cm」、三人なら「180cm」、四人なら「240cm」といったように寸法を決めましょう。

カウンターの寸法は用途や空間に合わせて適切に設定すること重要です。 寸法を適切に設定して、快適且つ機能的な空間を目指しましょう。

居心地を更によくする要素

居心地の良い空間は心身ともにリラックスできる場所です。ただ単にテーブルなどの家具を置けば良いというわけではありません。
ここでは、居心地を更によくする 3つの要素(付け台、荷物入れ、足掛け)について解説します。

付け台(立ち上がり)

付け台は寿司屋や小料理屋、ラーメン屋で見られる、カウンター奥の一段高くなっている部分を指します。料理や食器を置くなどの用途で採用されます。
衛生面も考えて高さを設定することが重要で、お客様とのコミュニケーションの有無や必要性に応じて高さを調整します。

荷物入れ

荷物入れはコートやバッグなど、荷物を収納するのに便利な要素です。 荷物入れを選ぶ際には利用客や利用シーンを想定して、大きさ、素材、デザインが合う製品を選びましょう。フタ付きのものや、キャスター付きのものなど、機能性も考慮するとよいです。

足掛け&足置き

足掛けと足置きは、高さのあるカウンターやチェアと合わせて採用されます。足の置き場があることで、本来足がつかない高さでもリラックスしてもらうことができます。また、離席時の補助としても活躍します。

まとめ

店舗にとってもお客様にとってもカウンター席は重要な役割を果たします。採用するかどうかは、カウンター席のメリットとデメリット、注意点を把握してから決めましょう。
また、カウンターの形状、高さや幅などの寸法は、目指す雰囲気や営業スタイルに合わせて選ぶことが重要です。まずは、お客様のニーズやコンセプトなどの情報を明確にすることから始めるのがいいでしょう。

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飲食店の成功には適切なテーブルの選定が欠かせません。テーブルは飲食店の空間デザインや顧客体験に大きく影響を与える要素であり、そのサイズや形状は店舗の業態やコンセプトに合わせて慎重に選ぶ必要があります。
この記事では飲食店のテーブルサイズに焦点を当て、一般的なサイズや形状、さらにはテーブルサイズを決定する要素について解説しています。また、業態によって異なるテーブルサイズとレイアウトの特徴も紹介します。
飲食店オーナーにとって役立つ情報を提供することを目指しています。

飲食店のテーブル選びが重要な理由

飲食店においてテーブル選びは非常に重要です。なぜなら、テーブルはお客様の居心地とお店の売上 に大きく影響を与える要素だからです。
飲食店のテーブル選びが重要な理由については以下の通りです。

お客様の居心地が変わる

テーブルはお客様が食事をする際に最も重要な家具の一つです。テーブルの高さが合っていない、テーブルが小さすぎる、椅子の座り心地が悪いなどの問題があると、居心地は悪くなり長居したくなくなってしまいます。
逆に、テーブルの高さが適切で、広々としたテーブルや座り心地の良い椅子を用意することで、お客様は快適に食事を楽しむことができ、長居したくなるのです。

注文数や客単価が変わる

テーブルの大きさや形状は注文数や客単価にも影響を与えます。
例えば、テーブルが小さすぎると多くの料理を置くことができず、お客様は注文を控えてしまう可能性があります。 逆に、テーブルが大きければ多くの料理を置くことができ、お客様は色々な料理を注文する可能性が高くなります。

テーブルの一般的なサイズと選び方

テーブルは食事をするだけでなく、人との会話を楽しむためにも利用されます。テーブルのサイズは利用人数や用途、設置スペースの広さなどに応じて選びましょう。
ここではテーブルの一般的なサイズと快適な空間を作るためのポイントについて解説します。

1人分で必要なスペース

テーブルを選ぶ際には、まず1人分で必要なスペースを考慮する必要があります。
一般的には「幅60cm×奥行40cm」が1人分で必要なスペースとされています。但し、こちらはあくまでも目安であり、業態やコンセプトによって必要なスペースは調整する必要があります。

2人掛け用テーブル

2 人掛け用のテーブルは「幅60cm×奥行75cm」 が一般的です。スペースが限られている場合は 「幅50 cm×奥行75cm」、余裕があれば「幅70㎝×奥行80cm」でも良いでしょう。

4人掛け用テーブル

4 人掛け用のテーブルは「幅120cm×奥行75cm」 が一般的です。ゆったりと食事を楽しみたい場合は、「幅130~150cm×奥行80~90cm」 のテーブルを選ぶのも良いでしょう。

6人掛け用テーブル

6 人掛け用のテーブルは「幅180cm×奥行70cm」 が一般的です。大人数で食事をする場合は「幅210cm×奥行80~90cm」 のテーブルを選ぶのも良いでしょう。

テーブルの高さ

テーブルの高さは利用する椅子の高さに合わせて調整する必要がありますが、一般的には「70~75㎝」が良いとされています。一般的な椅子の座面高が 40cm前後 、座面からテーブルトップまでが30㎝前後ですので、テーブルの高さは 40cm+30cm=70cm が目安となります。

テーブルの一般的な形状

テーブルの形状は演出したい雰囲気や利用してもらう目的によって変えるものです。
ここでは代表的な2つの形状(ラウンド型、スクエア型)のメリットとデメリットについて解説します。

ラウンド型

ラウンド型のテーブルは角がなく柔らかい印象を与える形状です。視線が中心に集まりやすく会話がしやすいという特徴があります。

【メリット】
・会話のしやすさ:角がないため目が合いやすく、どの位置に座っても会話しやすい
・開放感:空間を広く見せる効果がある
・安全性:角がないので小さなお子様が利用する場合は安全

【デメリット】
・スペース効率:設置スペースを広く取る必要がある
・利用人数:大人数で利用するには不向き
・スタッフとお客様の動線:スペースを取るためレイアウトが難しい

ラウンド型のテーブルは会話重視の空間や小さなお子様が利用する空間におすすめです。

スクエア型

スクエア型のテーブルは直線的でスタイリッシュな印象を与える形状です。スペース効率が良 いという特徴があります。

【メリット】
・スペース効率:スペースを有効活用できる
・利用人数:大人数でも利用しやすい
・スタッフとお客様の動線:レイアウトしやすく動線を確保できる

【デメリット】
・会話のしやすさ:丸形と比べて、対角の人と目が合いにくい
・圧迫感:設置するスペースに余裕がないと、圧迫感を感じる場合がある

スクエア型のテーブルはスペース効率を重視する空間や大人数で利用する空間におすすめで す。

テーブルサイズを左右する要素

テーブルサイズを左右する要素には、利用人数や用途だけでなく使用している食器、メニュー、カトラリーセ ット、卓上調味料、伝票入れ、紙ナフキンなどのアイテムも考慮する必要があります。
ここではテーブルサイズを左右する要素について解説します。

食器

使用する食器もテーブルサイズを左右する要素です。
大皿料理を多く提供する場合は大きめのテーブルが必要ですし、小皿料理を多く提供する場合は小さめのテーブルでも十分です。

メニュー

メニューもテーブルサイズを左右する要素です。
冊子型メニューの場合はテーブルに置くスペースが必要で、別途メニュー立ての設置も検討しなくてはいけません。メニューの内容によっては、テーブルの上に置くのではなく壁に貼ったり、立てかけたりするのも良いでしょう。

カトラリーセット

カトラリーセットもテーブルサイズを左右する要素です。
フルコースの場合は多くのカトラリーセットが必要になります。対して、カトラリーセットが必要ない店であればスペースを考慮しなくても問題ありません。

卓上調味料

卓上調味料もテーブルサイズを左右する要素です。
多くの調味料を置く場合は大きめのテーブルが必要になり、調味料入れも併せて考える必要があります。

伝票入れ&紙ナプキン入れ

伝票入れと紙ナプキン入れもテーブルサイズを左右する要素です。
形状や卓上に置くのかどうかなど、お店によってスペースを検討しなくてはなりません。

テーブルサイズは使用している食器、メニュー、カトラリーセット、卓上調味料、伝票入れ、紙ナプキンなどのアイテムを考慮して選ぶ必要があります。

業態別·テーブルサイズとレイアウトの特徴

業態によって最適なテーブルサイズとレイアウトは異なります。
ここではカフェ、ファストフード、バー・酒場、レストランの4つの業態について、テーブルサイズとレイアウトの特徴を解説します。

カフェ

カフェはお客様がゆっくりとくつろげる空間を提供することが重要です。
テーブルサイズは2人掛けで「幅70cm×奥行80cm」、4人掛けで「幅120cm×奥行80cm」 程度が一般的です。レイアウトはゆったりと座れるように、テーブルの間隔を広く取るのがポイントです。ソファ席や円卓を設置するのも良いでしょう。
カフェではお客様が長時間滞在することを想定して、ゆったりとした家具やレイアウトにすることが 重要です。

ファストフード

ファストフードは回転率を上げるために効率的なレイアウトが重要です。
テーブルサイズは2人掛けで「幅50cm×奥行60cm」、4人掛けで「幅120cm×奥行 60cm」程度が一般的です。レイアウトはテーブルを並べて配置し、動線を確保するのがポイントです。カウンターを設置するのも良いでしょう。
ファストフードでは、お客様が短時間で食事できるように効率的なレイアウトにすることが重 要です。

バー·酒場

バー・酒場はお客様が会話を楽しむ空間を提供することが重要です。
テーブルサイズは2人掛けで「幅60cm×奥行60cm」、4人掛けで「幅120cm×奥行 60cm」 程度が一般的です。レイアウトは高めのテーブルと椅子を設置し、お客様が立ち上がって会話しやすいようにハイカウンターなどを設けてもよいでしょう。
バー・酒場では、お客様が会話しやすいように高めのテーブルと椅子を設置するのがポイントです。

レストラン

レストランはお客様に食事を楽しんでもらうために、落ち着いた雰囲気を提供することが重要です。
テーブルサイズは2人掛けで「幅 60cm×奥行75cm」、4人掛けで「幅130cm×奥行80cm」 程度が一般的です。レイアウトはテーブルの間隔を広く取り、落ち着いた雰囲気を作るのがポイントです。テーブルクロスや花などを飾るのも良いでしょう。
レストランではお客様が食事に集中できるような、落ち着いた雰囲気のレイアウトにすることが重要です。

まとめ

飲食店におけるテーブルの選び方と重要性についてご紹介しました。
テーブルは飲食店の空間デ ザインやお客様の快適度に大きく関わる要素です。適切なサイズや形状を選ぶことは、お店の雰囲気や効率的な運営にも影響を与えます。

まず、テーブルの一般的なサイズについて触れました。2人掛け、4人掛け、6人掛けなど、お客様の人数に合わせたテーブルサイズを選ぶことが重要です。また、テーブルの高さも統一することが大切であり、一般的には70cm前後が推奨されています。

次に、テーブルサイズを左右する要素について説明しました。お店のスペースや業態など、様々な要素がテーブル選びに関与します。

さらに、業態別にテーブルサイズとレイアウトの特徴についても触れました。例えば、食事をメ インとするお店では、テーブルとイスの高さの設定やテーブル間の間隔に注意することが重要です。また、宴会やパーティーなど大人数のお客様を受け入れる場合には、テーブルを連結したり離したりすることで柔軟に対応できるようにすることが求められます。

飲食店におけるテーブル選びは、お店の雰囲気や効率的な運営に大きく影響を与える重要な要素です。適切なサイズや形状のテーブルを選ぶことで、お客様の快適性や満足度を高めることができます。

当社では各種デザイン/設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛け下さい。

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