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コンクリート打ちっぱなしとは?洗練された空間をつくる独特の魅力と注意点を徹底解説

近年、住宅や店舗、オフィスなどでよく目にすることがある「コンクリートをむき出しにした仕上げ」。余計な装飾を排したシンプルな印象と、どこか無機質でありながら洗練された雰囲気が相まって、モダンな空間演出の手法として人気を集めています。
本記事では、コンクリートの躯体をそのまま活かした仕上げの特徴や魅力、メリット・デメリット、そしてメンテナンスの実際などを総合的に解説します。
これから店舗づくりやリノベーションを検討している方や、デザインにこだわりたい事業者の方に向けて、お役立ち情報を幅広くお届けします。

素材感を前面に押し出す仕上げの魅力

そもそもどういう仕上げなのか

塗装や壁紙を貼らず、コンクリートの躯体を直接見せる仕上げ方法を指します。一般的には打設後にパネル(型枠)を取り外した状態のまま、あるいは最小限の補修や保護を施した程度で完成とするケースが多いです。型枠の痕跡や素材特有の色ムラが、意匠として独特の風合いを生み出します。

シンプルかつ力強い美しさ

木材や金属とは異なる、無機質なテクスチャーが魅力のひとつです。装飾を削ぎ落とした大胆な構成を好むデザイナーや建築家にとっては、このスタイルが持つストイックな印象が空間全体の引き締め役となるとして人気です。加えて、あえて塗装をしないことでスッキリとした洗練感を演出できる点も大きいと言えるでしょう。

建築の骨格を楽しむ

コンクリートの壁は、建物の構造そのものが露わになっているようなイメージを与えます。梁や柱、壁面の打設跡などがダイレクトに見えることで、建築物の骨格をダイナミックに感じ取れるという点も多くのファンを獲得している理由のひとつです。

どんな建築物・空間で採用されているか

住宅(戸建・集合住宅)

個人宅でも、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC造)である場合には、あえて壁紙を張らない選択を取る方が増えています。リビングや寝室など、一部分だけをそうした仕上げにする例もあれば、家全体を徹底的にこだわったテイストでまとめることも可能です。

商業施設・店舗

カフェやアパレルショップ、ヘアサロンなど、トレンド感や個性を強調したい業種で頻繁に見ることができます。光の当たり方によって表情が変化し、背景としても高いポテンシャルを持つため、広告ビジュアルや商品ディスプレイとの相性が良いのです。

オフィス・ショールーム

企業イメージを先進的かつ洗練されたものにしたい場合、事務所の内装に取り入れるケースもあります。ショールームでは、製品のデザイン性を引き立てるため、敢えてコンクリートの躯体を背景に使うといったテクニックも見られます。

デザイン的なメリットとインテリアへの応用

素材が持つ表情を活かす

表面の気泡や色ムラ、型枠の目地跡など、コンクリートの躯体が独自に持つ模様がそのまま残る仕上げは、いわば“世界にひとつだけ”のアート作品のようなもの。壁紙や塗装による仕上げとは違った、唯一無二の表情を生かして空間を個性的に演出できます。

他素材とのコントラストを楽しむ

木の温もりを感じるフローリングや、ステンレス・ガラスなどの光沢ある素材と組み合わせると、互いの質感が際立ちます。たとえば、モノトーン調の什器や照明器具を配置すればスタイリッシュな雰囲気が強調される一方、温かみのある天然木什器を合わせれば、無機質さを和らげつつモダンな印象をキープできます。

ミニマルなインテリアが似合う

余計な装飾性がないため、インテリアをシンプルな方向に振ると空間全体が洗練された印象になりやすいです。雑多な装飾品を並べるとコンクリの良さが埋もれてしまう恐れがあるため、厳選したアイテムで統一感を出すのがポイントです。

外観・内装を計画するうえで押さえておきたいポイント

施工の精度

この仕上げは表層にごまかしがきかないため、施工の丁寧さが仕上がりのクオリティを左右します。型枠の組み方やコンクリの打設手順、脱型タイミングなどに不備があると、気泡やムラが大きく出たり、表面に亀裂が生じたりするリスクも生まれます。事前に実績ある施工業者を選ぶことが重要です。

防水性・断熱性への配慮

外壁として採用する場合は、雨水の浸透や経年劣化を防ぐため専用の撥水剤や塗布材を検討しましょう。また内壁の場合でも、結露や温度変化を考慮して断熱材の配置や防湿対策を行うことで、快適性を確保できます。

汚れやすさと日常の使い勝手

ほこりや手垢、キズなどが意外と目立つことも多く、オーナーにとってはメンテナンスが重要な課題となります。空間の用途によっては傷がつくリスクが高まるため、トップコートを塗るなど対策を検討しましょう。

メンテナンスと耐久性の考え方

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表面保護の工夫

無保護のままだと、湿気や汚れがコンクリ表面に入り込む場合があります。そこで専用の撥水剤を塗って表層を撥水加工したり、クリヤー塗装で保護したりする方法が一般的です。これにより、長期間にわたって美観を維持できる可能性が高まります。

定期的な点検

屋内外を問わず、クラック(ひび割れ)が発生していないか、色が変わってきていないかなどを定期的にチェックすることが大切です。万一、大きめのひび割れがあれば、構造上の問題に発展する前に専門家の意見を仰ぐと安心です。

簡単なお手入れ方法

普段の掃除は、ホコリや汚れを拭き取りやすい柔らかい布巾などを使いましょう。洗剤を使う場合は、専用タイプが無難です。強力な薬剤やたわしでのゴシゴシ洗いは、表面を傷つけたりコーティングが剥がれたりする恐れがあります。

コスト・施工面の留意点

必ずしも安価ではない

一見すると「仕上げがいらないから安いのでは?」と思われがちですが、前述の通り施工精度と技術力が要求されるため、必ずしも安くはなりません。型枠の費用や人件費、さらに表面補修や保護材のコストなども考慮する必要があります。

仕上がりに対するこだわり

気泡や打設時のムラを極力少なくするためには、職人のスキルと丁寧な作業が欠かせません。施工期間中に天候が悪いとコンクリが乾燥しづらく不具合が出ることもあります。希望する仕上がりレベルと、施工条件(季節・予算・工期)とのバランスを考慮することが大切です。

既存の建物での改修

リノベーションでコンクリート打ちっぱなしを考えている場合、もともと下地が異なる構造(鉄骨造・木造など)だと対応できないケースがあります。どんな改装が可能かは、専門家に調査を依頼するのが確実です。

居心地に関する声や活用アイデア

冷たさを感じるという声

触感がヒヤッとしたり、視覚的にも無機質に感じたり、「クールだけれども温かみが少ない」という印象を抱く人もいます。対策としては、木材やファブリックなどの柔らかな素材を取り入れ、調和を図るのが一般的です。ラグなどで空間に彩りを加えるだけでも、驚くほど印象が変わります。

照明計画が鍵

コンクリート打ちっぱなしの仕上げは明るさを吸収しがちなので、照明計画が極めて重要です。間接照明やスポットライトを活用し、素材感を引き立てるように設置すれば、重厚なイメージを払拭しながらシャープな陰影を楽しめるでしょう。夜間の光の演出によって、昼間とは異なる魅力が引き出されます。

アート作品や観葉植物との相性

シンプルな背景ゆえに、絵画やオブジェ、緑の植物といったアイテムが映えやすいのも特長です。味気ないと感じる場合は、ぜひお気に入りのアートやグリーンを配置してコントラストを作ることを検討してみましょう。

まとめ

素材そのものを活かすスタイルは、シンプルかつ先進的な印象を与えるだけでなく、建築そのものの骨格を楽しむという醍醐味を味わえます。カフェやアパレルショップのほか、様々な空間でも取り入れられるケースが増え、その人気は高まり続けています。とはいえ、この仕上げは施工に高い精度を要し、適切なメンテナンスを怠ると劣化が進みやすい一面も。

■ 施工の丁寧さや技術力が仕上がりを左右する
■ 結露・汚れ・ひび割れ対策には専用の保護材や定期点検が重要
■ インテリアのコーディネート次第で雰囲気は自在に変わる
■ 費用面や施工条件をしっかり検討し、専門家の意見を踏まえて計画を進める

実用性とデザイン性を両立させた店舗づくりを目指すのであれば、一度この仕上げの可能性を検討してみるのも面白いでしょう。唯一無二の風合いを楽しみつつ、空間に個性をもたらすこの仕上げは、多くの建築・インテリアファンを魅了し続けています。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛けください。

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監修:大昌工芸編集部

この記事は60年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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