照明計画により商品をより良く見せ、快適な空間を演出する
人は空間を認識をする上で、まずは光に反応し次に色を認識する、続けて形を認識します。すなわち光(照明)は人が空間を認識する最初の現象です。それだけに空間演出を行う際には照明は大変重要な要素になります。
また、光(照明)は明るさ(照度)や光の色(色温度)などで、その効果が大きく変わってきます。
この様に照明計画を行う際には、少しだけ専門的な知識が必要となりますが、今回は照明計画に必要な最低限度意識したい内容をまとめてみました。
カフェにはくつろぎと癒しの空間を演出する照明計画、事務所やオフィスには作業効率を向上させる空間向けの照明計画といったように、空間の使用目的によってそれぞれ適した照明計画は全く異なります。明るさ特化の蛍光灯、維持費の安いLED、柔らかい空間の演出に最適な間接照明など、照度や色温度によって適した照明器具も全く変わってきます。
店舗の設計、目的、商品に合わせた照明計画を立て、最適な照明器具を選ぶために、照明選びの基礎をしっかり学んでいきましょう。
目次
1.演出したい商品の特徴に合わせた照明器具の選び方とは。
照明器具を選ぶ際にまず確認することは、何を照らしたいのかです。
商品を際立たせたい場合には出来るだけ明るくしますが、明るさの基準(照度)は㏓(ルクス)と言う単位で表記します。
商品をどの程度の照度で照らすのかを検討し、それに見合う照度の器具を選定します。
また、商品の特徴を際立たせたい場合には、光の色温度(演色性)を検討します。色温度の基準は、K(ケルビン)で表記します。
一般的な照明器具のケルビン数は2700Kから5000K程度であり、2700K(電球色)3500K(温白色)5000K(昼白色)などの様に表記されています。
暖色系の商品には2700K程度の電球色の方が向いており、寒色系の商品には5000K程度の昼白色の方が向いていると言われております。
2.照明器具の取付る場所や取付方法による、効果的な空間演出の方法とは。
通常照明計画を行う際には、ベース照明と演出照明の計画を行います。
ベース照明とは、部屋全体を明るくするために天井面に取付ける照明器具のことで、部屋の用途により明るさを決めそれに合った器具の選定と配灯計画を行います。
演出照明とは、ポイント的に商品やサインなどを照らすための照明器具で、先程述べた様に照らしたい商品に合わせて照度や色温度を決め、それに合った器具の選定を行います。
また、部屋のグレード感を演出するために、天井部分を堀上げて照明器具が見えない様にした間接照明と言う手法や床面から天井面に向けて照らすアッパーライトと言う手法もあります。
この様に照明計画次第で、部屋の雰囲気や商品の演出効果は変化します。
3.使用目的に合った適切な照明計画を行うための手順とは。
適切な照明計画を行うために必要なことは、まず部屋の用途を明確に把握し、必要な照度を算定します。
次に、必要な照度に合った器具の選定と配灯計画を行います。
その際に気を付けたい事は、部屋のイメージをどの様にしたいのかを確認することです。
例えば事務所など雰囲気よりも機能を重視する場合には、シーリングライトのような天井直付の蛍光灯でも良いでしょうが、レストランやホテル、バーなど雰囲気を重視したい場合には、ダウンライトや間接照明など光源が直接見えない器具の選定を行います。
飲食店でも、顧客の回転率や営業時間、提供する飲食物によってデザインや内装が異なるように、照明計画も大きく異なります。回転率を上げたい場合は照度が明るめな方が向いていますし、温かい食事を提供している店舗では暖かな色味・色温度の照明が適しています。店舗の条件次第では、自然光を活用した照明計画もいいかもしれません。
続いて、アクセントとなる照明器具(スポットライト・シャンデリア・ペンダントライト・ブラケットライトなど)の検討を行い空間にメリハリを付けます。什器との兼ね合いやデザイン性も問われるため、より店内の雰囲気に合ったものを選びましょう。ただし、お客様の導線にあると事故の元になりますので、設置位置は安全に留意し、しっかり固定できる場所を選びましょう。
4.使用目的に合った適切な照明計画を行うことのメリットとは。
如何でしたでしょうか。店舗の照明計画は商品や場所、目的により大きく変わります。
白色蛍光灯のように明るく白い明りは決断を早め、行動を促すことが判明しています。気軽さやカジュアルさを演出できるので、スーパーや量販店などの、低価格で複数商品の購買を促す店舗での照明計画によく使われます。
飲食店においても、明るく白い光が照明計画に用いられるのは回転率を上げたい場合、例えばファーストフードのような店舗です。
事務所や工場などの作業空間に於いて、適切な照度と色温度を確保することで作業効率は向上します。
色温度を抑え間接光などを設けることで、レストランやホテルなどで落着いた高級なイメージを演出することができます。
スポットライトやペンダントライトなどの演出照明を配置することで、商品を際立たせたり空間にメリハリを付けることができます。
また、近年ではLED照明が主流となっておりメリットとしては、消費電力が少ないため電気代が格段に安くなりました。
他にもランプの寿命が長いため、球替の心配が少なくなりました。更にLED照明は紫外線を殆ど含まないため、物の劣化が少なく虫も集まり難いことが特徴です。
いかがでしたでしょうか。
店舗の照明計画を考える際には、使用シーンや店舗イメージ、商品に合わせて、最適な照明計画を立てていく必要があります。その上で照明器具を選定し、配置を決め、施工や設置を行っていきます。
もし自店舗の照明計画でお悩みなら、私たち店舗デザイン・店舗設計のプロが最適な照明計画をご提案いたしますので、お気軽にご相談ください。
5.理想の店舗作りで失敗しないための重要なポイント
店舗の照明計画においては、照明の知識を持っていることはとても重要です。
店舗照明の調整すべき部分が明確となり、飲食店で色温度を使い分けることで、理想のお店の雰囲気を作り出すことができます。
例えばですが、「客席」「レジ・厨房」「看板」に分けて適切な色温度を設定することにより、目的や場所に応じた照明にすることができます。
もちろん、飲食店の業態、提供する料理、理想とする雰囲気によって、基準は変動しますが、最低限の知識を押さえておくことで、お客様にとっても、「理想」のお店にすることができます。
大昌工芸では、経験豊富なデザイナーが、具体的なアドバイスや設計プランをご提示させていただきます。
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