【保存版】風対策!看板が倒れない工夫と対策方法|種類別のリスクと転倒防止策

屋外に設置されている看板は、お客様を誘導し、第一印象を決める大切な役割を担っています。
しかし、その一方で「看板が倒れる」リスクは常に存在します。
強風や台風、大雪などの自然条件に加え、設置方法の不備や経年劣化によって、思わぬ事故につながることも少なくありません。
看板の転倒は単なる見栄えの問題ではなく、人や物に被害を与え、企業の信頼を失う大きなリスクを伴います。
本記事では、看板が倒れることで生じる被害、風が強い場所や時期の注意点、看板の種類ごとの倒れにくい工夫、そして台風シーズンに備えた対策を詳しく解説していきます。
目次 [目次を表示する ▼]
看板が転倒した場合のリスク

看板が転倒することによって、さまざまなリスクが発生します。
看板が壊れるだけならいいですが、人的被害、物的損害を出せば大きな経済損失と信用失墜につながるでしょう。
この章ではどんなリスクがあるのか、細かくチェックしていきます。
人的被害のリスク
看板が通行人や作業員に向かって落下すると怪我は免れません。
最悪の場合死亡事故に発展してしまいます。
特に大型看板や高所に設置された看板は落下時の衝撃が大きく、重大な結果を招きやすいので注意が必要です。
物的損害のリスク
人身事故だけでなく、物的損害のリスクもあります。
看板が転倒・落下すると近くの建物、車両、電線、ガラス窓などに損害を与える可能性があります。
二次被害を引き起こし、停電や火災などにつながるケースもあり、予期しない大惨事になることがあります。
経済的リスク
看板の所有者や管理者が人的、物的被害に対して損害賠償責任を負う可能性があります。
特に管理不足が原因の場合、訴訟や高額な賠償金が発生することになるでしょう。
また、倒れた看板を片づけたり修繕したりするために施設・店舗を一時封鎖することになれば営業にも支障が出ます。
顧客の信頼を失う可能性もあり、経営全体に波及するリスクをはらんでいます。
法的・社会的リスク
看板の設置や管理が建築基準法や屋外広告物条例に違反していた場合、罰則や行政指導を受ける可能性があります。
事故の報道や、SNSに投稿されるようなことがあれば、企業や店舗のブランドイメージが著しく低下し、顧客や取引先からの信頼を失うでしょう。
その対応に追われ、顧客へのサービスがままならない可能性もあります。
社会的信頼を失えば、会社の倒産すらあり得てしまうのです。このように、看板の転倒には多くのリスクがあるのです。
風が強い場所と時期

風速8m。これは「春一番」に認定される風速です。
風速というのは10分間の平均値であり、風速8mの場合、最大瞬間風速は平均値の1.5~2倍といわれています。
数字としては小さく見えますが、実際はかなりの強風が吹いているということです。
風が強く吹く場所と時期にはある程度の規則性があります。
これらを知っておくことで、的確な強風対策が行えるようになります。
この章ではこれらの概要を見ていきましょう。
注意すべきエリア
風の影響を受けやすい立地では看板転倒のリスクが上がります。
海岸沿いでは海風による突風が日常的に発生し、高層ビルが立ち並ぶ都市部ではビル風によって思いもよらない強風が吹き込みます。
また、交差点や広場のように遮るものが少ない場所も風の通り道になりやすく、看板が転倒するリスクが高くなります。
これらのエリアでは、常日頃から強固な固定や補強が欠かせません。
危険な時期
看板の転倒リスクは季節ごとに異なります。
春先には「春一番」に代表される突風が吹きやすく、夏から秋にかけては台風シーズンが訪れ、長時間にわたる強風や豪雨にさらされます。
さらに冬になると、日本海側を中心に強い季節風が吹き、大雪や吹雪によって看板に過重な負荷がかかることもあります。
台風のときだけ注意すれば良いと考えるのは誤りで、一年を通じて気象条件に目を向け、対策を講じておくことが大切です。
局地風(きょくちふう)
時期と場所、それら両方に気を配るべきものが局地風と呼ばれる風です。
局地風は全国に存在し、地形や水陸分布などの影響によって、特定の地域にのみ吹く風のことです。
地方風や局所風とも呼ばれ、季節や地域によって風向や風の強さに特徴があります。
有名な局地風として、山を越えて吹き降りる「おろし風」や、山の谷間や地峡から吹き出す「だし風」などがあります。
「山形県の清川だし」「岡山県の広戸風」「愛媛県のやまじ風」は「日本三大悪風」と呼ばれ、大きな風被害が出やすい場所です。
看板を設置する場所がそういった地域でないか、調べておく必要があるでしょう。
看板の種類と対策方法

店頭に置かれたボード、壁面に掲げられたパネル。看板には用途に合わせさまざまな種類があり、それぞれに求められる風対策が異なります。
種類ごとにポイントを確認していきましょう。
A型看板
開いた時、横から見るとアルファベットの「A」の形になる、自立式置き看板の一種です。似たもので「イーゼル」があります。
持ち運びが簡単で設置の自由度が高いA型看板は手軽で便利な一方、風に弱く倒れやすい傾向があります。
水や砂を入れて使う注水式ウエイト(重し)を足元に設置したり、ゴム製の滑り止めを取り付けたりすることで安定性を高められます。
チェーンで建物や丈夫な柱につないでおくのもおすすめです。
いろいろな用品を利用して、転倒対策を行いましょう。
袖看板
建物の壁面から突き出す形の袖看板は、風を正面から受けやすいため破損する危険性が高いです。
定期的にボルトの緩みを確認し、サビを除去しておくことが重要です。
必要に応じて溶接による補強を行えば、倒壊リスクを大きく減らすことが可能です。
壁面にサビなどの汚タレが見られる場合は、サビで腐食が進んでいる証です。ただちに専門業者に依頼しましょう。
壁面看板
壁に取り付けるタイプは比較的頑丈で安定していますが、長年の使用による劣化で落下する可能性があります。
壁の強度やアンカーの状態を定期的に確認し、防水処理を施すことで安全性を維持できます。
外照式の照明器具はアームや接合部分が腐食している可能性があるので、こちらの安全点検も忘れず行いましょう。
目視で分かるほどのゆがみやズレ、破損がある場合は非常に危険ですので、すぐに修理、もしくは撤去を検討してください。
横断幕・懸垂幕
布やビニール素材を用いた横断幕は、風をはらんで外れたり破れたりしやすいのが特徴です。
メッシュターポリンと呼ばれる細かな穴が空いたメッシュ状の生地を使うことで、風の抵抗を格段に抑えることができます。
通常の生地でも風抜け用の穴を設けることで風圧を軽減できます。注文時の検討が非常に重要です。
しかし、どれだけ工夫を凝らしても風の影響は避けられません。
強風時は回収しておくなどの対策を講じましょう。
フラッグ・のれん
風が吹くとなびき、人の目に留まりやすい魅力的な看板です。
強風にあおられると金具ごと外れ、遠くへ飛んで行ってしまう危険性があります。
また強風下では強くはためきすぎて内容が読めなくなり、広告・宣伝効果がほとんどなくなります。
事前に取り外すか、ポールに巻き付けておくことで事故を防ぎましょう。
のぼり
イベントやセールで活躍するのぼりは、軽量ゆえに風に弱いのが難点です。
注水タンクで重りを確保したり、ポールを短めに設定したりすることで倒れにくくなります。
巻き上げ防止金具を購入し、設置しておくのもいいでしょう。
ポールや土台に使われるポリプロピレンは紫外線に弱く、非常に劣化しやすいパーツです。
風にあおられた旗に引っ張られ、ポールが破損するおそれがあります。
のぼりは消耗品であることを忘れず、定期的なパーツ交換を行ってください。
テント看板(オーニング)
軒先に取り付けるテント看板は基礎となる骨組み(フレーム)があるため、風に強いとされています。
しかしサビ、ビスやナットのゆるみ、設置している建物自体の劣化によって、骨組みごと落ちてしまう可能性があります。
また、テント生地に破れがあるとそこから被害が拡大し、二次被害の恐れもあります。
オーニングと呼ばれる日よけや雨よけで設置されるテントの中には、外壁に固定せず使用される物があります。
重石を使うことである程度の対策は可能ですが、過信は禁物です。強風時には不向きな物と覚えておきましょう。
色あせ、サビが見られる老朽化したテントについては一度点検をし、破損があればすぐに修理・撤去しましょう。
番外編 ~風に強い看板~
番外編として、風の影響を受けにくい看板についてご紹介します。
【ウィンドウサイン】
窓ガラスに貼るタイプの看板です。風で飛ぶ、倒れるといった心配は一切なく、風にも雨にも強いメリットがあります。ただし、飛来物による窓ガラスの破損対策は必要です。
【アルミ複合板プレート看板】
壁面看板の一種です。アルミ製のプレートは軽く、耐久性、耐候性に優れています。ビスでしっかり留めるため風に強く、コストパフォーマンスの面でも優秀な人気の看板です。ただしビスや壁面の劣化には注意しましょう
【強風対策構造の看板】
スタンド看板の一種で、設計段階から風対策が考えられた専用の商品です。風を受けた際にボードが傾くことで風を逃がし、転倒を防止します。
通常の看板であれば転倒や飛散のリスクが高まる、風速15m~30mほどの風を受け流せるため、常に風が強いエリアにおすすめです。
しかし過信せず、気象情報に十分注意を払って使用しましょう。
台風が上陸する前にすべきこと

強風と聞いて台風を思い浮かべる人は多いでしょう。熱帯低気圧の中で、風速がおよそ17m以上のものを「台風」と呼びます。
台風が接近するときは、看板の安全対策を前もって徹底しておく必要があります。
看板の台風対策は「移動」と「固定」が基本です。予期せぬ被害を防ぐため、責任者がすべき対策について解説します。
看板を移動・収納する
A型看板を含む置き看板やのぼりといった移動式のものは、必ず建物内に避難させましょう。
軽い看板は風に飛ばされ、周囲に深刻な被害を及ぼす可能性があります。
大通りや駐車場のような、人的被害・物的損害リスクの高い場所に設置した看板は必ず回収しておきましょう。
横断幕や懸垂幕、テント看板は巻き取っておきましょう。
布とは見た目以上に重量があるのに、風には非常に弱い性質があります。
飛ばされた際のリスクを考えた行動が重要です。
定期的なメンテナンスの重要性
一方、固定型の看板であっても油断は禁物です。
土台の腐食、ボルトの緩み、サビついた金具や照明、劣化したシートを放置すれば、暴風雨に耐えきれずに破損するリスクが高まります。
定期的な点検や補強を行い、台風が来る前に状態を確認しておくことが大切です。
特に一部の自治体では、看板の安全点検を所有者に義務づけている場合もあります。
日常的なメンテナンスは法令順守の観点からも重要といえます。
まとめ
看板が倒れるリスクは、想像以上に多方面へ悪影響を及ぼします。
人や車にぶつかることで発生する直接的な事故だけでなく、店舗の信頼を損なう間接的なダメージも無視できません。
倒れた看板の片付けや修繕に追われれば時間と費用がかかり、最終的には経営にまで影響が及ぶ可能性があります。
こうしたリスクを回避するためには、風の強い場所や季節を意識して設置方法を工夫し、看板の種類ごとに適切な固定や補強を行うことが必要です。
そのためには、気象庁が発表する正確なデータに基づく、正しい対策がカギとなるでしょう。
特に台風シーズンには移動式の看板を必ず屋内に避難させ、固定型の看板についても定期的な点検とメンテナンスを怠らないことが重要です。
「看板は店の顔である」と言いますが、それは同時に周囲の安全を守る責任を負うということです。
日ごろのリスクマネジメントが、看板を安心して集客に活用できる強力な存在にしてくれるでしょう。
「大昌工芸株式会社」では各種デザイン・設計のご相談から、実際の内装工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお問い合わせください。
また、関連記事やその他の役立ち情報、実績・事例もございますので、メニューの「施工実績」や「ノウハウ」をぜひご一読ください。

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