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魅力的な「冬」の売り場へ!明日から使える店舗ディスプレイ装飾テクニック

売り場の印象を季節とともに変えていくことは、お客様の足を止めてもらう上でとても大切です。
冬はイベントも多く、「○○商戦」と呼ばれるものがたくさんあります。この波に乗らない手はありません。

この記事では、冬の店舗装飾とディスプレイの基本から、月ごとのイベント、実践的なテクニック、そして冬らしさを演出するアイテムやモチーフまでを丁寧にまとめています。
秋から冬へ、お店の空気を切り替えていきましょう。

なぜ「冬」を感じさせる売り場が重要なのか?

11月に入ると一気に気温が下がり、途端に冬の雰囲気が漂い始めます。

まだ紅葉が美しい季節ですが、そろそろ冬のディスプレイの準備をする必要があります。
季節感のある売場はお客様の視線を誘導し、売上を向上させるための重要な戦略なのです。

この章では、ディスプレイを変えることでどんな効果があるかを解説していきます。

【集客効果】ディスプレイの変化でお客様を惹きつける

人の目は「変化」に引き寄せられます。

いつもの通り道でも、ディスプレイが変わっていると、思わず立ち止まって見てしまうものです。
照明や小物、色使いを変えるだけでも売場が新鮮に感じられ、自然と人の視線を集めます。

「寒い中でもちょっと寄ってみよう」と思わせるような雰囲気を作ることが、冬の集客のポイントです。

【販売促進】冬は「買いたくなる」理由が盛りだくさん

12月から2月にかけて、クリスマス・お正月・バレンタインと、大きなイベントが続く時期です。

特に年末年始は、日本人の支出が最も増える時期であることが総務省の統計から分かっています。
プレゼント需要やちょっとしたぜいたくなど、購買意欲が自然と高まり、財布の紐がゆるくなるのです。

お客様は何らかの目的を持ってお店に訪れます。
その目的に応じたディスプレイがあれば、自然とそちらに足を運び、商品を手に取ってもらえるでしょう。

【ファン化】来季への期待を育みリピーターになってもらう

季節ごとにお店の雰囲気が変わると、「次はどんなディスプレイになるのだろう」とちょっとした楽しみになりませんか?

こうした「期待感」が信頼や親しみにつながりやすいものです。
またお客様との会話のきっかけにもなり、固定客を増やすことにもつながります。

冬の売場をしっかり作り込むことは、単なる販促だけでなく、次の季節へのつながりを生み出す大切なステップでもあるのです。

冬のディスプレイとは?月別のイベント紹介

冬らしい売場を作るには、その時期のイベントや行事を正しく理解することから始まります。

冬の3ヵ月は次から次へとひっきりなしにイベントがやってきます。その時々でお客様の関心がどこに向いているかを正しく理解しておくことで、効果的なディスプレイが可能になります。

この章では、冬のメインイベントについて解説していきます。

12月のイベント

【お歳暮】(12/112/25
日本の伝統的な贈り物の週間の1つで、1年の締めくくりに、お世話になった人への感謝の気持ちを込めて贈り物をします。
日持ちのする物や日用品が良いとされていましたが、冷凍輸送の技術が発展してからは「鍋セット」「和牛」「海鮮」も人気のお歳暮になりました。

【冬至】(12/2112/2212/23いずれか)
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年のうちで昼が最も短く、夜が最も長くなる日のことです。
二十四節気の1つで、太陽が最も南に位置するときに起こります。
「かぼちゃを食べる」「が付く食べ物を食べる」「柚子湯に入る」といった日本特有の風習があります。

【クリスマス】(12/2412/25
イエス・キリストの生誕を祝うキリスト教の祝祭日として、キリスト教圏の国では盛大にお祝いされています。
一方、日本では宗教行事という感覚はほとんどなく、主に子どもが楽しむ冬の楽しいイベントという立ち位置です。
クリスマス・イブにクリスマスケーキとチキン、シャンメリーでお祝いし、クリスマス当日には何もしないというのも珍しくありません。

【大みそか】(12/31
「みそか」は毎月の最終日を指し、「大みそか」は1年の最後の日を表す言葉です。
古くは「年神様」と呼ばれる神様をお迎えする準備をする日とされていました。
1
年で最も忙しい日とも言われており、大掃除をして、除夜の鐘を聞いて、年越しそばを食べるといった風習があります。

1月のイベント

【正月】(1/1
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年の始まりを祝う、日本では最も重要な伝統行事です。
かつては1年の豊作と幸福をもたらす「年神様」をお迎えする日とされていました。
今でも、新しい年が良いものであるようにと、縁起物を飾り、おせち料理を食べ、初詣に出かけるといった風習があります。

【成人式】(1月第2月曜日)
成人になる人々をお祝いする日です。
成人を祝う儀式は古くからありましたが、現在の形式は戦後まもなく始まったものとされています。
晴れ着に身を包み、人生の節目を華々しく彩ります。

【とんど】(1/15
一般的に15日は「小正月」と呼ばれ、正月しまいをする日とされています。
とんどは、小正月に正月飾りや書初めなどを持ち寄ってお焚き上げし、無病息災や家内安全、芸事向上をお祈りする祭事です。
また、大昌工芸本社のある広島では「とんど」が一般的ですが、「どんど焼き」「左義長」「鬼火焚き」など日本各地でさまざまな呼び方をされています。

2月のイベント

【節分】(2/22/3いずれか)
節分とは季節の変わり目のことで、今では立春の前日を指すのが一般的です。
季節の変わり目には鬼(邪気)がやってくるとされ、それを追い払う悪霊払いの行事です。
豆まきには鬼を払う効果があり、また鬼が嫌う物を組み合わせた「柊鰯」を飾ることで、家に入れないようにします。
恵方(縁起のいい方角)を向いて巻き寿司を食べる「恵方巻」を食べる風習が1990年代頃から全国的に広まり、今では節分の風景として定着しました。

【バレンタインデー】(2/14
バレンタインデーは愛と感謝を伝える日です。
キリスト教における恋人たちの守護聖人「聖バレンタイン」を記念する日とされていましたが、日本では宗教的な色はまったくありません。
女性から男性にチョコレートを贈る習慣があり、世界中の有名なショコラティエが手掛けたチョコが日本に集結します。

【旧正月】(旧暦の1/1
旧正月とは、旧暦(太陰暦)の元日のことです。
新暦(太陽暦)とは数え方が違うため毎年日付が変動し、およそ1月下旬から2月中旬頃にやってきます。
東アジアの多くの地域では旧暦の正月をお祝いし、中国では「春節」、韓国では「ソルラル」と呼ばれています。
日本の年末年始のように長期休暇があり、旅行客も多く、日本のインバウンド需要が高まります。

【猫の日】(2/22)
「にゃん・にゃん・にゃん」の語呂合わせから生まれた、猫の日実行委員会が制定した日です。
SNS
では猫の写真がタイムラインを埋め尽くし、街には猫モチーフのアイテムが並びます。
「ネコノミクス」と呼ばれるほどの経済効果があるとされ、「猫の日商戦」が盛り上がりを見せています。

実践!3つの共通テクニック

これだけイベントがめじろ押しだと、何から手を付ければいいか分からなくなってしまうものです。

そんな時はまず、おおまかな「冬」をイメージしてディスプレイをしていきましょう。

この章では初心者でもすぐに実践できる、効果的な冬のディスプレイテクニックを3つの視点からご紹介していきます。

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視覚に訴える!照明、看板の効果的な活用法

冬は日照時間が短いため、照明を活かしたデザインが効果的です。
入口やウィンドウには暖色系のライトやチェーンライトを使い、温かみのある雰囲気で入りやすさを演出しましょう。

看板やPOPも「冬ギフト」「あったかアイテム」など冬らしい言葉とモチーフを取り入れて季節感を出すことが大切です

このように、冬ならではのぬくもりを感じる演出で、訪れる人の心を惹きつけるのがポイントです。

お客様を惹きつける!戦略的な動線と商品配置

冬の装飾を成功させるためには、デザインだけでなく動線づくりも大切です。
かさばるコートや荷物を持つお客様でも動きやすいように、通路を広めにとると良いでしょう。

入口には「冬のギフト特集」など季節感のあるメインディスプレイを配置し、店内奥には定番商品、レジ周りには小物を置くことで自然な流れが生まれます。

さらに、動線の途中に雪の結晶やリースなどの装飾を加えるとお客様が立ち止まりやすくなり、店内をより長く、より楽しんで回遊してもらえます。

季節で演出!冬を感じさせる色彩選定とそのルール

色は売場の雰囲気を印象付ける重要な要素です。
寒色と暖色のバランスを取ることで、自然に冬らしさを演出できます。

ベースカラーには淡い青や灰色を使うと冬らしさが生まれ、メインカラーには深い緑や、深い青を使うと全体が引き締まります。
赤やオレンジ、黄色を少量取り入れると温かみが増し、金や銀のアクセントを加えると華やかかつ、高級感も出ます。

配色の目安はベース70%、メイン20%、アクセント10%です。
彩度の高すぎる色は避け、あくまで商品を主役にした配色を心がけましょう。

冬の売場を彩る!アイテムとモチーフ一覧

冬らしい売り場を演出するためのアイテムを準備しようにも「具体的にどういう物があるのか」で悩んでしまうことはありませんか?

まずどんなディスプレイアイテムがあるのかを知らなくては何も始まりません。
また実際にアイテムを購入するとして、それが本当に「冬」を表すものなのかどうかを判断するためには知識が必要です。

この章では、代表的なディスプレイアイテムと冬を表現するモチーフについて、詳しく解説していきます。

空間を立体的に演出する!目的別ディスプレイアイテム活用法

【プリーツハンガー、モビール、ガーランド】
主に天井を飾るアイテムです。
プリーツハンガーやモビールはディスプレイに動きと立体感を出し、売場を華やかに演出します。
ガーランドはさらに多様な使い方ができ、壁際や窓、机の縁などさまざまな場所に使えます。LEDガーランドを使えば光の演出も可能です。

【スワッグ、リース】
入口や壁面のアクセントとして使う、植物を編み込んだアイテムです。
冬の植物や針葉樹を用いることで、ナチュラルで温かみのある雰囲気を演出できます。
リースはクリスマスの定番アイテムとして広く使われていますが、素材や色を変えるだけでイベントを問わず使用できます。

【フラッグ、ペナント】
特定のコーナーやイベント感を強調する際に利用されます。
フラッグガーランドよりもさまざまな情報を盛り込むことができ、最も注目させたい商品の上に飾ることで遠くからでも商品をアピールすることができます。
「ウェーブペナント」のような動きと立体感のあるアイテムはとても人気で、多種多様な場面で使われています。

【フェイクグリーン、フェイクフード】
気になる余白を埋め、ディスプレイの密度を上げるのに便利なアイテムです。
冬のディスプレイは少し特別で、オーロラ素材や、青色の植物など、現実には存在しない特徴を持つアイテムが使えます。
そういったアイテムは、天然素材では不可能だった演出を可能にしました。

【ウィンドウステッカー、ウィンドウスプレー】
ファサード(外観)で冬を伝える方法として、ウィンドウステッカーやスプレーがあります。
雪の結晶や星などで窓を飾り、中から外を見たときに、風景と一体になって冬景色を演出することが可能です。

【エアーディスプレイ】
圧倒的な存在感を放ちたい場合には、空気で膨らませるタイプのディスプレイがおすすめです。
雪だるまやツリー型のバルーンは特に子供に人気があり、ファミリー向けのイベントなどで多く使われます。
LED
ライトで光る物もあり、夜間でもかわいらしく存在をアピールしてくれます。

ひと目で冬を伝える!冬のモチーフ

【雪、雪の結晶】
冬を演出する上で欠かせないのが「雪」です。
自然が生み出した幾何学模様はどんなジャンルとも組み合わせやすい、万能デザインです。
店舗ディスプレイ以外にも、コースターやアクセサリー、ショップバッグなどさまざまなところで使える冬の代表的モチーフです。

【雪だるま、雪うさぎ】
雪像のなかでも、誰しもが実際に作ったことがあろうモチーフです。
雪だるまをモチーフにしたグッズは数多く、和洋どのような雰囲気にもなじませられるデザインです。
雪うさぎは少し和の要素が強くなります。白い体にナンテンの目と葉っぱの耳が映える愛らしい見た目は非常に人気があり、ちょこんといるだけで癒やされます。

【星、イルミネーション】
冬は空気が澄んでおり、星がよく見えます。
クリスマスツリーに飾る「ベツレヘムの星」や、冬の星座の「オリオン座」など、星は冬を象徴するモチーフと言えるでしょう。
また、イルミネーションは星を表す装飾の1つで、冬空の星の美しさに感動した人が、ろうそくで再現しようとしたのが始まりと言われています。
冬の夜をキラキラと彩る、欠かせないモチーフとなりました。

【ポインセチア、椿】
冬景色に映える赤色がとても美しい、和と洋それぞれの代表的な冬の花です。
どちらも非常に存在感がありますが、落ち着いた色味が上品に空間を彩ります。
冬という季節を象徴しつつ、店舗の雰囲気を華やかに彩るのに適しているのです。

【みかん、柚子、柿】
冬の訪れを感じさせる果物です。柿は秋の植物ですが、干柿は冬が旬になります。
縁起物としての側面を持ち、食品売り場のみでなく、様々な場所でモチーフが使われています。
ナチュラルで暖かな色味が、売り場をパッと明るくしてくれます。

【スズメ・シマエナガ】
スズメは冬になるとふっくらと羽毛を膨らませたまんまるな姿になります。
この姿を「ふくらすずめ」と呼び、「福来雀」と字を当て縁起物とされてきました。
シマエナガは「雪の妖精」と呼ばれる北海道にしかいない鳥です。
愛らしい姿から人気が爆発し、さまざまなグッズ展開がされています。
ちょこんと添えるだけでもかわいいモチーフです。

【防寒具、暖房器具】
これらは「ぬくもり」や「人の気配」を感じさせ、親近感を与えます。
色や素材感で視覚的に温かい印象を与え、ほっとする雰囲気にしてくれます。
暖房器具は実際に稼働していなくても、そこにあるだけで冬らしい空気感が生まれます。
疑似炎が揺らめくものは、安全に視覚効果を高めてくれる人気アイテムです。

まとめ

冬の店舗装飾は、季節感を感じてもらうとともに、寒い季節を心地よく、楽しく感じてもらうための戦略です。

イベントごとにすべての装飾を変える必要はありません。
大まかに「冬」を感じるディスプレイを作っておき、イベントに合わせてちょっと小物を変えるだけで十分です。
そうした小さな積み重ねがお客様の楽しみとなり、寒い中足を運んでくれる理由となるのです。

冬は大きな販売チャンスです。チャンスを逃さないためにも、今から冬のディスプレイを準備していきましょう。

◆◇◆

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監修:大昌工芸編集部

この記事は60年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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