おしゃれな応接室の作り方とは？オフィスのプロが教える空間デザイン術

応接室は企業の顔です。取引先や重要な来客を迎える空間だからこそ、「センスがいい！」と思ってもらえるおしゃれな応接室を作りたいものです。

おしゃれな応接室とは、高級な家具を置けばいい、というものではありません。
機能性を保ちながら洗練された印象を与えるには、レイアウトの基本からインテリアの細部まで、押さえるべきポイントがたくさんあります。

この記事では、応接室をおしゃれに仕上げるための具体的な方法を、基礎知識から実践的なアイディアまで詳しく解説していきます。

応接室の役割、会議室との違い

応接室は、お客様をお迎えするための特別な空間であり、企業の印象を左右する大切な場でもあります。

この章では、応接室と会議室の違いを整理しながら、応接室が果たす役割や求められる機能について解説していきます。

応接室と会議室の違い

応接室と会議室、どちらも打ち合わせに使う部屋ですが、目的と雰囲気が大きく異なります。

応接室は社外の来客向けの空間です。機能性よりも居心地の良さが求められます。ソファやローテーブルを置き、リラックスした状態でお客様との会話を楽しむことを目的としています。

一方会議室は、社内・社外問わず使用される多目的スペースです。
機能性が最優先で、ホワイトボード、プロジェクター、電源コンセントなど、効率的に議論や作業ができる設備が整っています。

応接室の役割と機能

応接室は、オフィスに訪れた来客をもてなし、商談や打ち合せ、契約交渉を行うための部屋です。

特別に用意された空間でお迎えすることは、訪問者に対して敬意を表す行為であり、良好な関係構築の基本です。企業イメージを決定付ける「会社の顔」と言える重要な空間なのです。

応接室の配置と基本レイアウト

快適で居心地の良い応接室をつくるには、配置や家具のレイアウトにも工夫が必要です。

おしゃれさを追求する前に、まず基本的なレイアウトを押さえておきましょう！

会社の入口付近に設置する

応接室は、エントランス近くに配置するのが理想です。
受付からスムーズにアクセスできると来客のストレスになりません。
また、社内奥まで案内する必要がないため、機密情報の保護にもつながります。

入口付近への設置が難しい場合はなるべく分かりやすい場所にし、案内サインを整えて迷わず到着できるようにしましょう。
この際、執務スペースを通らない、もしくは見えないようにする工夫が必要です。

ゆとりのある家具レイアウト

応接室には「ゆとり」を持たせることが重要です。
どんなにすてきな家具を置いても、ぎゅうぎゅうに詰め込んでしまうと魅力が半減してしまいます。
最低でも4名がゆったりと座れるスペースを目安とするといいでしょう。

見落としがちなのが壁と家具の距離です。
間に30cm程度の余白をつくるだけで、空間にゆとりと高級感が生まれます。
この「抜け感」が応接室を心地よい空間にするポイントなのです。

上座と下座

家具を適当に置くのはNGです。ビジネスマナーとして、上座と下座を意識したレイアウトは必須条件です。

【上座】
入口から最も遠い席のことです。来客には必ずこちらを勧めます。
応接室にソファが複数ある場合、長いソファ、三人掛けのソファが上座になることが多いです。

【下座】
入口に近い席です。出入りしやすく、お茶を運んだり書類を取りに行ったりする際に便利な位置ですので、自社の担当者はこちらに座ります。
1人掛けソファや短いソファが下座になることが一般的です。

例外的に、部屋の配置では下座であっても、景色のいい席や調度品がきれいに見える席は上座として扱われます。
そういった例外も加味して、レイアウトを決めるといいでしょう。

通路を確保する

応接室では、通路の確保も快適さのポイントです。
席までの動線は80cmほど、椅子やソファの後ろは60cm以上のスペースを確保すると、座っている人にぶつからずスムーズに行き来できます。

また、内開きのドアが家具にぶつからないかも確認しましょう。開け閉めの際にストレスを感じるだけでなく、ドアや家具が傷む原因にもなります。

こうした配慮が、来客にとって快適で心地よい応接室につながるのです。

応接室をおしゃれに見せるポイント

さて、ようやく本題です。

基本的なレイアウトが整ったら、次はおしゃれなインテリアデザインを考えていきましょう。

ポイントは「統一感」と「アクセント」です。
第一印象はシンプルに、よく見るとおしゃれ……そんなバランスを目指していきましょう。

内装と家具に統一感を持たせる

応接室をおしゃれに見せる基本は、なんといっても空間全体の「統一感」です。
壁・床・家具の色や素材をそろえるだけで、ぐっと洗練された印象になります。

もっとも簡単な方法は、部屋全体を同系色でまとめることです。
たとえば壁をグレー、床をホワイト、家具をブラックといったように、同じ色グループから選ぶことで、自然とまとまりのある空間に仕上がります。

素材を組み合わせる

「応接室」「素材」と聞くと、本革や天然木、ベルベットのような、重厚で高級感のある天然素材を思い浮かべるかもしれません。

しかし現代の応接室では、重厚さだけでなく、軽やかで洗練された印象が求められます。
そこで重要になってくるのが素材の組み合わせです。

たとえばテーブルは、天然木にスチールやガラスを組み合わせることで一気にモダンな印象になります。
ソファも「本革×スチール」や「ファブリック×天然木」と質感の違う素材を組み合わせることで、上品さを保ちつつほどよい抜け感が生まれます。

アクセントウォール

応接室に個性を加えたいときに便利なのが「アクセントウォール」です。
壁の一面だけ色や素材を変えるだけで、空間に奥行きと動きが生まれます。

色は彩度を抑えた落ち着いたトーンがおすすめです。
コーポレートカラーを取り入れれば、企業イメージを視覚的に表現することも可能です。

ただし、アクセントなので「ほんのり」が鉄則です。
一面だけにアクセントを置き、周囲をシンプルに整えることで、まとまりのあるおしゃれな応接室に仕上がります。

デザイン性のある照明演出

応接室は来客を迎える場であり、雰囲気作りが重要です。
単に明るさを確保するだけでなく、デザイン性や演出効果を意識すると、よりおしゃれな空間になります。

見た目のデザイン性が高い照明は、それ自体がインテリアのアクセントとなります。
幾何学模様など、規則的でシンプルなデザインは応接室にぴったりです。

また、間接照明とペンダントライトのように、複数の照明を組み合わせるのもおすすめです。
異なる光の広がり方や影の落ち方が生み出すコントラストが空間に表情を与え、応接室全体の雰囲気に深みをもたらします。

観葉植物やアートを飾る

応接室の落ち着いた色味に、ポイントカラーを加えたいときには観葉植物やアート作品が便利です。
空間に彩りを与え、おしゃれな雰囲気づくりを手助けしてくれます。

植物の緑色にはリラックス効果があり、部屋の印象を全体的に和らげてくれます。生命力あふれる枝葉は、そのまま企業イメージにもつながります。

アート作品は、企業のセンスを視覚的に伝える要素です。企業イメージを損なわないようメッセージ性の強い物は避け、部屋の雰囲気に合うものを選びましょう。

応接室と会議室を兼用する

スペースの制約から「応接室と会議室を兼用したい」という要望は少なくありません。
応接室の重厚さに会議室の機能性を足した新しいスタイルは、斬新でおしゃれなものに見えます。

両方の機能を持つ「応接会議室」として使うためにはどうすればいいのか？
この章では応接会議室の基本レイアウトをご紹介していきます。

使用頻度を考える

兼用する場合、どちらの機能をメインにするかを明確にすることが大切です。
応接室の使用頻度が高い場合は従来のイメージを崩さず、落ち着いた居心地のいい空間にしましょう。

一方来客がほとんどなく、会議室の利用がメインであれば、ある程度の上質さを残しつつも機能性やデザイン性を重視した、カジュアルフォーマルスタイルにできます。

会議用のテーブルセットを使う

応接室でよく使われるローテーブルは、書き物やノートパソコンを使うには不向きです。
そのため応接会議室では、会議用テーブルと椅子の組み合わせが適しています。

応接室として使うことを考えると、通常の会議室よりも上質な家具を選ぶ必要があります。
見た目の美しさに配慮すれば、応接室としての品格を保ちながら、会議室としても快適に使える空間になるでしょう。

余計な物を置かない

応接室として利用するとき、会議用備品目に付くと雑然とした印象を与えてしまいます。
ホワイトボードやケーブル類の置き場所や運用には十分注意が必要です。

急な来客も想定し、いつでも応接室としてつかえるよう、すっきりした空間を保つことが大切です。

まとめ

応接室は、外部のお客様をお迎えする大切な空間です。

古くなったままの部屋を使い続けていると、「時代遅れ」や「世情に疎い」企業という印象を与えてしまうこともあります。

だからこそ、ただリニューアルするだけでなく、現在のトレンドを取り入れておしゃれに仕上げることが重要です。
そうすれば、前向きに歩み続ける企業として、明るく好印象なイメージをお客様に感じてもらうことができます。

この記事が会社の魅力をさらに引き出す、おしゃれな応接室づくりのヒントになれば幸いです。

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監修：大昌工芸編集部

この記事は60年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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