お店の印象はファサードで決まる!
成功する店舗ファサードデザインのポイントをプロが解説
店舗のファサードはお店の第一印象を決める重要な部分です。つまり、店舗集客を考えるなら必ず検討しなければなりません。しかし重要だとわかってはいても、どのようなデザインが良いのか曖昧な方も多いのではないでしょうか。
この記事では店舗設計におけるファサードデザインの考え方、設計のポイント、必要な点をまとめてお伝えしています。自店舗のファサードをこれから考える方、改装に伴い店舗イメージ・デザインを再構築したい方、自店舗の前でお客様が立ち留まってくれないとお悩みの方のファサードのデザインを考えるキッカケとなれば幸いです。
目次
1.ファサードとは「お店の顔」を意味する
ファサードとは、元々フランスで用いられてきた「建物の正面」という意味の建築用語です。外観を構成する立面も含まれるため、店舗の外装・外観やエントランス、附随して設置される看板や照明などもファサードという事になります。
店舗ファサードはお店の顔として、お客様の目に最初に触れ、お店の第一印象を決定付けます。お店に対する印象が入店するかどうかに影響を与えることから、店舗ファサードは非常に重要な役割を担っています。
2.店舗ファサードの役割は集客にある
これまでインターネットやSNS等で知ったお店に訪れた時、ファサードの印象が悪い意味で想像していたものと違ったことはありませんか。おそらく少しだけ入店を躊躇する気持ちが生まれたのではないでしょうか。事前に情報を取得してお店に行く動機があったとしても、このようにファサードが入店を左右してしまうことがあります。
また上記とは違い、事前にお店を決めず偶然目にしてなんとなく訪れる「衝動来店」というケースがあります。この場合、通行人は店舗の看板やディスプレイを見て瞬時に入店するかどうかを判断すると言われています。先程とは逆に、ファサードのデザイン次第でなんとなく通りかかった通行人をお客様にすることもできるということです。
以上のことを踏まえると、内装同様にファサードもポイントを押さえてデザインすることにより集客力を高めることができます。
3.集客力を高めるファサードの条件
集客力を高めるファサードにはクリアすべき条件が4つあります。お店によってデザインは様々ですが、先程紹介した衝動来店を促す条件は共通しています。また、いずれにおいても通行人が瞬時に判断できるレベルでわかりやすいことが集客の成果を左右しますので、お客様の目線に立ったうえで検討するとよいでしょう。
・視認性が高い
偶然通りかかった通行人に「お店がある」と認識してもらわないことには何も始まりません。遠くにいる人の目を引く程の見つけやすさと、どのような店か瞬時に判断できる程の見やすさがファサードには必要です。
視認性を高めるにはファサードを構成する外装や看板などの色・素材・形状・明るさなどを調整し、後述する店舗コンセプトを表現します。実際は他店の存在も想定しなくてはならず、大手の店舗が必ずブランドロゴやカラーを用いるように、個性を感じさせる要素をデザインに盛り込み差別化をはかります。
・店舗コンセプトがわかりやすい
通行人は入店を判断する際に、業種業態・商品やサービスの内容・価格帯・雰囲気等の店舗コンセプトに含まれる情報を必要とします。ファサードのデザインはただ個性的で目立てばいいというものではなく、入店後のイメージを想起させる情報をわかりやすく伝達しなくてはならないのです。
わかりやすい例として居酒屋を想像してみてください。ファサードにはのれんや提灯を始めメニューや内装の宣材写真を設置し、文字の字体や大きさを調整するなどの方法で店舗コンセプトを表現しています。情報量の多さと多彩な工夫を武器にして、瞬時に店舗の売りがわかるようなデザインとなっています。
・入退店しやすい出入口
入店前のお客様は何かしら不安を感じていることが一般的です。この「入店していいものか」という心理的ハードルを下げるには、ファサードで店舗情報を伝達することに加えて気軽に出入りできる雰囲気作りが必要です。
例えば高級店にあるような中が見えないファサードは、一種の緊張感を以って店への期待度を高めています。しかし、気軽さを感じるデザインとは程遠い出で立ちです。ですから反対に、出入りしやすいと印象付けるには扉を設けない・大きい扉にするなどで開放感を演出したり、扉を常に開放する・壁をガラスにするなどで透明感を演出したり、中の様子がわかるファサードが効果的です。
・清潔感が保たれている
ファサードがお店の顔である以上、清潔感を維持していればそれだけ印象をよくすることができます。お店の情報が伝わり出入りしやすい店舗だったとしても、ゴミや汚れが目立てば入店を躊躇させる十分な理由となります。店内を掃除するのと同様に、ファサードの清潔感も集客を左右する大きな要因という事です。
汚れに限らず「不快感」は集客をはじめリピートされるかどうかにも影響を与えます。日々の整理・整頓・掃除の徹底が、結果的に店舗の売上を決めると言っても過言ではないのです。
4.店舗ファサード(外観)設計で気を付けるべきポイント
集客力を高める条件を確認したところで、次はデザイン時に気を付けるべきポイントをご紹介します。
極論何を売っているのか、情報発信が具体的であればお客様の目的と行動が一致し自らお店に足を運ぶでしょう。そして、売っているモノをどう見せるかでお店の印象が大きく変わります。見せ方は本当に様々ですが、ここで紹介するポイントがファサードデザインを大きく左右します。
・店舗コンセプトを表現するアイテムを活用する
店舗コンセプトを表現するにあたっては、業種業態を想起させる特徴的なアイテムを活用するとよいでしょう。
例えば昔ながらの床屋がサインポールを設置するように、アパレル店が店頭にマネキンを設置するように、業種業態を象徴する基本的なアイテムの活用が効果的です。しかし、これだけでは独自性=お店の売りは伝わりません。メニューを書いたサインボードや、サイネージなどを組み合わせることで、価格帯や雰囲気などの情報を増やしていきます。
また構造物に合わせて、色・素材・形状・明るさなども調整することで更に個性を表現します。中華料理屋が赤色を多用するように、日本料理屋が木材を多用するように、イメージとして根付いている要素をまずは検討してみましょう。
・店内の様子を見せる
店舗情報の伝達という点で見れば、ファサードを開放的で奥まで見通せるデザインにすることが効果的です。
よく採用される方法はガラス張りによるもので、清潔感はもとより透明感の高さも相まって、店内の雰囲気や商品・サービスの情報伝達に優れています。外からの視線が集まるというデメリットもありますが、サインや店頭ディスプレイに加えて店内情報も直接見せることで、来店を更に促すことができます。
因みに、従業員が作業するカウンターは正面に配置しない方がよいとされています。これは従業員と視線が合うことをストレスに感じる人が多いからで、「入りづらい」を緩和するための手法となります。
・周辺環境とのバランスを考える
地域や環境に合わないファサードは避ける必要があります。
所謂、悪目立ちしている店舗は「浮いている」「合っていない」という印象を持たれかねません。当然この場合はマイナスな印象のため、集客に悪影響を及ぼす危険性があります。
その点で言うと、確実に確認すべきなのが「景観法」です。仮に景観法の条例に従わずデザインした場合、さいあく開業できないなんてことも十分に起こり得るのです。
また、競合店の有無にはじまり角地や階数などによって視認性の高め方や店舗コンセプトの表現方法は変わってきます。歓楽街なら歓楽街で、商業施設内なら商業施設内で求められるデザインを考慮する必要があるということです。
・安心感と信頼感を演出する
入店を促すには店舗コンセプトに関わる情報以外にも安心感と信頼感を演出する必要があります。
その方法としてはアイテムの活用や店内を見せることでの情報開示と同時に、人の心理に基づいた色や素材を使用するアプローチが有効です。この時、内装のデザインと雰囲気を統一させることでより店舗コンセプトが伝わりやすく、わかりやすいお店となります。加えて、照明を活用することで、同じ色や・素材であっても異なる印象を演出できます。
但し、実際はお店によって顧客層は異なります。対象となるターゲットの心理に基づくことが大切です。
5.どのようなモノ・コトが必要か
ファサードをデザインする際は前述の見た目的な面と同時に、「機能性」も最低限満たしている必要があります。
例えばパリのカフェテラスは活気や賑わいを演出するために、外部に客席やテントを設けることがあります。当然、外での使用ですから耐久性の高い什器が必要です。ファサードをガラス張りにする場合はどうでしょう。入店をスムーズにするために自動ドアを採用したり、間口の大きい出入口にしたりと利用シーンの想定が欠かせません。
このように店舗によって、または環境によって必要な機能が異なります。再度お客様の目線に立ち、お店に必要な機能は何なのか見極める事がとても重要になってきます。
6.カタチ・色が集約されファサードとなりお店の顔となる
ここまで紹介してきたポイントは全て機能性と強い繋がりがあります。そして色や形状など全てが集約されてはじめて集客力を高めるファサードとなりお店の顔となります。
店舗に必要なモノ・コトは何か。お客様が必要としているものは何か。繰り返し検討した結果、必要とされる機能が見え、意味のあるファサードとなっていくでしょう。
当社では各種設計のご相談から、実際の内装工事まで手厚くサポートを実施しております。御用の際はお気軽にお問い合わせください。
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