効果抜群な情報発信法:デジタルサイネージの活用方法解説
街を歩いていると様々な情報が目に飛び込んできます。例えば単純に光っているだけの看板があったとして、看板の内容に関わらず自然と目が惹きつけられる気がしませんか?点滅などの動きがあるものであれば尚更のはずです。
動物には自分の身を守るために動くものを目で捉えると目線を向けてしまう性質があります。これは睡眠や食欲同様、現代においても人類の中に残り続けています。この性質を活かした広告が「デジタルサイネージ」です。
広告・サインは目に付いて初めて意味のある物に変わります。そのことから、広告・サインの掲示を検討する方には「見てもらう」ではなく「魅せる」という考え方が必要となります。つまり、店舗にデジタルサイネージを導入する際は、掲示する内容だけでなくつい目を向けてしまうような仕組みの検討も非常に重要なのです。
1.デジタルサイネージとは
デジタルサイネージとは、液晶ディスプレイやLEDビジョンなどの電子表示器を使い、映像・画像等の情報を発信する広告やそのシステムの総称を指します。日本では「電子看板」「電子広告」と呼ばれることもあります。
最近は看板やポスターに代わり施設案内の地図がデジタルサイネージに変更されたり、駅の柱に埋め込まれ鉄道会社や近隣施設のイベント情報などの配信に利用されたりしています 。その他にも商業施設やバス停の広告、映画館のポスターや飲食店の期間限定メニューのアピールなど、デジタルサイネージの活躍の場は増え続けています。
・システムの概要
「デジタルサイネージ」と言えば表立って設置されている「ディスプレイ」をイメージする方が多いのではないでしょうか。しかし、上記の機器はあくまでシステムの一部であり、単体では情報を発信することはできません。
デジタルサイネージの導入にあたって最低限必要なものは、コンテンツを表示する「ディスプレイ」、配信情報としての「コンテンツデータ」とその「記録媒体」です。これは後述の「スタンドアロン型」に該当する例で、比較的設置が簡単で導入費用が安いという特徴があります。
2.デジタルサイネージの種類
デジタルサイネージは設置場所やサイズに関係なくディスプレイを使用していれば「デジタルサイネージ」としてみなされます。とはいえ、コンテンツや配信の管理方法、配信コンテンツの伝達方法による違いは存在します。
デジタルサイネージ活用の基本は導入目的に応じてシステムを使い分けるところにあります。当然、目的に合わないものを選んでしまえば、却って看板やポスターよりもコストが掛かる、成果が出ないなんてことも考えられます。ここではデジタルサイネージの種類を簡単に分類してご紹介します。
・スタンドアロン型
先程紹介した、「ディスプレイ」と「コンテンツデータ」「記録媒体」からなるシステムです。設置が簡単で低コスト、おまけに操作も難しくないと、導入のハードルが最も低いタイプとされています。
コンテンツが保存してあるUSBメモリやSDカードを直接ディスプレイに読み込ませ再生・発信します。時期や曜日、時間帯で配信コンテンツを切り替える場合は、手動でUSBメモリやコンテンツを切り替える必要があります。
この特性上、複数のコンテンツを複数のディスプレイで発信する運用方法には向いておらず、小規模・少量コンテンツの運用に向いています。
・ネットワーク型
こちらは「ディスプレイ」と「コンテンツデータ」に加え、「ネットワーク環境」「STB(セットトップボックス)」「CMS(コンテンツマネジメントシステム)」「パソコン」からなるシステムです。この通り、必要な環境や機材が増えたことで導入ハードルが高くなります。スタンドアロン型とは違いコンテンツの保存・管理はUSBメモリやSDカードではなく「サーバー」で行います。
「ディスプレイ」に接続した「STB」という機器がサーバーからコンテンツを受信し、「ディスプレイ」で再生・発信するという仕組みです。コンテンツの配信設定や管理は「CSM」という管理ソフトと「パソコン」で行います。
「ネットワーク環境」によってスタンドアロン型で不向きとされた複数コンテンツを複数のディスプレイで発信することに強みを持ちます。一括管理に対応しているため、大規模・大量コンテンツの運用に向いています。
・インタラクティブ型
スタンドアロン型とネットワーク型は管理・運用方法に違いがありましたが、こちらはコンテンツの伝達方法に違いがあるタイプです。「対話型」「双方向型」とも呼ばれ、ユーザーの行動を検知するタッチパネルやセンサーが搭載されているのが特徴です。従来の一方向的な情報発信に留まらず、双方向のコミュニケーションを通してユーザーの望む情報を適宜発信することができます。
専用の「タッチパネル式ディスプレイ」を基本として、センサーやカメラなど機能と費用が比例することから、導入ハードルは他に比べて高めとなります。近年ではAIやARの搭載、SNSとの連携など情報とその伝達方法が非常に多彩になってきました。
3.デジタルサイネージの3つの活用方法
デジタルサイネージの活用方法は大きく「プロモーション」「インフォメーション」「空間演出」の3つに分類することができます。それぞれ目的と求められる機能が異なるため、当然揃えるべき機器やコンテンツも異なります。
ポスターや案内板の代わりに導入を検討している場合、活用方法は既存の延長線上にあるため比較的イメージしやすいことでしょう。しかし、デジタルサイネージを導入することで情報量と伝達方法は増加しますので、併せて何のために導入するか、誰に向けて導入するのかといった設定が改めて重要となります。
・プロモーションとしての活用
もっとも知られているのが広告宣伝や販売促進を目的としたものです。動画や音声コンテンツを配信できる特性上、高いアイキャッチ効果が見込め、商品・サービスの認知度向上に貢献します。また、既存のポスターや看板とは違い場所や天候に左右されることなく、季節・曜日・時間帯・視聴層の変化に応じて非常に多くのコンテンツを切り替えて配信できることから、通行量の多い屋外での活用も増加してきています。
・インフォメーションとしての活用
次になじみ深いのが施設案内や混雑情報の発信などインフォメーションを目的としたものです。従来の案内板や掲示板と比較するとその情報量は圧倒的で、リアルタイムに情報を発信できるという点で優れています。
タッチパネルを搭載したインタラクティブ型として導入されるケースも非常に多く、ユーザーに合わせて迅速な情報提供を可能としています。公共機関や商業施設、オフィスでの導入も目立つようになりました。
・空間演出としての活用
近年デジタルサイネージを空間演出の媒体として活用するケースも増加しています。空間演出においては「視覚」「聴覚」へのアプローチに重点を置くため、映像や音をフレキシブルに再生できるデジタルサイネージは非常に相性が良いとされます。空間を流動的に変化させられる点が新しい体験として、商業施設やイベント会場、テーマパークなどで注目を集めています。
また、大型・曲面ディスプレイや連結・連動機能、床用・天井用など仕様に幅があり、今後更に活用シーンが増加するとされています。
4.デジタルサイネージ導入のメリット
従来の看板では紙面に印刷できる範囲の限られた情報しか発信できませんでした。しかし、デジタルサイネージではディスプレイ端末にデジタル化されたコンテンツを表示する事が出来るので、1台で複数の情報を発信することができます。駅のデジタルサイネージでは、出退勤ピークにはビジネス系ツールの広告を、学生が多い時間帯はメイクや清涼飲料水の広告を流す等、時間や客層に応じた表示の変更も簡単に行うことができます。設置場所も、電源さえあればどこでも可能です。
その他にも、デジタルサイネージは映像を活用して来店者への適切な情報提供や、心地よい空間を演出して店舗・施設の体験価値をあげることもできます。メニューボードをデジタルサイネージに変更することで、モーニングメニューからランチメニューへの切り替えも自動ででき、売り切れ表示もリアルタイムに表示変更を行うことで、お客様への情報提供をリアルタイムに行えます。イベントの告知、商品情報や季節を感じさせる演出などを表示し雰囲気を盛り上げることも可能です
5.紙媒体削減、貼り手間も減り、経費削減に繋がる
デジタルサイネージは、店舗のSDGsの一環にもなります。
告知・ポスター・イベント案内など、今までは複数の紙媒体にてアピールしていた物を1台のディスプレイに表示しアピールすることで、紙媒体の数を減らすことが可能となります。開催期間が決まっているイベントの告知や期間限定製品のアポピールポスターは原則使い捨てです。また雨風や衝撃にも弱く、見栄えの問題から汚れやヨレが見られるポスターは掲載期間内でも撤去・交換を行う必要があり、手間と資源を浪費する要因となります。
デジタルサイネージは掲載期間が終わった内容はデータを削除すればいいだけなので、たった5分の操作で施設内の全広告の張替えができ、しかも廃棄物が無い為環境への配慮も可能です。
また、紙媒体での告知をすると、大体1~4行位で収めなければ文字が小さくなり読めなくなる事が多い中、デジタルサイネージを導入する事により、1台で集約でき、静止画から動画まで発信が可能となります。
ポスター一枚分の範囲をデジタルサイネージへ切り替えるだけなら、コストが上がってしまいます。しかし商業施設全体での切り替えや、長期的・高頻度での掲示物切り替えが必要な箇所などであれば、印刷費や掲示物変更にかかる人件費、掲示エリア自体のメンテナンス費用といったトータルコストを削減できるため、結果として割安になるケースも多くあります。
6.デジタルサイネージ導入に向けて
デジタルサイネージはどの様なコンテンツを表示するかで、お店・施設の雰囲気が変わってきます。店舗独自の色を出していきながら、購買者の要求に応じた情報提供や意思決定のサポートをしていければ、より強力な訴求手段として活用していくことが可能となります。
店舗独自のコンテンツ作成にはデジタルサイネージ以外にも色々な手法がありますが、どれが自店舗に合っているのか分からないときは、まずはお気軽に弊社のような空間デザイン会社に相談をしてみてください。自社にあったデジタルサイネージやコンテンツを提案させて頂きます。
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