店頭販促の基本解説:効果的なPOPと活用法
ここ数年、商品情報や口コミはWebやSNSで、購入はインターネット通販サイトでという消費者も多い中、店舗売上に悩まされている方は多いのではないでしょうか。そして今、実店舗に足を運んでくれた人に対し、「今この商品が欲しい!」、「買いたい!」、「他の商品も見てみよう!」、「この店にまた来よう!」と思っていただくことの重要性が増しています。
CMや広告、チラシなどのプロモーションの様に広く来店を促す方法ではありませんが、実際に来店し商品、サービスの購入を検討しているお客様に対して、直接的な訴求や最後の一押しができるのが店頭販促です。
そこで本記事では、このタイミングでの店頭販促の必要性と目的、実施するうえでの基本的なポイントをはじめ、販促物やイベントの種類についても併せてご紹介します。
目次
1.店頭販促とは「実店舗で顧客の購買意欲を刺激する活動」を意味する
店頭販促はインストアプロモーションとも呼ばれ、実店舗に来店したお客様を購買活動につなげる施策です。購買意欲を刺激し、ひとつでも多くの商品を購入して頂き、顧客満足度を高め、リピーター(=ロイヤルカスタマー)を獲得するのが目的です。
購入するかどうか迷っているお客様に対して最終的な後押しをする役割を担っており、この点が多数の人に対し認知拡大を目的として行われる広告との違いです。上記の目的達成に向けて、多くの店舗において販促物を活用した幅広い取り組みがなされています。
2.なぜ店頭販促が必要なのか
極端な話、商品をただ売るだけなら価格とスペックだけが表記された必要最低限のPOPがあれば良いのかもしれませんが、それでは買うものを決めている人は目的以外の商品には見向きもしないかもしれませんし、逆にどれを買おうか迷っている人、買い物を楽しみたいと思っている人に対しては情報が少なすぎて不親切です。なんとか現状維持はできたとしても、売上アップは見込めず、良い印象を与ることもできません。
ここで重要な役割を担う物の店頭販促のひとつが販促物です。販促物は商品や店舗のイメージを訴求する他に、商品の説明や他商品との比較材料(情報)を提供する役割があり、店舗や商品を選ぶ上で大きな手がかりとなります。そしてなにより、商品の前で思わず足を止めて、「これ欲しい」、「買いたい」と思って貰える「最後の一押し」をするためのシズル感のあるコピーやデザインの他、バイヤーさんや店員さんのおすすめコメントなどを入れたコトPOP(3つのコト)なども非常に有効です。
3.店頭販促が売上UPに貢献する3つのポイント
店頭販促は、購買意欲を刺激し、ひとつでも多くの商品を購入して頂き、顧客満足度を高め、リピーター(=ロイヤル
カスタマー)を獲得する為の行いです。つまり、最終的な目的は売上UPということです。
売上UPを達成するには、「来店客数」、「購入単価」、「来店頻度」を増加させる必要がありますが、店頭販促がど
のように貢献するのか改めて解説します。
来店客数を増やす
来店客数を増やすには、まず店舗や商品・サービスの存在を認知してもらうことから始まります。認知してもらうには
、離れた場所にいる人物でもわかるように店舗を目立たせたり、つい足を止めてしまうようなキッカケを作り出したり
することが重要とされています。
具体的な方法として、のぼりや看板の設置、店頭イベントを実施するなど、店外の人物に「何かあるな」と思わせる、
物理的に注意を引くような施策が有効です。
上記は実際の店舗の近くにいる人物が対象となりますが、dmやWeb広告、SNSなどを活用することで、物理的に更に
距離が離れた人物に対してもアプローチできます。
購入単価を上げる
購入単価を上げるには、商品・サービスとお客様の接触機会を増やすことから始まります。そのうえで、それぞれの接
触時に動機付けとしてメリットや効果を訴求することで購入を促していきます。
接触機会を増やすには、来店客数を増やすことと同様にお客様の足を止める工夫が必要です。レイアウトやディスプレイの工夫に加え販促物として販促什器やPOP類を活用することで、商品やサービスの視認性や情報量を改善させることができます。
物販店の場合、品群・品種・品目ごと、関連商品や上位商品をまとめてディスプレイするのが基本です。その売り場の
中でも更にサイネージやPOP類を活用して、商品ごとの魅力を打ち出していきましょう。
来店客数を増やす
来店頻度を高めるには、その店舗で購入するメリットを意識させることから始まります。意識してもらうには、商品や接客、お店の雰囲気等でお客様に満足していただいたうえで、更にお得感を演出することが重要です。
お得感を演出する手法としては、一般的にポイントカードや特典、キャンペーンなどが活用されます。利用回数が増えるほどポイントが貯まったり、特典が変わったりするなど、継続して利用してもらうための仕組みです。
近年はデジタル技術の普及もあり、専用アプリやSNS、メールを通して行われることも増えており、24時間距離に関係なくフォローすることで接点を強化しています。
4.店頭販促物の主な種類と掲出場所一覧
それでは次に、よく使われている主な販促物と掲出場所の例を解説します。
駐車場や店舗外周…のぼり,懸垂幕,横断幕
基本的に駐車場や入口付近などの屋外で使用されるツールです。色鮮やかなデザインや大きさなど見た目のインパクトが特徴です。人の注意をよく引き付けるため、店外の人物に実施中のキャンペーンやセール等の情報を告知することに役立ちます。
店舗内外壁面・ガラス面…タペストリー,カッティングシート,装飾シート
内外問わず壁面・ガラス面で使用されるツールです。デザインバリエーションが豊富で耐久性もあるため、あらゆる壁
面・ガラス面で使用することができます。交換や張替えにも対応しているため、実施中の期間限定や季節感のあるキャンペーンを告知することに役立ちます。
内壁面・柱…ポスター,パネル,デジタルサイネージ
主に店内で使用されることが多いツールです。ポスター・パネルに関しては設置の容易さから売り場に関係なく使用さ
れています。タペストリーやカッティングシート同様に、期間限定や季節限定キャンペーン、新商品の告知に役立ちま
す。デザイン調整が細かく可能なため最も人気があります。
店内天井…タペストリー,吊り下げPOP
店内の天井で使用されるツールです。天井の空きスペースに設置するため、売り場のどの位置からも注意を引くことができます。特定の売り場を目立たせるためにその上部に設置されることもあり、キャンペーンやセールの告知だけでなく演出にも役立ちます。
店内床…フロアシート,フロアマット
店舗の床面で使用されるツールです。基本的にシートタイプとマットタイプがあり、移動のしやすさや耐久性など、状
況に応じて使い分けることができます。また、床面は視線が集まりやすいことから、告知だけでなくサインや演出とし
ても効果を発揮します。
売り場…商品POP,コトPOP,スイングPOP,スポッター,電子・音声POP,販促什器
売り場・商品単位で使用されることが多いツールです。店内サインや他の販促物で誘導してきたお客様に対し、更に商品に注意を引き付けることができます。他の販促物同様にデザインや動き見た目のインパクトなどに加え、商品の概要や効果など購入を後押しする情報を告知することに役立ちます。新商品の告知にもよく使用されています。
サービスカウンター…卓上POP,ミニのぼり,再剥離シール,腰巻シート
サービスカウンターで使用されるツールです。設置・移動がしやすく、組合せ次第で様々な情報を告知することができます。卓上POPに関してはサイズ・構造等のバリエーションが豊富なため、用途によって広く使い分けが可能です。販促物は多すぎても少なすぎても埋もれてしまうため効果がありません。使い方によってはせっかくの店舗内装や商品を台無しにしてしまう場合もあります。訴求内容や場所に合わせて最適なサイズ、形状、素材などを検討して下さい。
POPのデザインについては、『売上アップに貢献!店頭POPデザインのポイントとは?(https://tenpo.taishokougei.co.jp/knowhow/detail065/)』のページでもご紹介しています。
5.店頭販促における「イベント」の役割
もう一つの店頭販促施策としてイベントがあります。大型の商業施設であれば抽選会やビンゴ大会、ステージショー、マルシェ、縁日、スタンプラリーなど、店舗単位であればノベルティグッズのプレゼントや商品サンプリング、ワークショップなどを見かけたことがあると思います。
イベントは集客手段としてとても有効で、賑わいの演出や顧客へのサービスとして行う事による顧客満足度の向上、既存・新規問わず来店の動機付け、また、お買い上げに紐付ける事により消費刺激にも大きく貢献します。「あそこに行けばいつも楽しい何かをやっている!」、「顧客を大切にしている」と思ってもらう事は、ロイヤルカスタマーや新規顧客を獲得する上でも非常に大切なことです。
言うまでもありませんが、販促としてのイベントはただ人をたくさん集めれば良いというものではなく、お店にとってメリットがなければ意味がありません。そのため企画立案に当たっては、まずイベントの開催目的や参加して貰いたいターゲットを明確に設定し、そのためにはいつ、どこで、何を、どの様に行うべきか、参加してくれた人にお店で何をして欲しいのか、逆に開催した事がお店のマイナスイメージにならないかなど、予算などと照らし合わせながら慎重に進めることが重要となります。
6.店頭販促イベントの種類
店舗で行われている主なイベントの例は下記となります。
●ステージ・・・ステージショー(音楽ライブ、お笑い、人気キャラクター、握手会、講演会 など)
●広場・・・抽選会、ビンゴ大会、ワークショップ、マルシェ、物産展、縁日、エアー遊具、作品展 など
●店舗・・・商品サンプリング、ノベルティグッズプレゼント、スクラッチカード など
●その他・・・クラウン(ピエロ)・着ぐるみグリーティング、スタンプ・シールラリー、風船プレゼント、謎解き な
ど
もちろん、上記以外にもさまざまな店頭販促イベントはあります。
どのイベントが一番相応しいのか、実施期間、実施場所、集客ターゲット、運営オペレーション及び予算に合わせて検
討する必要があります。
様々なイベントを手掛けている実績がりますので、イベント開催に際しての相談は是非当社へお声がけ掛けください。
7.情報発信としての店頭販促
店頭販促では来店者に常に鮮度の高い情報を発信し、「飽きさせない」事が重要です。
販促物は効果的に設置出来ていたとしても、ずっと同様のものを設置・表示したままでは来店者が見飽きてしまい、効果が薄まり、新しい情報を与える事はできません。のぼりやポスターは紙や布などの素材に印刷された販促物のため、サイン類に比べると劣化も早く古臭い印象を与えてしまいます。そうならないために、展開期間を決めて定期的に更新を行うことが大切です。
イベントにも同じ事が言え、毎年・毎回同じ様な事をやっていたのではマンネリ化し飽きられ、参加する人はある程度固定されてしまうため、新規顧客を得る事は困難となります。
8.まとめ
いかがでしたでしょうか。この記事でご紹介した店頭販促はさまざまな店舗で多様な使われ方をしています。売上アップの達成に向けて、目的・ターゲットの明確化に始まり、販促物の性質を理解して適切に活用していくことが成功への近道です。また冒頭に記載した通り、「今この商品が欲しい!」、「買おう!」、「他の商品も見てみよう!」、「この店にまた来よう!」と思ってもうらには、何よりもお客様の目線に立つことが重要になります。
当社では店頭販促としての各種販促物や販促イベントなど、場所、目的、ターゲット、予算に合わせたご提案が可能です。少しでもご興味ありましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
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