成功への第一歩:理想の内装工事業者を選ぶ5つのポイント
開業や改装に向けて内装工事を検討していると、「どの内装業者に依頼すればいいのか」悩みませんか?無駄な費用を掛けずに満足のいくデザインを実現してくれる業者を探したいところですが、会社は多いうえ選ぶ基準も曖昧で難しいと感じるはずです。
因みに「内装業者」という一括りで業者選びを進めることはお勧めしません。想像以上に時間が掛かってしまい、状況に見合っていない業者に依頼してしまう可能性が高まるからです。結果、無駄な費用が掛かったうえ満足のいかないデザインのお店ができるなんてことも十分にあり得ます。
この記事では業者選びで悩まれている方に向けて、店舗内装に関連する業者の種類と選ぶ基準を解説しています。
1.内装業者は3社に大別できる
まず初めに、店舗内装をデザインするうえで関りのある会社をおさらいしましょう。広義の意味で「内装業者」は「設計・デザイン会社」「施工会社」「設計施工会社」の3社に大別できます。それぞれの会社には得意分野・不得意分野がありますので、状況や重視したい内容に合わせてこの三社を使い分けます。
店舗内装工事における業者選びは、先ず必要な会社の組合せを決めてから、具体的に会社を探すことになります。
デザイン性に優れる「設計・デザイン会社」
多くの設計士やデザイナーが在籍しており、コンセプトの理解力や企画力、デザイン性の高さが売りです。主な業務はオーナーへのヒアリングを基にした企画設計と基本設計・概算見積の制作となりますので、施工は施工会社に別途依頼する必要があります。また、工事中は図面や仕様書通りに進んでいるかを確認するために、設計監理業務を担当してくれます。
設計事務所やデザイン事務所に依頼する場合、高いデザイン性が期待できる一方、工事期間は長くなるのが一般的です。また、工事に掛かる材料費や労務費などの施工費とは別に設計費が発生しますので、全体の工事金額も高くなると考えておきましょう。
現場対応力に優れる「施工会社」
店舗内装工事は通常、業務を設計と施工に分けて別々の会社に依頼します。施工会社は更に細かく分類される専門業者(大工や塗装など)を管理して施工を請け負います。工事自体のノウハウが豊かで職人との連携も密に取れるため、高い現場対応力が売りです。
主な業務は設計・デザイン会社が制作した図面を基にした見積制作・工事となりますので、設計は設計・デザイン会社に別途依頼する必要があります。また、工事中は管理者を現場に常駐させ、工程・品質・原価・安全の管理を行いながら計画通りに進んでいるかを確認する施工管理業務を担当してくれます。
自社で設計機能を担う場合は施工会社に直接依頼することで、全体の工事金額を安く抑えることが可能です。
全体調整力に優れる「設計施工会社」
これまで紹介した設計機能と施工機能を同時に持っています。このことから、窓口を一本化して一括で発注することができます。設計・施工共に担当しますので、予算やスケジュール、仕様など工事において検討するあらゆる事項で高い柔軟性や調整力が期待できます。
主な業務は上記の2社に準拠していますが、デザイン性においては設計・デザイン会社ほど独自性は高くありません。また、一般的に職人を抱えていることは少なく、施工を下請けや施工会社に依頼する場合があります。当然、直接依頼するよりも金額が高くなりますので覚えておきましょう。
店舗開業においては内装工事以外にも並行して進める作業が多いため、窓口は少ない方が良いとされています。
2.状況別の依頼先と注意点
内装業者の種類とその得意分野を確認したところで、状況と重視したい内容に合わせて会社を使い分けると言った意味が改めて分かったかと思います。
店舗開業において、置かれた状況や何を重視したいかはオーナーによって様々ですが、大体は次に紹介する3つの状況に分けられます。状況から適した組合せを決めて、具体的に会社探していきましょう。
予算と時間がある&デザインにこだわりたいなら「設計・デザイン会社」&「施工会社」
開業するお店の役割が明確など、何よりもブランディングやデザイン性を重視したい方におすすめです。
この場合、前提として予算・時間の確保が非常に重要となります。いくら企画力やデザイン性に優れると言っても、一発で理想的なプランが出来上がることはありません。こだわるには綿密な打ち合わせやプランの修正が何度も必要です。
また、設計が終わっても続けて施工会社を探さなければならず、余裕がないと満足のいく店舗の実現がかえって難しくなってしまいます。
店舗開業経験のないオーナーは、そうした事情も鑑みて採用するようにしましょう。
工期&予算を抑えたいなら「施工会社」
居抜き物件を活用してスピード出店したいなど、何よりも工期と予算の削減を重視したい方におすすめです。
この場合、図面などの設計図書をどのように調達するかが重要になります。施工会社で設計を請け負ってくれる場合はごく稀で、デザイン性という点では設計・デザイン会社と設計施行会社には劣ります。仮に自社で設計図書の制作できても、設計監理は誰がするのかという問題も出てきます。それら調達の目途が立っていること、部分的な工事であることなど、無条件に予算を抑えられる訳ではないことを覚えておきましょう。
効率よく全体をサポートして欲しいなら「設計施行会社」
店舗開業の経験がない、他の業務に追われているなど、何よりも全体サポートと効率性を重視したい方におすすめです。
この場合、オーナー自身も調整事項をしっかりと把握するという意識が重要です。一括発注といえども設計施行会社に任せきりでは満足のいくお店にはなりません。余裕がないからこそ設計施行会社にお願いしたいと思うでしょうが、企画や設計のためのヒアリングや施工に関する打合せなど、やる作業は基本的に変わりません。
窓口一本化によってオーナーの調整・管理事項は確かに削減できますが、油断せずに店舗コンセプトの共有や、見積もりの確認など怠らないようにしましょう。
3.内装業者を選ぶ基準は?
どの内装業者が必要か把握したら、次は会社を具体的に探す段階です。会社を探す主な方法はWebサイトを検索して決めるか、人の紹介を受けて決めるかになります。どちらにしても、自身の目で確認し担当者と一度話してみることが大切です。
ここで紹介する基準はどれも簡単に確認することができますので、既に候補をお持ちの方はぜひ照合してみてください。
対応エリア
出店エリアに近いか、または対応しているか確認しましょう。
まず設計業務に関して、今でこそ打合せはオンラインでも可能ですが、店舗内装工事においては現場で確認することが非常に多いです。トラブルが起きた際など迅速な対応を求めるのであれば、依頼する会社は出店エリアに近い方が何かと都合がよいのです。
次に施工業務に関して、大抵の会社は対応エリアを決めて営業しており、エリアごとの業者と協力して工事を進めます。出店エリアにつてがない会社は他エリアの業者を呼ぶため、その分の移動コストが発生してしまいます。また、工事上必要な諸官庁手続きなども、該当エリアでの経験がスムーズにいくかどうかを左右しますので注意しましょう。
得意な業種・業態
一言で店舗と言っても業種や業態によって必要となる知識・経験に大きな差異があります。例として飲食店とアパレルショップとでは、厨房機器の有る無しによって設計内容や工事スケジュールが異なります。また、中華料理店とカフェとでも厨房機器の量や種類が大きく異なるのです。
店舗内装の基本として機能性とデザイン性は同じぐらい重要です。最悪営業が出来なくなるリスクを考慮すると、出店する業種・業態を得意と明言している業者に依頼するのが一番安全という事になります。
大抵の場合はWebサイトのサービスページや実績で確認することができます。もし載っていなかったとしても、担当者に聞いてみると良いでしょう。
実績の多さ
実績の豊富な会社はそれだけ設計・施工のノウハウが蓄積されていると考えましょう。特に店舗開業経験が少ない方は、まず実績があるかどうかを一番に確認するのがおすすめです。
業種・業態などの括りがあるとは言え、お店の内装は一店一店異なります。開業の背景やオーナーが重視したいこと、予算や内装材の仕様に至るまで全く同じお店は存在しません。実績の多さはそれだけの課題に取り組んだことの証明であり、オーナーが想定している以上の提案や品質が期待できます。また、突発的なトラブルに対しても柔軟な対応が見込めますので、業種・業態と同様にWebサイトと担当者から確認するようにしましょう。
担当者の対応
この記事をご覧の方は何かしら店舗内装に不安を抱えているかと思います。知識や・経験がないため、聞きたくても聞けないこと、事前に想定できないこともあるでしょう。良い担当者とはそうした状況を考慮して、工事全体のことや見積もりなどについて丁寧な対応や説明をしてくれます。つまり、店舗内装を成功させる近道はパートナーとして誠実に対応してくれる担当者を探すことなのです。
対応力を確認する方法は直接やり取りすることです。この場合、相対的な評価で選ぶことになります。候補として考えている複数の会社の担当者に対し、同じ質問をして回答の内容やスピード感などをチェックしましょう。会社や担当者の忙しさによっても差が出ますので、慎重に見極めることが大切です。
4. 業者を選ぶ前に整理しておくべきポイント
この記事をご覧になったら早速内装業者に連絡して欲しいところですが、その前に確認して欲しい項目が5つあります。事前に整理できているか否かでその後のスピード感が変わります。つまり、時間に余裕がない方こそある程度まとめておく必要があります。但し、出店経験が少なく一人で決められないと悩んでいる方も多いはずです。その場合は、業者にそうした状況も含めて説明し、今後のスケジュール感を掴むところから始めましょう。
店舗コンセプト
出店計画全体の指針となるのが店舗コンセプトです。オーナーの考える「こんなお店にしたい」を7W2Hに沿って設定していきます。商品やサービスはもちろん、出店地や物件の要件などもコンセプトを基に決められます。コンセプトが明確である程、内装業者の提案の質も上がると考えてよいです。
また、開業にあたって事業計画書や資金調達の際に必要となりますので、最優先事項として覚えておきましょう。
物件情報
物件情報は店舗内装のデザインと発生する金額を検討するうえで重要な情報です。基本的な広さや引渡の状態など、「どんな場所にお店を作るのか」が明確でないと精確な設計は難しいのです。
また、スケルトン物件や居抜き物件に関わらず、大抵の物件には内装が自由になりすぎないように数々のルールが存在しています。このため、初期コンセプト通りのデザインにならないことが多々あります。何度もプラン修正することを考慮すると、初めから物件情報が明確な方がスムーズに設計・デザインを進めることができます。
店舗イメージの参考例
店舗イメージは設定したコンセプトとヒアリングを通して形作っていきます。この際に既にあるお店の写真を使用すると視覚的にイメージを共有できるため効果的に進めることができます。ネット上には実例を載せたサイトが数多く存在していますので、そのような媒体を活用して写真を集めておくとよいでしょう。
また、写真には写らないような賑わいや居心地などを確かめるために、実際に足を運ぶことも有効です。
予算感
現時点で何にどれぐらいのお金を掛けられるのか整理しておきます。基本的に内装業者は予算感に合うように最大限努力してプランを作成します。物件取得費や当面の運転資金とのバランス、更に内装工事費や設備費なども分けて整理できていると、状況を考慮した現実的な提案に繋がります。
とはいえ、相場を知りたいから業者に連絡するんだという方も多いはず。一般的な相場であればネットでも構いませんが、具体的な数字となると前述のコンセプト、物件情報や店舗イメージなど店舗を定義する情報が必要です。
スケジュール感
店舗内装工事のデッドラインは非常にシビアです。スケジュールに余裕がないと材料や職人が集まらなかったり、行政への申請が間に合わなかったりなど、予定日にオープンできないなんてことも発生します。
以上のことから、内装業差探しは早すぎるに越したことはありません。事業計画書の作成や資金調達も含めてどのようなスケジュール感で進めているのか、その中で内装工事はどれぐらいの期間で見ているのかは早めに共有しておくと良いでしょう。
5.まとめ
内装工事を検討するうえで「内装業者」という括りで探すのは難しいとご理解いただけたかと思います。設計事務所や工務店などはそれぞれ強みを発揮できる領域が異なりますので、違いを正しく理解して依頼することが重要です。
また、複数の内装業者とやり取りするとなるとそれなりに時間を消費します。この記事をご覧になったらすぐにでも連絡してみるのが良いでしょう。
当社では無料相談を始め、各種設計や実際の内装工事まで手厚くサポートを実施しております。御用の際はお気軽にお問い合わせください。
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