成功する店舗戦略:効果的なPOPデザインで売上を引き上げる方法
お店に足を運ぶと高い頻度で目にするのが店頭POPです。記事をご覧の方も、思わず足を止め、商品を手に取り、買ってしまったという経験が何度もあるはずです。当然ながら、そうした一連の行動はPOPを活用した店舗側で想定していたものです。お客様が想定通り購入に至ったわけですから、POPがターゲットに対して効果的だったと言えます。
さて、ここで悩ましい問題が一つ「どうすれば効果的なPOPを作れるのか」ということです。販促ツールとしての重要性は理解しているけども、そう上手くはいかないというのが本音ではないでしょうか。
この記事では効果的なPOP制作にあたっての基本事項を解説しています。活用の目的、活用までのステップ、デザインのポイントなど、制作において重要なことを改めて確認して今後のPOP制作をより強固にしていきましょう。
1.店頭POPとは「購買時点の広告」を意味する
店頭POPとは消費者の購買時に商品&サービス情報を提供する広告を指します。「Point of purchase advertising(購買時点広告)」を略した言葉で、単に「ポップ」や「ピーオーピー」とも呼ばれます。
ここでのポイントは「購買時点」という部分です。宣伝を目的とした広告とは違い、来店した消費者の購買意欲を直接的に高める目的で活用されます。つまり、商品・サービスを認知したお客様を行動に移させる役割を担っています。
店員の代わりとして、また店員の接客の補助として情報提供を行う広告媒体という側面も持ち合わせており、主には商品・サービス自体の情報から、お店で実施されているキャンペーン情報などを提供します。
2.店頭POP活用の目的
店頭POP活用の目的は消費者の購買意欲を直接的に高めることです。販売促進として活用されるPOPは店舗の売上アップを前提に行われますので、更に目的は大きく「新規顧客の獲得」「既存顧客のリピート創出」に分類できます。
そのような顧客の購買意欲を刺激するためには、商品への誘導をはじめ、商品やサービス自体の情報、購入する・利用することで得られるベネフィットを提供しなくてはなりません。以上のことから効果的な店頭POPの制作においては、目的に応じて数あるアプローチから何が適切なのかを十分に検討する必要があります。
また、上記の販売促進的な活用以外にも店舗の雰囲気を演出する装飾的な活用方法もあります。
3.購買意欲を高い店頭POP制作の4ステップ
購買意欲を高めるPOPとはつまり、適切なアプローチが出来ているという事になります。しかし、適切なアプローチはお客様の数だけあるため、このままでは何が適切なのかわかりません。そこで次に紹介する項目を検討し、少なくとも一つ適切なアプローチを絞り込んでいきます
目的を決める
まずは全ての根底となる「何のためのPOPなのか」を決める必要があります。つまり、「何のために購買意欲を高めるのか」です。基本的には複数あるかと思いますが、新商品の購入を促したいとか、来店回数を増やしたいとか、最終的に実現したいことを整理していきます。
目的を決めておけば後述の訴求ポイント、デザインを決める際の指針となり、店頭POP活用に向けたあらゆる取り組みに一貫性をもたらしてくれます。逆に目的が明確でなければ、情報にまとまりがなく効果の薄いPOPとなります。
ターゲットを決める
効果的なPOPを制作するにはターゲットの設定が肝心です。つまり「誰の購買意欲を高めるのか」を決めるということです。基本的には目的を決めるのと同時並行で進めます。
前述の新規顧客か既存顧客かというところから始まり、具体的な年齢や性別、職業や趣向などの属性を設定します。購買意欲が高まるトリガーはターゲットによって様々です。価格を推すのか仕様を推すのか、大きい文字がいいのか可愛いフォントがいいのかなど、無数にある組合せを絞り込むうえで非常に重要な要素となります。
訴求ポイントを絞り込む
ターゲットに対して最優先で伝えなければならない魅力、それが訴求ポイントです。ターゲットが求めている有益な情報とも言い換えられます。この段階では「何の情報で購買意欲を高めるのか」を検討します。
魅力や有益な情報を探るには、ターゲットのニーズ・生活スタイルなどから抱える課題や実現したいことは何かを整理します。それに対して商品やサービスはどのように貢献できるのか、最終的に得られるベネフィットは何か、アピールポイントを絞り込みます。この際ターゲットの立場に立って、本当に有益かどうかを繰り返し確認する工程が重要です。
魅力的なデザインを検討する
効果的なPOPとは内容だけでなくデザインにも多くの工夫が見られます。この段階では「情報をどのように伝えて購買意欲を高めるのか」を検討します。
ご存じの通りPOPは種類が数多く存在し、それぞれ活用目的や効果的な活用シーンが異なります。他にも色やフォントの心理効果など、既定の情報を参考にしながらターゲットと訴求する情報に合うようデザインを調整します。POPは提供できる情報に限りがありますので、「目を引けるかどうか」「見やすいかどうか」「わかりやすいかどうか」を重点的にチェックします。
4.店頭POPデザインのポイント
店頭ポップのデザインは瞬間的に「目を引けるかどうか」「見やすいかどうか」「わかりやすいかどうか」という判断軸に沿って検討されます。これはPOPが活用されるシーンは何れも他の商品・サービスが多くあり、お客様も立ち止まってゆっくり見るとは限らなかいらです。そのことから、単純に情報が多すぎるPOPは効果が出にくいとされています。
ここで紹介するポイントを全て詰め込む必要はありません。目的・ターゲット・訴求ポイントに相応しいか判断して使い分けます。
季節やイベントの要素を取り入れる
季節やイベントを象徴する色やアイテムには、お客様の注意を引きやすく情報を伝えやすいという特徴があります。
お客様の中に既に形成されているイメージを利用して、提供情報を瞬時に判断させるように誘導できるからです。この特徴を生かし特定色の組合せやメジャーなキーワードを盛り込むことで、少ない情報でもメッセージ性を強めることができます。
時期を考えると、大抵の場合は他の売り場・商品・サービスとPOPの傾向が似通うことがあります。肝心の訴求ポイントが埋もれてしまわないよう注意しましょう。
写真やイラストを取り入れる
こちらも季節やイベントの要素と同様に瞬間的なイメージ形成の助けとなります。
情報は少ない方がよいという基本事項に則ると、単体で多くの情報を連想させられる写真やイラストは文字情報との相性が良いとされます。文字だけで表現しきれない場合は、写真やイラストを活用して与える印象を操作します。
とはいえ、使用量が多すぎたり一般的なイメージ形成がなされていなかったりするものは、かえって混乱させてしまう要因となりますので注意が必要です。
使用色は3色程度に調整する
使用色を3色程度にまとめるとメリハリのある見やすいPOPになります。多くても5色、濃淡を使い表現します。
もちろん、関連性がなかったり彩度や明度が高すぎたりする配色では見やすくはなりません。お店や商品・サービスのテーマカラーを基準にする場合は、改めて色彩効果や色相環を活用してバランスを調整するようにします。
訴求ポイントからお客様に与えたい印象が定まっている場合は、既定のカラーパターンを用いてみてもよいでしょう。配色ごとに与える印象の傾向が整理されており、効果的なPOP制作の助けとなります。
キャッチコピーを取り入れる
訴求ポイントを短いフレーズや独創的な言葉で表現したものがキャッチコピーです。
POPを前にしたお客様は瞬間的に情報を判断するため、魅力や有益な情報を簡易的にまとめた方がインパクトを与えやすくなります。これまでの過程で設定した訴求ポイントが明確であれば、より購買意欲を刺激するキャッチコピーを考えやすくなります。
また、短いフレーズ且つ独創的な言葉での表現は、一度ターゲットの心に刺さると長く印象に残ります。基本的に購買時は他の商品やサービスと比較されますので、大きなアドバンテージとなります。
文字数・文字サイズを整理する
情報提供の役割をメインで担う文字についても、配色同様にバランスや統一性が重要です。
伝わりやすさを考慮すると、やはり長文は避けて文字数を少なめにした方が無難です。その方がスッキリした印象になり強調したいメッセージを目立たせることができます。提供する情報によっては文字数=情報量が変動するかと思いますが、優先順位に応じて目立たせたい部分だけサイズを大きくするなどの工夫をしましょう。併せて、適度に余白を設けておくと読みやすさが向上します。
手書きなどのフォントにこだわる
様々なフォントを適切に使い分けるとお客様に与える印象を大きく変えることができます。訴求情報の細かいニュアンスや雰囲気を伝える手段としてこだわりたいポイントです。
中でも効果的なPOPとして人気があるのが「手書きPOP」です。一般的に見られるゴシック体や明朝体に比べて、親しみやすさや温かさの表現に向いています。お客様は購買時に不安感や後押しして欲しいという気持ちを抱いていますので、商品レビュー等の客観的な情報と合わせると更に効果を発揮します。
5.店頭POPの種類
それでは最後に多くの店舗で活用されている店頭POPを紹介します。
POPは活用シーンや特徴がそれぞれ異なるうえ、訴求ポイントとデザイン次第で効果が変動します。適切なアプローチの検討においてはPOPの性質をある程度理解しておく必要がありますが、変に悩んでしまうぐらいなら専門業者に相談してしまう方がよいでしょう。
のぼり
主に店舗外周や歩道・道路の脇に設置され、通行人やドライバーに対して告知する目的で活用されます。旗とポールスタンドで構成されており、陳列棚や卓上で使用する小型のぼりがあるなど様々なサイズがあります。
お客様の目線に近く、風にはためくという特徴が注意を引き安く、メッセージをシンプルにすることで高い集客効果が見込めます。
バナースタンド
主に店頭・出入口付近に設置され、商品・サービスを案内する目的で活用されます。旗と自立式の骨組みで構成されており、近年は立て看板の代わりとして使用されることが増えてきています。
情報を表示できるスペースが広いため通行人の目にとまりやすく、視覚的なインパクトだけでなく細かい情報も伝えることができます。
タペストリー・フラッグ
お店の内外問わず壁面・柱に貼ったり、天井から吊るしたりと、商品・サービスやキャンペーン等の告知を目的に活用されます。生地と上下のパイプ、吊るす用の紐で構成されており、素材となる生地の種類が豊富で場所問わず使用できます。
素材によって雰囲気が大きく異なるため、空間の装飾目的でも活用することができ販促・演出の面で人気があります。
デジタルサイネージ
店内・店外問わず多くの場所に設置され、広告宣伝・販売促進などあらゆる目的で活用されています。単純なものであればディスプレイ、コンテンツデータの記録媒体、電源さえあれば機能します。
静止画だけでなく音声・動画も再生できるため、近年非常に人気が出てきました。商品の案内、キャンペーンの告知に始まり、施設案内・空間演出など、システムとコンテンツ次第で柔軟な情報訴求を可能としています。
パネル
屋外だけでなく店内や売り場、陳列棚で設置され、商品やサービス、キャンペーン等の告知を目的に活用されます。パネル本体と自立用・取付け用器具で構成されており、等身大パネルやトップボードなど場所に応じて種類が豊富です。
サイズ・形状共に自由度が高く視覚効果に優れるため告知に向いています。後述のポスターと比較して立体的なデザインが可能です。
プライスカード
主に商品やメニューボードの周りに設置され、商品・サービス名や価格を訴求する目的で活用されます。紙やパネルの本体部とスタンドなどの取付け器具で構成されており、小売店や食物販ではほぼ必須のPOPです。
基本的な訴求内容は上記の通りですが、店によってはそれ以外の訴求ポイントを盛り込むことがあり、デザインの工夫次第で商品イメージも演出することができます。
ポスター
通路や出入口、什器や壁面・柱周りに設置され、主にキャンペーンやイベントの告知を目的に活用されます。ポスター本体とフレーム・スタンド等の器具で構成されており、比較的多くの情報を高いデザイン性と共に訴求します。
素材が紙という事もあり、訴求力の高さに反して制作が簡単で安く最もポピュラーです。また、お店を演出するアイテムとしても高い効果が期待できます。
ブラックボード
店頭や壁面に設置され、商品・サービス全体の情報を訴求する目的で活用されます。壁掛け用と自立式からなる本体部とチョークやクリーナーで構成され、親近感や温かみのある雰囲気を作り出すことに向いています。
手書きという特性上、何度でも色やフォントなどのデザイン・訴求情報を書き換えることができます。自由度が高くお店のコンセプトを柔軟に表現できるため非常に人気があります。
スイングPOP
主に陳列棚などの商品周りに設置され、商品名や価格以外の情報を訴求する目的で活用されます。紙製の本体部と取付け器具で構成されており、立体的な動きでお客様の視線を集める役割を担っています。
比較的にサイズは小さめなので、キャッチコピーなどのインパクトのあるフレーズを伝えることが多いです。重みや少しの風でも揺れるため、アイキャッチ効果の高いPOPとして有名です。
スポッターPOP
高さのある什器や陳列棚において垂直に設置され、商品や売り場への誘導を目的に活用されます。紙やプラスチックなどの本体部と取付け器具で構成されており、目立つような形状・サイズ・色でデザインされることが多いです。
通路から見た際に特定の売り場や商品に注目させる役割があるため、スーパーや書店など品数の多い店舗で効果的なPOPとされています。
6.まとめ
購買意欲を高めるにはターゲットを理解し、心理的なアプローチで訴求ポイントを伝えなければなりません。訴求する情報だけでなく、デザイン性や設置場所も問われることからPOP制作は難しいとされていますが、基本である「目を引けるか・見やすいか・わかりやすいか」はどのタイミングでも一貫した指針となります。着実にステップを踏んで、より効果的なPOPを制作していきましょう。
当社では店頭販促としての各種販促物や販促イベントなど、場所、目的、ターゲット、予算に合わせたご提案が可能です。少しでもご興味がありましたお気軽にお問い合わせください。
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