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アパレルディスプレイの基本とコツを徹底解説!VMDとの違いもご紹介

アパレルショップにおけるディスプレイは、単なる商品展示ではなく、店舗の顔とも言える重要な要素です。ディスプレイの工夫によって、店内の雰囲気が大きく変わり、お客様の購買意欲が高まります。
この記事では、ディスプレイの意味から基本事項、構成方法やポイントに至るまでを解説し、さらにVMDとの違いも紹介します。ディスプレイを上手に活用することで、店舗の魅力を最大限に引き出し、競争の激しいアパレル業界で一歩リードしましょう。

アパレルショップのディスプレイとは?

ディスプレイには『展示』『陳列』『装飾』の役割が含まれる

ディスプレイはお客様の購買意欲を高める非常に重要な要素として、つぎの役割を含んでいます。
『展示』は、商品を視覚的に強調してお客様に興味を抱かせる役割を果たします。
『陳列』は、商品を整理して関連性のあるアイテムをまとめることで、お客様が購入をイメージしやすくします。
『装飾』は、店全体の雰囲気を作り出してブランドの世界観を強化します。
これら3つの要素が組み合わさることにより、お客様に対して一貫したメッセージを伝え、購買行動を促進します。『展示』がなければ商品は目立たず、『陳列』が整っていないと選びにくくなり、『装飾』が不十分だとブランドの魅力が伝わりません。

ディスプレイの目的は『来店を促すこと』『購買意欲をかきたてること』

アパレルショップにおけるディスプレイの目的は、お客様の『来店を促すこと』と『購買意欲をかきたてること』にあります。
まず、魅力的なディスプレイは通りかかる人々の目を引き、興味を持たせることで店内への足を運ばせる効果があります。ディスプレイが華やかで魅力的なほど、潜在的なお客様を引き寄せる力が高まります。
つぎに、店内に入ったお客様に対して商品の魅力を最大限に伝えるため、ディスプレイは重要です。商品の見せ方や配置が工夫されていると、お客様は商品の使用シーンや価値を具体的に想像しやすくなり、購買意欲が高まります。

アパレルショップにおけるディスプレイの基本

アパレルショップの効果的なディスプレイには、コンセプト設定、統一感、清潔感、規則的な配色、そして商品の戦略的な配置が不可欠です。
これらの要素は、お客様に快適なショッピング体験を提供し、ブランドイメージを強化するとともに、売上げを向上させる効果があります。適切に実行されたディスプレイは、店舗の雰囲気を作り出し、お客様の購買行動に大きな影響を与えます。

コンセプトやテーマを設定する

コンセプトやテーマを設定することは店舗全体の印象を統一し、お客様に一貫したメッセージを伝えるために重要です。
統一されたコンセプトやテーマは、お客様が店内に入った瞬間からブランドの世界観を感じ取りやすくし、購買意欲を高めます。さらに、明確なテーマがあることでディスプレイが視覚的にまとまり、商品の魅力を最大限に引き出せます。

統一感を持たせる

統一感のあるディスプレイは、店内の雰囲気を調和させ、お客様が商品を選びやすくします。また、統一されたデザインや配色は視覚的な混乱を避け、商品の魅力を引き立てる効果があります。
これにより、お客様はブランドの世界観を理解しやすくなり、購買行動が促進されるのです。

清潔感を出す

清潔感のあるディスプレイは、商品の品質を信頼させ、お客様が快適に商品を選べる環境を提供します。反対に清潔感が欠けると、商品自体の価値が低く見られ、購買意欲が下がる可能性があります。
また、清潔なディスプレイはブランド全体の信頼性を高め、リピーターの獲得にもつながります。

規則的な配色とする

規則的な配色は店内全体に統一感をもたらし、お客様が商品を選びやすくする効果があります。
また、配色がバラバラだと視覚的な混乱が生じ、商品が目立たなくなります。さらに、ブランドのイメージを一貫して伝えるためにも色の統一が必要です。
結果として、購買意欲の向上やブランド認識の強化につながるのです。

売りたい商品と売れている商品を整理する

売りたい商品を目立たせることで、新商品の認知度を上げてお客様の興味を引きます。一方、売れている商品を整理して配置することで、お客様にその商品の人気を示し、さらなる購買意欲をかき立てます。
これにより、効果的な売り場づくりが可能となり、店全体の売上増加につながります。

具体例

例えば春のコレクションをディスプレイする際には、「春の軽やかさ」をコンセプトに設定し、パステルカラーを基調とした統一感のある配色で店内を演出します。
また、清潔感のある白いディスプレイ台に、軽やかなワンピースやブラウスを規則的に配置します。
人気のあるアイテムは目立つ位置に置き、新作や推したい商品とバランスよく組み合わせることで、お客様の関心を引きつけます。

効果的なディスプレイは、単なる商品の陳列ではなく、ブランドの世界観を表現し、お客様の感性に訴えかけます。
コンセプトの設定から細部の配置まで、綿密に計画され実行されたディスプレイは、お客様の購買意欲を刺激し、店舗の売上向上に大きく貢献します。
これらの基本を押さえつつ、常に新しいアイデアを取り入れ、ニーズや流行の変化に柔軟に対応することが、ディスプレイの鍵です。

アパレルショップにおけるディスプレイの構成

アパレルショップのディスプレイ構成には、主に五つの基本パターンがあります。
三角構成(トライアングル)、左右対称構成(シンメトリー)、左右非対称構成(アシンメトリー)、リピート構成、そして集中構成です。
これらの構成方法を適切に使い分けることで、効果的な商品ディスプレイが可能となります。
各構成には、それぞれ異なる視覚効果と商品の魅力を最大限に引き出す役割があります。また、店舗の雰囲気やブランドイメージに合わせて構成を選択することで、一貫性のある店舗演出が可能となります。

三角構成(トライアングル)

三角構成(トライアングル)は、視覚的にバランスの取れる構成です。この構成は3つの商品や要素を三角形の頂点に配置し、目線を中央に引き寄せる効果を持たせます。
三角構成は視線の流れをコントロールしやすく、ディスプレイ全体に安定感と調和をもたらします。
また、この配置は商品の魅力を引き立て、お客様に強い印象を与えるため、購買意欲を高める役割を果たします。

左右対称構成(シンメトリー)

左右対称構成(シンメトリー)は、左右対称に商品やディスプレイ要素を配置する手法です。この構成は視覚的に安定感を与え、バランスの取れた美しいディスプレイを作り出します。
シンメトリーな配置は見る人に安心感をもたらし、商品の魅力を自然に引き立てる効果があります。また、整然とした配置は、店舗全体の高級感や信頼感を高めるため、購買意欲の向上にも寄与します。
このため、左右対称構成はディスプレイの基本的な手法として広く用いられています。

左右非対称構成(アシンメトリー)

左右非対称構成(アシンメトリー)は、左右に異なるデザイン要素や商品を配置する手法です。この構成は、視覚的に動きや変化を与え、よりダイナミックで興味を引くディスプレイを作ります。
左右非対称構成は視線を自然に引き寄せ、特定のアイテムやエリアに注目させる効果があります。また、独自性や現代的な印象を与えるため、ブランドの個性を強調し、お客様の関心を引けます。
したがって、アシンメトリーなディスプレイは、視覚的なインパクトを高め、効果的な販売促進につながるのです。

リピート構成

リピート構成は、同じ商品やデザイン要素を繰り返し配置する手法です。この構成の特徴は、一定のパターンや配置を繰り返すことで視覚的な統一感を生むことです。
リピート構成は、商品の認知度を高めるとともに、お客様に対して強い印象を与えます。繰り返しの要素があることで、ディスプレイ全体にリズム感が生まれ、視覚的な安定感と印象深さが増します。
この構成は特定の商品の売上げを促進し、ブランドのアイデンティティを強化するのに役立ちます。

集中構成

集中構成は、特定のポイントに商品を集中的に配置する手法です。この構成では、商品を一箇所に集中させることで視覚的な焦点を作り出し、お客様の目を引きつけます。
集中構成の特徴は、商品群が一つのポイントに集められることで、その商品群の魅力が強調され、お客様が注目しやすくなる点です。この手法は、特定のアイテムやプロモーションを際立たせ、購入を促進するために効果的です。
また、ディスプレイにまとまりを持たせることで、店内の見通しが良くなり、全体的な印象を強化する役割も果たします。

アパレルショップのディスプレイでは、これらの構成方法を状況に応じて適切に選択し、組み合わせることが重要です。
季節、商品の特性、ターゲット層、そして店舗全体の雰囲気を考慮しながら、最も効果的な構成を選ぶことで、魅力的なディスプレイを作り出せます。

アパレルショップにおけるディスプレイのコツ

アパレルショップのディスプレイには5つの重要なコツがあります。ここで紹介するコツを押さえることで、魅力的で機能的な店舗づくりが可能になります。

関連性の高い商品をまとめて配置する

関連する商品を一緒に配置することで、お客様は自然とその商品の組合せをイメージしやすくなります。
例えば、トップスとボトムスを合わせてディスプレイすることで、コーディネートの提案ができ購買意欲を高められます。また、関連商品がまとまっていることで店内の探索が効率的になり、お客様の満足度が向上します。
これにより、売上げの増加とお客様のリピーター化を促進できるのです。

お客様の動線を想定する

お客様がスムーズに店内を移動できるように動線を設計することで、自然な流れで商品を目にでき、購買意欲が高まります。動線を考慮したディスプレイは、商品に目が届きやすくし無駄な動きを減らしてストレスを軽減します。
これにより、お客様が長く店内に留まり、より多くの商品を検討しやすくなるため、売上げの増加が期待できます。

季節感を演出する

季節感を取り入れたディスプレイは、今の時期に合った商品の提案を可能にし、お客様がそのシーズンに必要なアイテムを見つけやすくします。
例えば、冬なら暖かい服を、夏なら涼しい服を前面に出すことで、お客様のニーズに応えられます。また、季節感を演出することで店内の雰囲気がその時期にマッチし、来店者に新鮮さや楽しさを感じさせるため、結果的に売上げの向上につながります。

用途に合った什器を選ぶ

適切な什器を選ぶことで、商品の特性やサイズに最適なディスプレイが可能になり、視覚的な魅力を引き出せます。
例えば、棚の高さや形状、ディスプレイの配置などが商品に合っていると、商品がより目立ちやすくなり、お客様の興味を引きやすくなります。
これにより、商品の魅力を最大限にアピールでき、結果的に販売促進につながります。

POPや装飾物を取り入れる

POP(ポイント・オブ・パーチェス)は、商品の特長やキャンペーン情報を簡潔に伝える役割を果たし、お客様の購買意欲を刺激します。
また、装飾物は店内の雰囲気を作り出し、視覚的な魅力を高めることで、お客様の注意を集め、店内のアイテムに対する興味を増加させます。
これにより、商品の売上げを促進し、楽しいショッピング体験を提供できます。

これら5つのコツを意識してディスプレイを行うことで、お客様の目を引き、購買意欲を高める魅力的な店舗づくりが可能になります。常に新鮮さを保ち、お客様のニーズに合わせて柔軟に変化させていくことが大切です。

VMDとディスプレイの違い

VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)とディスプレイは、小売業界で頻繁に使用される用語ですが、その意味と範囲に重要な違いがあります。これらの概念の違いを理解することは、効果的な店舗戦略を立てるうえで非常に重要です。
VMDは包括的なアプローチであり、ディスプレイはその一部です。この違いを正しく認識することで、より戦略的で効果的な店舗演出が可能になります。

VMDVisual Merchandising)について

VMDとは、商品を視覚的に効果的に展示し販売促進を図る手法です。VMDは「Visual Merchandising」の略です。その成り立ちには、店舗のデザインや商品配置、照明、色使いなど、お客様に対して商品の魅力を最大限に引き出すためのさまざまな要素が含まれます。
VMDの目的は、お客様の興味を引き、購買意欲を高めることです。具体的には、商品の特性やシーズンに合わせた効果的なディスプレイを行うことで、店内の雰囲気を演出し、お客様の目を引くことを目指します。これにより、商品の売上げを促進し、ショッピング体験を向上させられます。
VMDは、商品をただ陳列するだけでなく、店舗全体のビジュアルを統一し、お客様に強い印象を与える重要な役割を担っています。

ディスプレイはVMDにおける手法の一つ

ディスプレイはVMDの手法の一つであり、店舗での商品展示を視覚的に工夫して販売促進を図る手法です。VMDは商品や店舗の全体的なビジュアル戦略を指し、ディスプレイはその中で具体的に商品の陳列方法を担当します。
ディスプレイがVMDの一部である理由は、VMD全体のビジュアル戦略の中で、商品をどのように見せるかが重要だからです。ディスプレイは、商品の魅力を引き出すための具体的な配置や装飾方法を決定し、お客様の目を引く役割を果たします。
一方で、VMDはディスプレイだけでなく、店舗全体のテーマ、色使い、照明、レイアウトなど、より広範な視覚的要素を含みます。
つまり、ディスプレイはVMDの実践的な手段であり、商品の効果的な見せ方を通じてVMDの理念を実現します。VMDが店舗全体の視覚戦略を形成するのに対し、ディスプレイはその戦略を具体的な商品配置として具現化する役割を担っています。

まとめ

アパレルショップにおけるディスプレイは、単なる商品の陳列にとどまらず、店舗の魅力を引き出し、購買意欲を高める重要な要素です。
ディスプレイの意味や基本事項、構成方法を理解することで、より効果的な店舗づくりが可能になります。特に、季節感の演出や動線の考慮、VMDとの違いを把握することで、ディスプレイは店舗のビジュアル戦略の中でその役割を全うします。
ディスプレイを駆使して、より魅力的で売上げを伸ばす店舗づくりを目指しましょう。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛けください。

監修:大昌工芸編集部

この記事は50年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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