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クローズドキッチンのすべて!
飲食店における厨房形態の違いと特徴を解説

飲食店の成功には美味しい料理だけでなく、コンセプトに合ったデザインや雰囲気づくりも大切です。その中で「クローズドキッチン」は、厨房と客席を区切り、調理やその他の作業をお客様から見えないようにする厨房形態です。この形態は高級感を演出したり、スタッフが作業に集中できる環境を整えたりと、特定の業態で大きな効果を発揮します。
本記事ではクローズドキッチンのメリットとデメリット、向いているお店について解説します。

クローズドキッチンとは?

クローズドキッチンとは、調理スペースが壁や仕切りで区切られ、客席から見えないように設計された厨房形態です。この構造により、調理スタッフは作業に集中しやすく、客席の雰囲気も損なわずに済みます。特に高級レストランや多品目のメニューを扱う店舗で採用されることが多く、お客様の快適さと店舗運営の効率向上に貢献します。

クローズドキッチンのメリット

このタイプの厨房にはいくつかのメリットがあります。ここではその利点と理由について解説します。

調理スタッフが作業に集中できる

クローズドキッチンの最大のメリットの一つは、集中しやすい環境を調理スタッフに提供できる点です。厨房が客席から隔離されているため、外部の視線や雑音を気にせず調理に集中できます。
飲食業界では料理のクオリティがお客様の満足度に直結しますので、スタッフが集中できる環境は結果的に料理の質を向上させることに寄与します。

厨房で発生する会話・作業音・匂いが客席へ届きにくい

次に、クローズドキッチンの特徴として、厨房で発生する会話や作業音、さらには匂いが客席に届きにくいことが挙げられます。開放的なキッチンは調理の様子が見えることが魅力となる一方で、音や匂いが客席に与える影響も少なくありません。クローズドキッチンはこれらの要素を遮断することで、食事の体験をより快適なものにします。
お客様は料理に集中でき、リラックスした雰囲気の中で食事を楽しめます。このような配慮はリピート客の獲得に大きく貢献することでしょう。

効率重視で厨房を設計できる

また、クローズドキッチンでは効率を最優先に厨房を設計できることも大きなメリットです。というのも、客席からの視線を気にする必要がないため、動線や機器の配置を純粋に作業効率の観点から最適化できるからです。例えば、大型の調理機器を自由に配置したり、作業スペースを最大限に確保したりすることが可能です。
こうした効率的な設計により、調理時間の短縮や品質の向上につながり、結果的にお客様の満足度アップにつながるのです。

客席についてもデザインの幅が広がる

最後に、クローズドキッチンを採用することで、客席のデザインの幅が広がるというメリットもあります。キッチンと客席が完全に分離されているため、それぞれの空間を独立してデザインできるからです。
たとえば、客席は落ち着いた雰囲気のインテリアにする一方で、キッチンは機能性を重視した設計にするといったことが可能です。
このように、飲食店全体のコンセプトに合わせて自由度の高い空間設計ができ、お客様に独自の雰囲気と体験を提供できるのです。

クローズドキッチンのデメリット

クローズドキッチンにはいくつかのデメリットも存在します。以下では主なデメリットとその理由について説明します。

衛生管理や整理整頓の意識が欠けやすい

クローズドキッチンの最大のデメリットの一つは、衛生管理や整理整頓の意識が欠けやすいことです。客席から見えない場所にあるため、スタッフが緊張感を失いやすいとされています。
調理器具の洗浄が不十分になったり、食材の保管状態が乱雑になったりする可能性があります。その結果、食中毒のリスクが高まったり、作業効率が低下したりする恐れがあります。
管理者は定期的な衛生チェックや清掃ルーティンの徹底など、意識的な取り組みが必要となるでしょう。

厨房から客席の状況がわかりづらい

次に、クローズドキッチンでは厨房から客席の状況がわかりづらいという問題があります。これは、料理の提供タイミングや顧客サービスの質に影響を与える可能性があります。
お客様の食事の進行状況や追加オーダーの有無を直接確認できないため、次の料理の提供タイミングを計るのが難しくなります。
そのため、ホールスタッフとの緊密な連携が不可欠となり、コミュニケーションの重要性が一層高まるのです。

客席から厨房の状況がわかりづらい

一方で、客席から厨房の状況がわかりづらいことも、クローズドキッチンの欠点の一つです。これにより、お客様が料理の調理過程や厨房の雰囲気を楽しむ機会が失われてしまいます。
オープンキッチンであれば、シェフの技や料理の出来上がっていく様子を目で見て楽しめますが、クローズドキッチンではそれが難しくなります。
結果として、コンセプト・業態によってお客様の食事体験が単調になってしまう可能性があるのです。

ホールスタッフとの連携が必須

最後に、クローズドキッチンではホールスタッフとの連携が必須になります。というのも、厨房と客席が完全に分離されているため、情報の共有や連携がスムーズに行われないとサービスの質が低下する恐れがあるからです。
例えば、料理の提供タイミングや特別なリクエストの伝達など、細かな情報のやり取りが欠かせません。このため、効果的なコミュニケーションシステムの構築や定期的なミーティングの実施など、チームワークを強化する取り組みが重要になってくるでしょう。

どのような飲食店がクローズドキッチンに合うか

飲食店の厨房は業態特性とコンセプトに合わせて設計する必要があります。クローズドキッチンは、特定の業態において特に有効とされています。以下にその理由と設計時のポイントを解説します。

客席の雰囲気を重視する店・・・高級店など

クローズドキッチンは高級レストランや料亭など、店内の雰囲気を大切にする店舗に適しています。
壁や仕切りによって厨房を隠すことで、調理の騒音や作業の様子がお客様に伝わらないため、静かで落ち着いた空間を維持できます。これは、食事自体を特別な体験として提供したい店舗にとって重要です。
お客様は視覚や聴覚を通じて、料理の味だけでなく雰囲気全体を楽しむため、このような店舗では静かで洗練された環境をつくり出すことが求められます。また、調理過程を見せないことで食事に対する期待感を持たせる効果もあります。
これにより、お客様にとっての特別な体験が強調され満足度の向上につながります。

メニュー数が多い店・・・ファミレスなど

クローズドキッチンはファミリーレストランや居酒屋のように、多くのメニューを提供するお店にも適しています。
これらの店舗には、多様なメニューに対応するために効率的な調理が求められます。クローズドキッチンは、調理スペースが外部から隔離されているため、効率重視のレイアウトを組みやすく、作業に集中できる環境が整います。
メニューの種類が多い店舗では、異なる調理工程が同時に進行することが多く、その際に作業音や会話が交錯しやすくなりますが、クローズドキッチンであればその音が客席に漏れにくいため、お客様への影響を抑えられます。
また、スタッフ間で効率的にコミュニケーションを取るためのレイアウトが可能になるため、厨房内の動線を最適化し、提供スピードを上げられます。

まとめ

クローズドキッチンは調理スタッフの集中力向上や客席の雰囲気維持など、多くのメリットがある一方で、衛生管理の課題やスタッフ間の連携の必要性といったデメリットも存在します。
高級レストランや料亭のような雰囲気重視の店舗から、ファミリーレストランや居酒屋のようなメニュー数の多い店舗まで、さまざまなタイプの飲食店でクローズドキッチンの採用が考えられます。
店舗のコンセプト、提供するサービス、経営・運営方針などを総合的に考慮し、メリットを最大限に生かしつつデメリットに適切に対処できる体制を整えることが、クローズドキッチン成功の鍵となるでしょう。各店舗の特性に合わせて、最適なキッチンスタイルを選択することが重要です。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛けください。

監修:大昌工芸編集部

この記事は50年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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