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ライトアップとイルミネーション、その違いを徹底解説!夜を彩る光の演出の真髄

夜の街を歩いていると、きらめく光の演出に目を奪われることがありますよね。「あれはライトアップ?それともイルミネーション?」と、ふと疑問に思ったことはないでしょうか。普段何気なく目にしている光の演出ですが、実はライトアップとイルミネーションには明確な違いがあります。
この記事では、ライトアップとイルミネーションの基本的な定義から、それぞれの特徴、具体的な事例、そして両者の違いをわかりやすく解説していきます。読み終える頃には、あなたも光の演出について深く理解し、夜の街を歩くのがもっと楽しくなるはずです。

ライトアップとイルミネーションの基本的な定義

まず、ライトアップとイルミネーションがそれぞれ何を指すのか、その基本的な定義から見ていきましょう。この定義を理解することが、両者の違いを明確にする第一歩となります。

ライトアップの定義

ライトアップとは、主に照明器具を使って建物やモニュメント、樹木といった特定の対象物を夜間に照らし出し、その美しさや存在感を際立たせる演出のことです。ここでのポイントは、「特定の対象物を照らす」という点にあります光そのものを見せるのではなく、光を当てることで対象物の形、質感、色、そして空間の奥行きを強調し、昼間とは異なる幻想的な表情や荘厳な雰囲気を創出します。
使用される照明器具は、通常、対象物から離れた位置に設置され、光を対象物に「投射」する形が一般的です。光の方向や角度、強さを精密にコントロールし、陰影をつけることで立体感を演出する、どちらかといえば芸術的・建築的な側面が強い照明演出と言えます。

イルミネーションの定義

一方、イルミネーションとは、小さな電飾(LEDなど)を無数に使い、空間全体や特定のエリアを光で装飾し、華やかさやきらめきを演出することです。ライトアップが「光で対象物を照らす」のに対し、イルミネーションは「光そのものを見せる」ことに主眼を置いています。無数の小さな光が織りなすきらめきが特徴で、主に季節のイベント、特にクリスマスシーズンに街を彩る光の祭典として広く知られています。
光の粒が空間全体に広がり、見る人を夢のような世界へと誘い込む装飾的・イベント的な側面が強い光の演出と言えます。

ライトアップとイルミネーションの特徴

定義が分かったところで、それぞれの光の演出が持つ具体的な特徴と、どのような種類があるのかを見ていきましょう。これを知ると、街で見かける光がどちらに分類されるのか、より明確に判別できるようになります。

ライトアップの特徴

ライトアップは、対象物の魅力を引き出し、非日常的な空間を創出する点で特徴的です。その主な特徴として、まず「対象物の強調」が挙げられます。光を当てることで、昼間には見えにくい細部の装飾や、時間帯によって異なる表情を浮かび上がらせます。
次に、「立体感と奥行きの表現」も重要な特徴です。光と影のコントラストを巧みに使うことで、平面的な壁面にも深みを与え、建造物の持つ力強さや繊細さをより際立たせることができます。
また、「落ち着いた雰囲気の演出」も特徴の一つです。過度な明るさや派手さを追求するのではなく、対象物本来の魅力を尊重した、落ち着いた、あるいは荘厳な雰囲気を醸し出すことが一般的です。

イルミネーションの特徴

イルミネーションは、光そのものを用いて空間全体を装飾し、華やかで祝祭的な雰囲気を創出する点で特徴的です。その主な特徴として、「光の集積による華やかさ」が挙げられます。無数の小さな電球が集合することで、光の洪水のような圧倒的な輝きを生み出します。
次に、「装飾性とデザイン性」も重要な特徴です。光の粒を使って様々な形や模様、キャラクターなどを描き出し、空間をアート作品のように装飾します。
また、「イベント性・季節性」も強く持ち合わせています。クリスマスやお祭り、テーマパークのイベントなど、特定の期間や目的のために設置されることが多く、見る人に高揚感や楽しさを提供します。

ライトアップとイルミネーションの具体例

実際の場面では、どのような演出がライトアップで、どのような演出がイルミネーションに分類されるのでしょうか。具体的な事例を見ていくことで、両者の違いがより明確になります。

ライトアップの事例

ライトアップの事例は、その対象物の存在感を際立たせることに重点が置かれています。
例えば、広島県に位置する原爆ドームのライトアップは、その代表的な例です。夜の闇の中に浮かび上がるドームは、建築物としての美しさだけでなく、平和への祈りや歴史の重みを静かに語りかけます。ここでは、光そのものが主役なのではなく、光を当てることでドームの骨格や遺構が持つ象徴的な意味合いを強調し、見る人に深い感銘を与えます。
他には、東京タワーやスカイツリーの夜間照明もライトアップの典型です。これらのタワーは、日中とは異なる色の光で照らされることで、その時々のメッセージ(例えば、医療従事者への感謝を示すブルーライトアップ)を表現したり、季節ごとのイベントを彩ったりします。塔の鉄骨の美しさや、空へと伸びるその姿を光で描き出し、ランドマークとしての存在感を際立たせているのです。
また、寺社仏閣や美術館、博物館といった歴史的建造物の夜間特別拝観や開館時に行われる照明演出もライトアップに該当します。これらの場合、建物の伝統的な建築様式や素材の風合いを尊重しつつ、陰影を巧みに利用して立体感を強調し、昼間とは違う神秘的で荘厳な雰囲気を醸し出します。
自然の景観においては、紅葉のライトアップもよく見られます。特定の木々や滝、渓谷などを下から照らし上げ、その鮮やかな色彩や水の流れを暗闇に浮かび上がらせることで、自然の美を強調し、幻想的な空間を作り出すのです。

イルミネーションの事例

一方、イルミネーションの事例は、光そのものが作り出す華やかさや、空間全体の装飾に重点が置かれています。
例えば、クリスマスシーズンに全国各地で開催される大規模なイルミネーションイベントは、まさにイルミネーションの代名詞と言えるでしょう。東京の丸の内や恵比寿ガーデンプレイス、大阪の御堂筋、札幌のホワイトイルミネーションなど、街路樹に無数のLED電球が巻きつけられたり、広場に光のトンネルやオブジェが設置されたりします。これらの演出は、特定の建物を照らすのではなく、光の粒が空間全体に広がり、きらめきと華やかさで街全体を祝祭的な雰囲気に包み込みます。
テーマパークの夜間パレードや冬の特別イベントもイルミネーションの代表的な例です。キャラクターやフロートが電飾で装飾され、光り輝きながら移動することで、おとぎ話のような夢の世界を創り出します。ここでは、一つ一つの電球の光が集まって、全体としての輝きや動きを表現し、見る人に高揚感や楽しさ、そして幻想的な体験を提供します。
家庭で飾られるクリスマスツリーの電飾も、小さな規模ながらイルミネーションの一種です。一つ一つの豆電球が光り輝き、ツリー全体を華やかに飾り立てます。商店街のアーケードに飾られた電飾や、ショッピングモール内の季節の装飾なども、空間全体を賑やかに彩る目的で行われるため、イルミネーションに分類されます。これらは、光そのものが装飾であり、きらめきを通じて楽しさや喜びを表現する演出と言えるでしょう。

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ライトアップとイルミネーションの違いまとめ

これまで見てきた定義や特徴、具体例を踏まえると、ライトアップとイルミネーションの違いは、その目的と表現方法に集約されます。どちらも光の演出ですが、それぞれが持つ魅力と効果は大きく異なります。

目的・活用シーンによる違い

ライトアップとイルミネーションの最も大きな違いは、その根本的な「目的」にあります。

ライトアップの主な目的は、対象物の美しさや存在感を「際立たせる」ことです。歴史的建造物やランドマーク、芸術作品、あるいは自然の景観といった、元々そこにある特定の対象物が持つ価値を、夜間でも視覚的に享受できるようにすることに重きを置きます。そのため、活用シーンとしては、観光振興のための歴史的建造物の常設照明、都市景観の形成、ブランドイメージを向上させる企業ビルの照明、あるいは防犯目的での公園や通路の照明などが挙げられます。見る人に落ち着きや荘厳さ、感動といった感情を呼び起こすことを目指し、比較的長期にわたって行われることが多いです。

一方、イルミネーションの主な目的は、空間全体を「装飾し、華やかさや楽しさを演出する」ことです。光そのものを素材として、見る人に喜びや祝祭感、夢のような体験を提供することを目指します。活用シーンとしては、クリスマスやバレンタイン、ハロウィンなどの季節限定イベント、テーマパークや遊園地の特別な演出、商店街や商業施設での集客イベントなどが代表的です。見る人に高揚感や楽しさ、きらめく世界への没入感を与えることに焦点を当て、多くの場合、期間限定で行われます。

簡単に言えば、ライトアップは「見せる対象物が主役で、光はその補助」であり、イルミネーションは「光そのものが主役で、空間を彩る装飾」である、と考えると分かりやすいでしょう。

デザイン・方法による違い

ライトアップとイルミネーションは、そのデザインのアプローチや用いられる手法にも明確な違いがあります。

ライトアップは、対象物の形状や質感を活かしたデザインが特徴です。光を当てる位置、角度、強さを精密に計算し、影とのコントラストを利用して立体感や奥行きを表現します。使用される照明器具は、通常、大光量のスポットライトや投光器などが対象物から少し離れた場所に設置され、直接光が目に入りにくいように工夫されることが一般的です。光の色も、対象物本来の色味を尊重した白色系や、特定のメッセージを伝える単色(例:ブルーライトアップ)が多く見られます。照明器具の数も、対象物の大きさに応じて必要な数に絞られ、無駄なく効果的に配置されます。

対してイルミネーションは、無数の小さな光の集合体によるデザインが特徴です。電球やLEDライトを多数使用し、それらを線状(ストリングライト)、面状(ネットライト)、あるいは立体的な造形(モチーフライト)に配置することで、空間全体にきらめきを広げます。照明器具は、樹木に巻きつけたり、建物に吊るしたり、地面に設置したりと、装飾として直接「見せる」形で配置されます。光の色も非常にカラフルで多様なものが用いられ、グラデーションや点滅パターンを組み合わせることで、動きのある華やかな演出を可能にします。光の密度や配置によって、賑やかさや幻想的な雰囲気を自由にコントロールできるのが、イルミネーションの大きな魅力です。

まとめ

これまでの解説で、ライトアップとイルミネーションが、夜の街を彩る光の演出でありながら、その目的、特徴、手法において明確な違いがあることがお分かりいただけたでしょう。
二つの違いを理解することで、今後あなたが夜の街を歩く際、見慣れた光の演出がこれまでとは違って見えてくるはずです。
光の演出は、私たちの心に様々な感情を呼び起こし、日常に彩りを与えてくれます。ライトアップとイルミネーション、それぞれの役割と魅力を知ることで、夜の街散策がもっと豊かで、発見に満ちたものになることでしょう。ぜひ、今日から夜の光の演出に注目して、その奥深さを楽しんでみてください。

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監修:大昌工芸編集部

この記事は60年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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