狭い10坪オフィスを快適に!レイアウト改善の工夫から本格リニューアルまで徹底紹介

10坪は約33㎡。社員が5人の場合、1人あたり約6.6㎡のスペースが使える計算です。
労働安全衛生法では、1人あたり10㎥以上の空間(天井高2.5mなら床面積約4㎡)が必要とされています。
これは最低基準であり、快適な広さとは言えません。
つまり、10坪オフィスは少し設計を間違えるだけで一気に窮屈になる、非常にシビアな空間なのです。
ですが、シビアであって不可能ではありません。
工夫次第で、「快適に働く環境」を実現することは十分可能です。
この記事では、10坪という限られた条件の中で、低予算でできるレイアウト改善の工夫から、本格的なリニューアルまでご紹介いたします。
目次 [目次を表示する ▼]
スペース最適化のための現状分析

狭いオフィスを改善する第一歩は、現状を正確に把握することです。
業務内容や人の動きを整理し、どこに無駄があるのか確認しましょう。
□使っていないデスクがある
□ホコリをかぶったOA機器がある
□書類でキャビネットがいっぱいになっている
□応接セットは月に数回しか使われていない
こうした状況であれば、移転せずとも改善できる余地があります。
まずは物理的に床面積を確保できないか、確認してみましょう。
常駐人数とデスクの数
オフィスの常駐スタッフ数に対して、デスクの数は適切でしょうか?
使用頻度が極端に低いデスクがないかを確認しましょう。
多いのが退職者のデスクがそのまま残っているケースです。
また、外回り中心の営業職が多いにもかかわらず、全員分の大きな事務机を確保していると、作業スペースが圧迫されてしまいます。
実際の出社状況を1週間~2週間、できれば1ヵ月ほど記録してみましょう。
ポイントは平均を出さないことです。
「今の業務内容に本当に合っているか」を基準に見直すことで、最適なワークスペースが分かります。
OA機器・オフィス家電の選定
働き方や環境の変化で、以下のような使われなくなった機器はありませんか?
□エアコンの普及で使わなくなった扇風機
□感染症対策で導入した空気清浄機やスタンド式の体温計
□デジタル化が進み台数過多になったシュレッダー
□使われていないコーヒーメーカー
□複合機導入後も残っている卓上プリンター
また、最新機器に比べると、古いものは大きく、設置や収納にスペースを多く必要とします。
1ヵ月以上使っていない物や、買い替えでスペースが空く物は原則不要と考え、整理してみましょう。
使っていない機器を放置しないことが、スペースの効率化には重要です。
収納スペースの確認と書類の処分
床や棚の上に置かれた書類は、狭さを感じさせる最大の原因です。
また、緊急時の避難や、個人情報保護の観点でも問題です。
収納が不足しているのか、書類の処分で対処できるのか確認しましょう。
まずはキャビネット内の書類を整理します。
法的に保管が義務付けられている書類を除いて、「処分するもの」「デジタル化するもの」「紙のまま残すもの」に分けます。
次に積まれた書類を同様に整理し、「紙のまま残すもの」だけを再収納します。
この段階でキャビネットに空きがあるなら、収納力に問題はありません。
あふれるようであれば収納を買い足すか、外部の倉庫に預けるといった工夫が必要です。
来客用家具の使用頻度
応接セットは来客対応に必要な設備ですが、スペースを大きく占有します。
月に何回来客があるか、滞在時間はどのくらいかを記録してみましょう。
もし月に1回~2回、30分程度しか利用されていないなら、大型の応接セットは過剰かもしれません。
使用頻度が低い場合は、コンパクトな応接セットに変更するか、会議室とエリアを兼用する「応接会議室」にすることでスペースの効率化を目指します。
視覚的にオフィスを広く見せるコツ

移転するほどではないが、もう少し広く感じられるようにしたい。
その場合、レイアウトや家具の工夫で視覚的な広さを演出できます。
やや専門的で、細かな数値に気を配る話になりますので、自社での検討が難しい場合は内装会社にご相談ください。
パーティションの撤去
パーティション(仕切り)はプライバシーを守る役割がある一方で、視線や照明を遮り、空間を狭く見せる原因にもなります。
思い切ってパーティションを撤去してみましょう。
オープンレイアウトにすることで視界が広がり、すっきりとした印象になります。
オープンレイアウトが落ち着かない場合は、ローパーティション(約120cm)の導入がおすすめです。
これは座って仕事に集中しているときは適度に視線を遮ることができ、立つと視界が開け、開放感がある高さです。
ある程度高さのあるパーティションを残したい場合は、半透明の物や、ブラインド状の物に変えることで、圧迫感の軽減につながります。
※天井まであるハイパーティションを撤去する際は、専門業者による工事が必要です。パーティション内部に電気が通っている可能性があるので、個人での解体は絶対におやめください。
動線を意識した模様替え
入口からコピー機、給湯室、トイレなど、頻繁に使う動線上には家具を置かず移動の妨げとならないようにしましょう。
通路幅はどんなに狭くても60cmは確保します。
安全性や利便性を考えるなら、80cm以上は設けたいところです。
これは人が1人やっと通れる広さで、メイン通路はその倍の120~160cm以上が望ましいとされています
また、席が背中合わせの場合、席と席の距離は150cm以上開ける必要があります。
これより狭いと椅子同士がぶつかる・動線がふさがれるといった問題が起きるので注意が必要です。
家具の高さとサイズ感を変える
部屋を少しでも広く見せたいなら、高さ120cm程度の背の低い家具を選ぶことで、視界が広がり、圧迫感が軽減されます。
同時に、家具のサイズも適切か確認しましょう。
デジタル化が進んだ結果、コンパクトな家具でも事足りるようになりました。
最近では省スペース設計の家具も充実しており、機能性を損なわずにサイズダウンすることが可能です。
ただし、すべてのデスクを小さくするのではなく、あくまでも業務内容に合わせた適切なサイズを選ぶことが大切です。
【要注意】移転を検討すべき状況

ここまでの改善策を行ってもまだ狭いと感じる場合は、移転を検討すべきタイミングかもしれません。
記事の冒頭で述べたとおり、労働安全衛生法により、社員1人あたりに必要な空間が法律で定められています。
さらに消防法や建築基準法により、幅80cm以上の避難経路の確保も義務付けられています。
これらを満たせない場合、行政指導や罰則の対象となりますので、今すぐ移転の準備を始めてください。
また、法規を満たしていても、手狭なオフィスは集中力の低下や、ストレス増加、疲れやすくなるといったデメリットがあります。
従業員の心理的負担を減らすためにも、早めの移転をおすすめいたします。
リニューアル工事を行う

社内での改善が難しい、工夫だけではどうにもならない。
そう感じたらリニューアル工事を検討するタイミングです。
初期投資は必要ですが、作業効率の向上や従業員満足度アップに期待できます。
長期的に見れば生産性向上や離職率の低下につながり、十分に投資価値があると言えるでしょう。
床・壁・天井を新しくする
経年劣化で全体的に色がくすんだオフィスや、ダークカラーを多用した内装は部屋を暗く・狭く見せる要因になっています。
リニューアルする際は、白やアイボリーなどの明るい色を選びましょう。
明るい色は「膨張色」と言い、部屋全体を広く見せる効果があります。
同時に、配線の見直しも行いましょう。例えば床をOAフロア(二重構造)にすることで、ケーブル類を隠し、すっきり広々としたオフィスになります。
照明を変える
部屋が暗い・影が多いオフィスは狭苦しい雰囲気になりがちです。
特に蛍光灯は経年劣化や気温の影響で薄暗くなりやすいので、LED照明への変更をおすすめします。
また、間接照明を取り入れるのも効果的です。
影は部屋の角にできやすいので、間接照明で壁や天井に光を当てることで影を飛ばし、空間全体を明るく見せることが可能です。
しかし、間接照明だけでは「明るさが足りない」という事態に陥りやすいので、他の照明と組み合わせて、作業に適した明るさを確保する必要があります。
※蛍光灯は2027年末までに製造・輸出入が全面禁止されます。詳しくはこちらの資料をご覧ください。
オフィスレイアウトを設計してもらう
プロのオフィスデザイナーに依頼することで、限られたスペースを最大限に活用した、機能的で快適なオフィスを実現できます。
オフィスレイアウトとは、単に見た目を整えるだけではありません。
「動線」「音・視線」「業務内容」「将来的な増員の可能性」まで踏まえた、機能をデザインし、内装に落とし込むプロフェッショナルなのです。
プロに頼むと高いと思われがちですが、「法律」や「配線」など見落としがちな点も設計段階から考慮して進めてくれるため、「やり直し」にかかる費用はまず発生しません。
結果的に、自社で進めるよりも無駄な出費や手戻りを防ぎ、コスト削減につながります。
まとめ
10坪程度の狭いオフィスでも、工夫次第で快適な職場にすることは可能です。
以下、改善の方法を大まかにまとめてみました。
①現状を把握する:人数・デスク・収納・機器の状況を確認する
②小さな工夫から始める:家具の配置や高さ、整理整頓で空間を広く見せる
③必要に応じて本格改善:プロに依頼し、リニューアル工事を行う
まずは、今のオフィスでできることを確認し、少しずつ実践してみましょう。
デッドスペースの有効活用や、動線の最適化など、社内だけでは改善が難しいな、と思った際は、ぜひお気軽にご相談ください。
◆◇◆
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