ウィズコロナを契機とする物産展の変化とその対応

感染防止のための行動制限が長期化する中、消費者の行動は「必要なものを」「適切な価格で」「接触を避けて」と意識は大きく変容しています。
ECサイト（電子商取引）など非接触でのショッピング需要が高まる一方で、デジタルには替えられないリアル(対面販売)の価値が再認識されています。
場所・空間を共有し、また触覚・嗅覚等も含む五感全体を使う直接の体験は、より大きな満足や感動をもたらします。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　また、対面で購入・体験する機会が限られるからこそ、リアルでの消費の価値が強く認識されるようにもなっています。そのような需要に応えるため物産展などの集客イベントはどのように変化していく必要があるのでしょうか。

1.会場の物理的変化

かつては「人混みは広告」と言われた時代、物産展と聞いて通路を埋め尽くす人でごった返す会場をイメージされる方も多いのではないでしょうか。
いわゆる「密」を売りとしていたともいえる物産展は、中止や延期、規模の縮小を余儀なくされましたが、その間にさまざまな工夫で変化しようとしています。
入場時の検温、消毒液の設置は当然ですが、

①入場人数を制限した上で通路幅を拡張し、密になることを避ける。
②大声での呼び込みはしない。
③試食販売は行わない。
④1会場だけでなく複数会場で分散開催する。

といった対策を取っています。

2.変化によるデメリットとその効果

上述した変化を見ると、物産展の魅力の部分がほとんど削がれてしまったようにも思ってしまいます。賑わいの部分では少し寂しい気もしますが、その変化がもたらす効果も期待できます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　通路幅を拡張することで従来よりブース数が減少してしまうことは必至です。ただ、これによって出展者は厳選されることとなり、消費者はより質の高いサービスを受けられることが考えられます。また、非接触の意識の高まりから消費者の店舗滞留時間が減少する中、いかに商品を魅力的に見せるかが問われます。
アクリル製のブースなどで感染対策を徹底した上で、実演販売を増やすことも有効な対策と言えます。視覚・嗅覚に訴え、オンラインでは得られない満足感を得ることができます。

3.多様化する物産展

物産展といえば、百貨店などの大規模商業施設の催事というのが従来のイメージでしたが、消費者の意識変化と同時に出店者側にも変化が見られます。
コロナ禍で企業が新たに始めた新業態の小売店や、個人のアーティストなど、新たに販路を探る小規模出店者の受け入れ物産展も多く、オンライン販売への誘導の意味合いが強くなっています。また換気が重要視される中、開催会場も商店街の一角や駅など公共施設の物産展会場のような、オープンエアでの実施が増加しています。

4.今後求められる物産展とは

SNSも今や大きな集客ツールとなり、いわゆる「映え」といったビジュアル重視のニーズにも応えていく必要性が高まります。
什器もその一つで、従来の物産展で使用される無機質なものだけではなく、木製のワゴンやテーブル、布の風合いを生かしたマルシェテントなど、個々の細かなニーズに合った製品を提案することが、出店者、消費者の満足度に繋がることと考えます。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　感染状況の増減により、人々の意識も日々変化するウィズコロナの生活は今後永遠に続くのかもしれません。
そんな中でも人々は人との繋がりやオンラインではなくリアル体験を求め、その時勢下で可能な物産展が実施されます。
私どもは、多数の物産展開催ノウハウを持つ業者として、多様化するお客様のニーズにお応えし、慎重な配慮が求められている場で　開催をサポートしてまいります。