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居抜き物件の残置物、処分する物と残す物の判断基準の決め方

居抜き物件を借りたら、次は店舗の内装設計を行います。
その際、内装施工会社が必ず確認するのが、造作や設備などの残置物の扱いです。

残すのか、使うのか、はたまた作り替えるのか、施主はそれらすべてを決めなくてはなりません。

では、その基準はどこに置けばいいのでしょうか?

業種や業態によって細かな違いはありますが、大切なのは「自分の店に必要かどうか」その1点です。

この記事では居抜き物件の残置物をどうするか、その判断基準の定め方・思考プロセスについて解説いたします。

残置物の所有者を確認する

まず初めに、残置物の所有者を正確に洗い出しておきましょう。

基本的な話にはなりますが、所有権がご自身にある物のみ、自由に工事や処分が可能です。

所有権が他者にある物を勝手に処分してしまうと、契約解除や損害賠償請求に発展することがありますので、最初に必ず確認しておくべき部分です。

物件オーナー所有部分の確認

まずは、物件オーナーが所有している部分を明確にしましょう。

建物の構造に関わる付帯設備や過去テナントから貰い受けた造作をオーナーが所有しているケースです。

給湯器やエアコンなどの設備は、故障した際に「誰が責任を取るか」で揉めやすいので、「契約書に書いてあるから」と安心せず、早めに認識のすり合わせを行うことをおすすめします。

また、オーナー所有部分でも、テナント側が費用負担を申し出ることである程度希望通りの改装を行うことが可能です。

前テナントから引き継いだ物

前テナントの所有物を引き継ぎ、現テナントが所有者となるケースです。

造作譲渡料に含まれるのは内装、空調設備、厨房設備、照明、水回りなどの有形資産部分が主ですが、置き家具や備品を含むこともあります。

所有権がご自身にあるため、好きに処分や改装を行うことができます。

B工事で取り付けた設備などを前テナントが所有者を誤認しているケースがありますので、特に設備部分は再確認を行ってください。

リース会社が所有している

稀に、リース品が残置物に混ざっていることがあります。

本体のリース料金は無料で月々の使用料のみ支払っているケースで多く、リースしている感覚がないため、借りていることを忘れてしまうのです。

リース品の所有権はリース会社にあり、無断で利用・処分することができません。

工事中にリース品であることが発覚した場合、施工会社はトラブルを避けるため工事を中断することがあります。

「オープン日に間に合わない」「余計な費用がかかった」といった事態に陥らないためにも、管理用のバーコードなどが貼られていないか、もう一度確認しておきましょう。

残置物どう扱う?|思考プロセス

所有者の確認が済んだら、それらが「自分の店で使えるか」を判断して行きます。

残置物を多く使える方が節約できますが、そもそも居抜き物件は、何らかの理由で経営が立ち行かなくなった店です。

自分の店に合わないものや、前の店の失敗点まで引き継がないよう、必要なものだけ残すようにしましょう。

前の店のコンセプトを整理する

まずは、前のテナントがどのような経営をしていたのかを整理しましょう。

内装はコンセプトの集大成です。
「営業時間」「回転率」「客単価」「営業スタイル」などを加味した設計がされており、内装を見ればどのような営業をしていたかがある程度分かります。

同時に、前のテナントが失敗した理由も見えてきます。

例えば飲食店の場合、厨房を大きく取り過ぎて席数が少ないということがあります。

席数が少ない店は売上が頭打ちになりやすく、回転率か客単価が飛びぬけて高い業態以外は、すぐに経営困難に陥ります。

このまま経営してもうまく行かないと感じたら、居抜きのメリットは薄くなりますが、大幅な改装も視野にいれましょう。

自分の店のコンセプトと照らし合わせる

前のテナントのコンセプト設計が分かったら自分の店のコンセプトと比較し、一致する物は残し、外れる物は処分します。

……と、言葉で説明してもよく分からないと思うので、少しイメージしてみてください。

古いラーメン屋の居抜きに、新しくラーメン屋が入ります。

厨房設備はそのまま使えます。しかし客席に問題がありました。

この店はカウンター席と座敷のみで、以前の客層は家族連れなどのグループ客が多かったようです。

現テナントでは12人の少人数利用を中心とした、回転率を重視した店舗にしたいと考えています。

お客様も店員も都度靴を脱がねばならない座敷は、回転率を下げてしまいます。

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そのため座敷は解体し、カウンター席を増やすか、小さなテーブル席を設けることにしました。

このように、同じ業態であってもコンセプトによって必要な造作や家具は異なります。

これが新品や美品だとすごくもったいなく見えますが、そのまま残すと店の印象がチグハグしてしまいますので、覚悟を決めて処分しましょう。

不要な物を処分する

実際に処分を行うのは図面完成前後まで待ってください。

なぜ事前に処分してはいけないかと言うと、プロの目で見ればまだ活用できる可能性があるためです。

・実は使い道がある
・入手困難で処分しない方がいい
・材料を一部流用できる

逆に、残す予定だったが検査した結果使えなかったということもあります。

捨てるにせよ売るにせよ、処分には手間がかかります。

内装施工会社と話し合いを重ね、絶対に使わないと確証を得てから動く方が後悔も手間も少なく済むのです。

残す物の扱い

まだ使えるからと、残置物をそのまま使うのはあまりお勧めしません。

「居抜き物件」というとどれだけ残置物を使えるかに焦点をおきがちですが、忘れてはいけないのが今作っているのは「新しい店」だということです。

「新店オープン!」と聞いて行った店に使用感や古さがあると、なんとなくガッカリしてしまうのがお客様心理というものです。

お店の印象を良くするためにも、最低限お客様の目に触れる部分はリフォームを行い、新店らしさを演出しましょう。

設備のスペック確認

基本的に、その居抜き物件で希望する営業が行えるかどうかは、借主自身が「契約前」に調査すべきことです。

借りてから使えないと分かっても、貸した側によほどの瑕疵が無い限りは自己責任で終わってしまいます。

すでに契約済みの場合は早めに内装施工会社に相談し、現地調査を行ってください。

電気容量

同時使用する機器の消費電力量が、現状の電気容量を超えていないか確認しましょう。

前テナントが同業であったとしても、機器の追加・大型化・最新化によって電気容量が不足することがあります。

また、建物全体の容量が足りていない場合は物件オーナーと相談のうえ、増設工事を行う必要があります。

建物に関する部分ですが利益を享受するのはテナント側であるため、費用の負担割合はテナント側が多め、もしくはB工事として10割負担を求められます。

給排水能力

飲食店の厨房やスポーツジムのシャワーなど、給排水能力が足りないと営業やサービスに支障を来します。

水を流すための勾配や、水道管を通すためのスペースが確保できない場合は施工ができません。

床を上げるなど改善方法はありますが、今度は建築基準法や消防法に抵触し、別途工事費用の発生や、そもそも施工を断られてしまいます。

このなると、営業規模を縮小するか、その物件での営業を諦めるしかありません。

こういった事態にならないためにも、水を使う業種では真っ先に給排水能力の確認を行いましょう。

設備の未使用期間

設備が古すぎた、現行の法律上使えなかったというケースについてはご存知の方も多いのですが、見落としがちなのが「未使用期間の長さ」です。

設備は使い続けることで品質を維持している側面があります。

そのため空白期間が長いテナントでは、新品同然の設備であっても劣化が進み、修繕や買い替えが必要なことがあります。

見た目に騙されず、おかしなところはないか、実営業に耐えられるかどうか、動作確認を行っておきましょう。

まとめ

情報量が増えてしまいましたので、最後に、残置物の判断を行うためのフェーズを簡単にまとめます。

1】所有者の確認をする
2】前テナントのコンセプトを整理する
3】現テナントのコンセプトと比較する
4】処分するか残すかをあらかた決めておく
5】施工会社に相談する

設備の確認は物件の契約前、もしくは【5】の段階を想定しています。

居抜き物件の残置物を上手に生かすためには、まずはどういうお客様に来て欲しいのか、どういうお店にしたいのか、そのイメージを明確にしましょう。

「コスト削減のために残す」のではなく、「自分の店のコンセプトに会うかどうか」で判断すれば、必要な物を選び取れるはずです。

残すべきか処分すべきか迷うこともありますが、その際はぜひ、内装施工会社にご相談ください。

蓄積されたノウハウを元に、あなたのお店に合う内装をご提案いたします。

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監修:大昌工芸編集部

この記事は60年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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