機能と価格のバランス：店舗責任者のための内装材選び

新しい素材の誕生や技術革新は、内装の世界でも例外ではありません。かつては仕方なく代替として使われる建築素材もありましたが、いまではプロでも本物の木材や石材とすぐには見分けがつかない新しい建築・内装材料や魅力的な商品が多く誕生しています。単に金額を抑えられることのみならず、
①天然の建築・内装素材よりも安全で耐久性もよい
②誰でも簡単に施工できる
③工事期間の短縮につながる
といった、メリットの大きいものへと進化しています。今後、店舗に限らず内装を検討するための基本的な知識を紹介していきたいと思います。

1.コスト優先での建築・内装素材選び

我々が住居や店舗なので日常的に触れている家具や建具などには、あたかも本物の木材や石材のように見えて実はそうではない建築材料が多く使用されています。その代表的な材料が「メラミン化粧板」です。簡単に説明すれば、木材などの絵柄がプリントされた樹脂素材です。メリットは傷や衝撃に強く、熱や湿気などの耐久性も高い点です。さらに光の反射や木目の凹凸にも考慮が図られ、本物の素材感を限りなく再現したものへ年々進化を遂げています。合わせて「ポリエステル化粧板」という建築・内装素材もあり、メラミンより性質は落ちますが、コストを大きく抑えることができるので検討してみるのも良いと思われます。また「突き板（練付け合板）」と呼ばれる本物の木材をミリ単位で薄く削り、下地となる板に貼り付けた材料もあり、上質な空間づくりでよく使用されている素材です。

2.機能面優先での建築・内装素材選び

天然大理石の代替品として開発された「人工大理石」や「人造大理石」と呼ばれる建築素材があります。「人工大理石」はアクリル樹脂やポリエステル樹脂を主成分として形成。「人造大理石」は樹脂に水晶などの天然石の結晶を混合し、圧縮、研磨し作られています。特に「クオーツ系人造大理石」と呼ばれる素材は、耐衝撃性や曲げ強度、耐化学薬品性などの性能でいずれも天然大理石より優れた特徴を持っています。これらの代替大理石は、家庭のキッチンやホテルの洗面台、飲食店のカウンタートップなどで用途に応じて広く使用されており、コスト面でも天然のものより費用を抑えることも可能です。
建築物・内装は毎日接し、かつ傷んでもそう簡単に取り換える訳にいきません。そのため、建築や内装の素材選びにおいては機能面も重視して選んでみてもいいかもしれません。

3.店舗イメージを実現する建築・内装素材選びにおけるステップ

店舗の建築素材、内装素材を検討する際は下記のような流れで検討していくことになります。どんな建築素材にも使用に適した場所や特徴、耐久性等の問題があります。しかも一度その建築素材で施工が進んでしまった場合、取り返しがつかない場合もあります。デザインや価格だけで即決するのではなく、どこに何を配するかなどをしっかり検討した上で決定しましょう。

【検討のステップ】一例
耐水性・耐熱性など機能面を検討・想定
↓
設計上の必要条件と建材の性能を照らし合わせる
↓
費用面をさらに精査
↓
選定

4.実際に触れてみる（サンプル・カタログ請求・ショールーム見学について）

多くの建材メーカーは自社HPで無料のサンプルやカタログの請求を受け付けているので、興味があれば建築素材を取り寄せしてみることをおすすめします。また東京・大阪など中心に各メーカーはショールームを設けていることも多いです。実際の建築・内装素材に触れることができるほか、担当者から素材について説明を受けることもできるので、訪問することもおすすめします。弊社へお問い合わせいただければ、弊社経由で各建築素材サンプルの請求や選定、疑問・質問にも対応できるので、気軽にお問い合わせください。

5.まとめ

如何でしたでしょうか。
建築や内装に使用される素材は既に様々あり、さらに日々メーカーの研鑽で新たな特徴をもった建築素材が発売されるなど、日々進化を遂げております。
店舗の外観や耐久性、内装の雰囲気はどの建築・内装素材を使うかによって大きく変わります。あとになって後悔しない為にも、可能な限りしっかり各建築素材を調べて、その素材を使いたい場所に本当に適しているのか、じっくり検討してみてください。
とはいえ、ご自身で調べるのは大変ですし、見落としや気づかない点も多々あるかと思われます。「ここにこんなイメージのものを使いたい」「ここにはどの素材が最適なの？」といったご質問でも、我々大昌工芸にお気軽にご質問ください。あなたのイメージにぴったりの最適な建築・内装素材をご提案させて頂きます。