店舗改装・リニューアル工事で売上UPに繋がるポイントを解説!
店舗を長く運営していると必ず問題になるのが店舗の老朽化です。内装では棚やショーウインドウ、机や椅子などの什器、床・壁、厨房などのあらゆる箇所で、外装では日光による退色やひび割れがなどの老朽化が目立ってきます。
上記のような劣化が進んだ場合、一部であれば自身での修繕も可能でしょうが、大規模なものになるとどうしても「改装」「リニューアル」による大幅な修繕が必要になります。
お店はきれいにしたいけれど、かかる費用や何に気を付ければいいのか等悩みどころが多いのが実状ではないでしょうか。この記事では店舗の改装・リニューアル工事を考えている方に向けて、失敗しないために押さえておくべきポイントについて解説しています。
1.店舗改装・リニューアルの効果
店舗改装・リニューアルと言えば、多額の費用が掛かることやその間の営業が止まってしまうことなどデメリットが多い様に思えますが、実はそれ相応にメリットが多いことはご存じでしょうか?
老朽化のタイミングで漠然と補修やメンテンナンスを進めてしまう前に、一度現況問題を把握してそれに合わせた解決策(サービス・メニューを含む)を検討してみるといいでしょう。店舗改装・リニューアルがもたらす効果を理解して、意味のある計画を立てていきましょう。
お店の雰囲気を刷新できる
店舗の雰囲気を作り出している内装や外装、什器などの特に目立つ部分を変更することで、雰囲気をアップデートすることができます。色や素材、形状や配置などを新しくしたり、別の種類に変えたりして空間を再構成していきます。空間を再構成することで、商品やサービス自体が持つ魅力を更に伝えやすくすることができます。お客様のニーズに合致した改装・リニューアルであれば、既存顧客・新規顧客共に満足度を高めることができるでしょう。
従業員の作業効率を向上させる
店舗改装・リニューアルはそこで働く従業員に対してもプラスの効果をもたらします。主には動線の修正と機械・設備類の更新が該当します。開業して数年、店舗内のあらゆる作業が洗練されてきたタイミングではありますが、同時に業務全体の課題が明確になっているタイミングでもあるはずです。従業員の働きやすさを突き詰めることは、提供サービスの質にも影響しますので、結果的にお客様の満足度を高めることができます。
売上の改善に貢献する
店舗改装・リニューアルの最大の効果は売上の改善に繋がることです。物件自体を目立たせて集客力を改善したり、居心地をよくして滞在時間を改善したり、店舗が持つポテンシャルを更に押し上げることができます。もちろん、それは上記の効果が最大限発揮された場合に期待できるものですので、ただ実施したからと得られるものではありません。しかし、改装・リニューアル自体を訴求することは、状況に変化をもたらすという点では良いキッカケとなります。
2.店舗改装・リニューアルの費用目安
既存店舗となりますと、その費用はお店の状態と改装・リニューアルの内容次第となります。つまり、ここで費用目安を把握したからと言っても、一概にその金額で事足りるとはなりません。まずは自店舗の改装・リニューアルにあたり、最低限どの範囲に手を加えるのかを把握しておくとよいでしょう。
アパレルや雑貨屋などの物販業
アパレルショップや雑貨屋などの物販業における改装・リニューアルは、給排水工事やガス工事がないため他業種に比べ安い傾向にあります。主に内装や外装費、家具・什器類の比重が多くなります。
一般的な費用相場は坪単価15万円~30万円程になります。但し、照明や空調などの設備工事も実施したり、仕上げ材や什器等をグレードアップしたりすると坪単価は増加します。
カフェや居酒屋などの飲食業
一言で飲食業と言っても、軽食の提供が主体のカフェと、しっかり飲食物を提供するレストランとでは費用が異なってきます。これは、厨房機器や給排水設備、排煙設備等のボリュームに差があるからです。つまり、機械・設備の比重が多い店舗は費用が高額になる傾向にあるということです。
仕上げ材や家具などの刷新のみに留めるのであれば、坪単価15万円~30万円程が一般的な相場となります。これに機械・設備類が加わると、坪単価30万円~60万円程になります。
美容院やエステサロンなどのサービス業
美容・サロンなどのサービス業は、基本機能として衛生関連の設備の比重が大きい傾向にあります。加えて、居心地のよさを提供するにあたり仕上げ材にこだわる傾向にあるため、費用相場は坪単価20万円~50万円程になります。一般的に物販店以上、飲食店以下の費用感となっています。
3.店舗改装・リニューアルが発生する4つのケース
店舗改装・リフォームを実施するケースは主に4つあります。
まず、老朽化に伴う修繕・メンテナンスのタイミングで部分的または全面的に実施するケース。こちらは開業した時にある程度予測することが可能ですので、事前に予算の準備がしやすいです。次に、突発的な問題に対して実施するケース。こちらは新型コロナ感染症への対策など事前に予測することが難しいです。そして最後に売上低迷の改善策として実施するケースです。こちらは、日々の営業の中で実施の有無を判断することになります。
老朽化に伴い部分的に実施するケース
店舗運営において外装・内装や機械・設備類の老朽化は必ず発生します。つまり、修繕等の改装工事は定期的に行う必要があります。
特にお客様が見たり触れたりする部分(床壁天井、テーブルや椅子、ソファーなど)は老朽化が目立ちます。定期的に改装工事を行うことで、快適さ・清潔さを提供することに繋がります。また、空調設備に関しても、お客様が快適に過ごせるように定期的なメンテナンスが必須です。機械・設備が整うことで、従業員の作業効率が良くなり生産性を上げることができますし、昨今見直されているES(従業員満足度)向上にも寄与します。
修繕及びメンテナンスで必要な項目の洗い出しを行い、項目に沿って、定期的に確認することで、お客様・働き手にとってよりよい快適空間となるでしょう。
老朽化に伴い全面的に実施するケース
出店から数年が経ち、お客様に今後も継続して利用して頂く為には、全面的な改装工事は1つの手段なります。
もし全面的にリニューアルするのであれば、併せて新しい商品やメニュー・サービスを打ち出し、より意味のあるリニューアルにするとお客様を飽きさせない取り組みにも繋がります。
全面リニューアルにおいて注意が必要となるのが、自社のブランドコンセプトに合わせて設計することです。これまでお客様に選ばれていた要因(自社のブランドコンセプト)をしっかり踏まえ、コンセプトを進化させる位置づけとして改装工事をすることで、売上に繋がる可能性が高まります。
突発的な問題に対して実施するケース
店舗でどの様な対策を打つべきか検討が必要です。※1
定番になりつつ飲食店のテイクアウトですが、ファサードにテイクアウトをアピールする為のサインや小窓を設けてみ
るのも効果的でしょう。またお一人様需要に併せて、お一人様席の補充や、お一人様メニューを加えるのも良いでしょ
うか。※2
改装工事は現状を把握することがとても重要です。上記に挙げたような出口感から改装工事を検討するのではなく、現状把握から始め、改装工事のメリットを最大源引出しましょう。そして問題点をひとつひとつ改善することでお客様と従業員共にメリットのある改装工事となるように進めることが大切です。
※1:現在常識となっている消毒や飛散防止フィルム対策については割愛します。
※2:新型コロナウィルスに関する補助金・助成金等は各都道府県別で発表されておりますので、所属先の都道府県毎にお問合せください。
売上低迷の対策として実施するケース
売上が伸び悩んでいる場合は、原因がどこにあるか(お店のコンセプトやメニュー、商品なのか、それもと表装的内外
装なのか)分析が必要です。
コンセプトやメニュー・商品の刷新する場合は、変更した内容をチラシ、広告、SNSなどを活用して情報配信すると効
果的でしょう。またお店の表装(内外装や看板サイン)を改装して、リニューアルしたことを大体的にお客様に訴える
と更に効果を発揮できるでしょう。
企業及び個人事業者において、売上以上に重要となるのは利益です。売上アップに向けた改装工事を検討している場合、働き手の生産性向上に向けた動線計画の見直しが必要かもしれません。様々な問題を洗出した上で改装工事を実施することが大切になります。
4.改装・リニューアルを進める際に気を付けるべきポイント
冒頭に記載した通り、漠然としたまま工事を進めると、単なる修繕・メンテナンスに終わってしまいます。仮に目的が修繕・メンテナンスであっても、無駄な出費と工事を増やさないために計画は必要です。
また、ありがちなのがお客様の視点ばかり検討されてそこで働く従業員・スタッフのことが考えられていないことです。大前提として、お客様と従業員の両者の視点を念頭に置きながら、内容を検討していきましょう。
実際の事例については、『地域に喜ばれる売り場づくりへ(https://tenpo.taishokougei.co.jp/works/detail24/)』のページでもご紹介しています。
現況問題を把握すること
何のための改装・リニューアルなのか。優先順位やどこに力を入れるべきか。これらを決定するには店舗の現況問題を事前に洗い出すことが重要です。売上が好調であれば、わざわざ営業を停止してまで実施する必要はありません。タイミングを見誤ると却って客足が遠のいてしまうなんてことも起こり得るのです。
老朽化への対策か売り上げ低迷への対策なのか、目的次第でかかる費用も・期間も大きく異なることを頭に、最低限達成しなければいけない目的を設定しましょう。
予算を明確にすること
かかる費用は基本的に高額です。上記の現況問題と目的が明確でないとあれもこれもと費用はかさんでいきます。予算がある程度決まっていれば優先順位も付けやすくなりますので、上限は必ず設定するようにしましょう。設計や施工を請け負う専門会社としても、予算の上限が決まっていた方が見積もり書やデザインは具体的かつ現実的になります。
また、実施後に費用を回収可能か等も含めて、予算案の検討は特に慎重に行わなければなりません。
コンセプトを明確にすること
改めて店舗のコンセプトを検討することも忘れてはなりません。開業して数年、自店舗だけでなく商圏の競合店の状況も変化している可能性が高いです。数年の営業を経てターゲット層や提供する商品・サービス、金額やその他の要素など課題も明確なはずです。工事をキッカケとすることで、上記の刷新部分を魅力的に演出しやすくなりますので、改めて付加価値を訴求するよいタイミングと言えるでしょう。
目的に合致する業者を選ぶこと
効果を最大にするには、店舗側の計画は言わずもがな協力業者選びが非常に重要です。現況問題や目的の共有にはじまり、予算とコンセプトに合わせて適切な提案をしてくれる業者を探す必要があります。担当者個人の対応の良し悪しと合わせて、会社として改装案件の実績がどれだけあるのかも必ずチェックして依頼しましょう。
5.まとめ
店舗の改装・リニューアル工事は一度営業及び運営した経験を活かし、『現状よりも良くする』を実現できる点が最大のメリットです。そのためには、まず現状を把握することがとても重要です。そして問題点をひとつひとつ改善し、お客様と従業員共にメリットのある工事となるように進めることが成功への近道です。
当社では、お客様の課題抽出や見積作成からご支援を行っておりますので、何から手を付けて良いか分からない場合には、是非ご相談ください。
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