オンラインとオフラインが融合する!店舗デザインの新潮流
新店や改装のオープン時にはチラシを配ったりWebサイトで告知したりするかと思いますが、お客様が見てくれるのか、来てくれるのか心配になることはありませんか?そのような“目に見えない心配”を解消するには、“目に見える安心”を作り出すものを用意するのが一番です。
昔からある“目に見える安心”を作り出すものとしては、店舗の内装・外装や看板関係、紙媒体の代表である交通広告やチラシなどの告知方法が有名です。そして現代ではインターネットの活用が主流となりつつあります。
これら“温故知新”の方法を使った集客とは具体的にどのようなものか、何をすればいいのか。今回はそんなお悩みを持つ方に向けて、オンラインとオフラインの融合=OMOによる集客を解説します。この記事がオンラインやオフラインを問わず、店舗集客で何ができるかを考えるキッカケとなれば幸いです。
目次
1.OMOとは「チャネルの垣根をなくし顧客体験の最大化を目指す」考え方
はじめに言葉の説明となりますが、OMOとは「Online Merges with Offline」という英語の略称であり、日本語に訳すと「オンラインとオフラインの融合」となります。
ここでいう「オンライン」「オフライン」とは企業が有するチャネルのことを指しています。「オンライン」にはモバイルアプリやECサイトなどインターネットで繋がったチャネルが含まれ、「オフライン」にはリアル店舗やカタログなど直接の接触を起点とするチャネルが含まれます。OMOとはそのようなオンライン・オフラインチャネルの垣根をなくし、顧客体験の最大化を目指そうとするマーケティングの考え方です。顧客視点で新たな顧客体験を重視している点が最大の特徴でもあります。
因みにOMOの提唱者は元Google Chinaトップの『李開復(リ・カイフ)』であり、2017年に経済誌で発表したことを発端に、OMOは世界中で注目されるようになりました。この記事をご覧の方はご存じかと思いますが、OMO先進国である中国はEC市場規模、EC化率共に世界トップのため、早い段階でオンラインとオフラインを融合する必要性があったのでしょう。
2.OMO注目の背景とメリット
BtoC-EC市場規模とEC化率の変化
今やモバイルデバイスを用いたECサイトでのショッピングは当たり前となっています。経済産業省の令和3年のデータによると、BtoC-EC市場規模は年々拡大傾向にあり、EC化率も増加傾向にあるとされています。特に物販系分野においてはその傾向が顕著に表れており、外出機会が回復する今後は更に成長する見込みです。
また、スマートフォン経由の物販のBtoC-EC市場規模も拡大しており、2021年の時点でスマホ比率が52.2%に達しました。スマートフォンや電子マネーの普及に加え、Wi-Fiの整備やアプリ開発が進んだことがその要因とされています。
新型コロナウイルス流行による外出自粛の影響、企業が急速にDXを推進進したこともあり、消費者の価値観や行動は明確に変わったと言えます。
詳しい情報に関しては、『リアル店舗の強み再考へ!ネットショップとの連携事例もご紹介(https://tenpo.taishokougei.co.jp/knowhow/detail057/)』でも解説しております。
消費者の価値観・行動の変化
モバイルデバイスを用いたECサイトでのショッピングは生活の一部となりましたが、同時にリアル店舗=オフラインの重要性が改めて注目されています。
時間や場所にとらわれることなく情報の比較や商品・サービスの購入を容易に行えるECですが、情報過多な傾向や実際に商品を手に取ることが出来ない等の側面がコロナ禍を通して浮き彫りとなりました。結果、消費者はこのタイミングで実物を直接体感することに一層の価値を見出すようになったのです。
予てより商品力での差別化は難しく「モノ消費」から「コト消費」への移行が叫ばれていた背景もあり、オンラインとオフラインを融合することで顧客体験の最大化を目指す「OMO」の重要性が増したということです。
OMOのこれから
これからはオンラインをただのオフライン(リアル店舗等)へ呼び込むツールとして捉える「O2O(Online to Offline)」からオンラインとリアル両立して考える「OMO」での発想がトレンドとなります。
OMOの発想に基づいて店舗・商業施設のデザインを行うには、購買行動のどのフェーズにオンラインを取り込んでいくかを検討する必要があります。家電量販店や家具販売店などの店頭販売がメインだった商業施設は、OMO戦略の取入れで今その姿を大きく変えています。
店頭はあくまで商品を体験できる展示スペースとし、オンライン注文を促す店舗が増えています。こうした商業施設のデザインを行う場合、倉庫機能は他の拠点に構えることもできるため、店舗には最小限の在庫スペースのみ、接客スペースを大きく取る内装デザインを取ることができます。
OMOを前提とした販売戦略の構築で、商業施設のデザイン・設計が大きく変わっていくため、店舗の内装・デザインを検討も同様に実施していく必要があります。
3.O2O・オムニチャネルとの違い
O2Oとの違い
「O2O」とは「Online to Offline」という英語の略称で、モバイルアプリやECサイトなどのオンライチャネルからリアル店舗=オフラインチャネルへ誘導しようとするマーケティングの考え方です。
施策の中心はあくまでオフラインとなりますので、リアル店舗に来店してもらい、リアル店舗で売り上げることを目的としています。この点がOMOとは異なっており、オンラインとオフラインは明確に区別され、誘導の方向も一方通行的です。
一般的に展開されている施策としては、店舗でのみ利用可能なクーポンを配布したり、専用アプリやSNSアカウントで情報を発信したりして店舗に誘導する方法が有名です。
オムニチャネルとの違い
「オムニチャネル」の「オムニ」とは日本語で「あらゆる」を意味します。モバイルアプリやECサイト、リアル店舗やカタログに至るまで、あらゆるチャネルを統合して消費者との接点を増やし、購買活動へ繋げようとする販売戦略の考え方です。あらゆるチャネルを統合・連携させることで、消費者にどのチャネルでも一貫した購買体験を提供できる状態を目指します。
どちらかというと、「企業視点」で「購買」自体に焦点を当てた考え方であり、機会損失を減らすといった狙いもあります。OMOはそこから進化して、「消費者視点」で購買を含めた「体験」に焦点を当てて新たな付加価値の創出を目指す考え方です。
4.オンラインの店舗集客
スマホの普及により、いつでもどこでもオンラインに繋がっている状況が当たり前になり、店舗集客においても、下記のようなオンラインの方法が使われている。
・ポータルサイト
・インターネット広告(リスティング、SNS広告)
・SNS(Facebook、Twitter、Instagram)
・LINE@
・スマートフォン・アプリ
上記5種のメディアに「オウンドメディア(自社サイト、ブログ」を加えたフレームワークにあてはめて、自社に足りないものを考え、その中から集客に最も適したオンラインの方法、施策を使って店舗集客を行います。
5.オフラインの店舗集客
店舗集客の基本であり、昔からある手法になります。
・看板、のぼり、そしてファサード(外装)など – 街ゆく人の目にとまり、目当ての店に訪れる人の目印にもなります。
・交通広告 – 電車やバスの混雑時に車内広告を何気なく見てしまうし、駅構内でも、目を引く広告は何の宣伝か知りたくなります。
・チラシ(新聞折り込みチラシ、ポスティングチラシ) – 特定エリアへの販促活動としては、今も主要な集客手法です。
チラシにクーポン券などの切取り印刷したり、QRコードを載せたりすることで、販促効果を上げ、反応をある程度知ることができます。
・イベント-賑わいの演出や顧客へのサービスとして行うことによる顧客満足度向上、既存・新規問わず来店の動機付け、お買い上げに紐付けることによる消費刺激にも大きく貢献します。
店頭販促に関しては、『店頭販促ってどうするの?販促物の役割と掲出場所の解説(https://tenpo.taishokougei.co.jp/knowhow/detail045/)』でも解説しております。
6.時代に合わせ進化していく集客方法
オンラインとオフラインが融合したマーケティングの考え方がOMOです。
オフラインしかなかった時代から、その活用幅を広げる手段としてのオンラインが登場、普及してきた時代として「O2O」の時代となりましたが、さらにオンラインとオフラインが融合し、本当の顧客体験=UX(User Experience)が求められる「OMO」時代へと変化を遂げています。このようにマーケティングの概念が進歩するように、オンラインもオフラインもそれぞれ活用方法を進化させていかなければなりません。
近所へ折り込み広告を打つ際も、クーポンや来店特典はLINEの友だち追加で配布する旨を記載します。ここでプロセスを踏んでくれた顧客には今後いつでも来店促進キャンペーンを打つことができるようになるため、新聞折込の広告効果を2倍、3倍にもすることができます。また、オンラインで店舗の商品を手に取ってもらう機会を作り、ファンになってもらってから実店舗へ足を運んでもらう方法もあります。コンセプト雑貨を扱う店舗、カードショップでは近年よく見かける方法です。
そして店舗デザイン・コンセプトにこだわった内外装にすれば、いわゆる“映え”効果でオンライン上でも強い宣伝効果を持つこともあります。大昌工芸では“映える”店舗デザイン・店舗設計を実現するお手伝いをしております。お気軽にご相談ください。
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