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令和の旗艦店とは?EC時代にあえて実店舗を作る理由

2020年の感染症拡大にともなう外出自粛への対応として、実店舗からECサイトへの移行が急速に進みました。

最初から店舗を持たないブランドも増え、「実店舗はもう必要ない」とまで言われていましたが、2026年現在、多くのブランドがリアル展開を進めています。

そのなかでも「旗艦店」と呼ばれる、ブランディングに特化した店舗に注目が集まっており、これまでのイメージとは一線を画した店舗が登場し始めました。

この記事では令和の旗艦店の定義と、なぜ注目されているのか、どのようなブランドにおすすめできるのかを解説いたします。

令和の旗艦店とは?

旗艦店とは、ブランドの価値や世界観を顧客に伝え、認知・信頼・ファンを生み出すことを目的とした、ブランディングのための象徴的店舗です。

生活様式や時勢の変化で見せ方こそ変わりますが、「ブランディングのため」という一本筋だけは変わりません。

令和の旗艦店の定義

令和の旗艦店は、「1番大きな店」ではなく、「ブランドの世界観を1番体験できる店」です。

2026年現在は、ECサイトとの連携を前提に、実店舗でしかできない「体験」を重視した、「有料の体験型コンテンツ」を提供する店が増えています。

言葉の由来、基幹店との違い

旗艦とは海軍用語で、司令官が乗って指揮をとる軍艦を指す言葉です。
それが転じて、ブランドの中心となる店舗を旗艦店と呼ぶようになりました。

作戦によって隊全体の動きが変わるように、旗艦店の在り方によってブランド全体の印象や、方向性が決まります。

同じ発音の「基幹店」がありますが、こちらは売上など、より実務的に重要な中心店を指す際に使われています。

EC時代になぜ旗艦店が必要なのか|ECサイトの弱点

ECサイトはコスト面で非常に優秀ですが、構造的に「ブランディング」「潜在顧客層へのアプローチ」「信頼の醸成」が難しいという特徴があります。

こういった問題を解決する方法として、リアル店舗、特にブランディングと体験に特化した「旗艦店」への注目が高まっているのです。

ブランドが記憶に残らない

ECサイトの1番の問題は、購入までの効率を求めた結果、「購入体験」で差別化ができないことです。

基本的に、どのECサイトも似通ったサイトデザインを採用しています。

お客様の利便性が上がった一方で、カタログのような無機質なレイアウトになりやすく、ブランディングをする余白がほとんどありません。

購入後も、自動メールでの処理、ノーブランドの梱包材など「個性」を感じる瞬間がないため、どのブランドで購入したのか記憶に残りにくいのです。

ECでは偶発的な出会いが生まれにくい

Web上の広告やSNSのタイムラインは、お客様の過去の行動履歴に基づいてパーソナライズ(おすすめ)されたものが表示されています。

そのため、ウィンドウショッピングやTVCMのような「偶発的な出会い」はまず無く、潜在顧客層へのアプローチを難しくしています。

実態がないことで得にくい信頼

人を介さず、実物の確認もできないECサイトは、完全な信用商売で成り立っています。

・実物を確認できない
・疑問点があっても誰にも聞けない
・トラブル時の懸念

ネームバリューの低いブランドや、初めて使うECサイトに不安を感じる方は多く、安心と実績のある大手に流れがちです。

実店舗があることで社会的信用を覚えやすく、そのままブランドの信頼感へとつながります。

旗艦店で期待される効果

ブランド戦略は、マーケティングをするうえでなくてはならないものです。

ブランドに愛着や親近感を持ってもらうだけでなく、不特定多数の人との接点を生み出し、売れる仕組みを作る、継続的なマーケティング効果が望めます。

ブランドの一般認知度を上げる

よく行く街や、商業施設を思い浮かべてください。
一度も行ったことのないテナントであっても、おおよそどこにあって、どのような店かは知っているのではないでしょうか。

実店舗は、店舗そのものが広告塔です。

頻繁に目にすることで自然とブランド認知度が上がり、いざという時に思い出してもらいやすくなります。

立地がブランドの第一印象を作る

ブランディングは総合的な要素の組み合わせで成り立ちます。

例えば、多くの有名企業が表参道や銀座に旗艦店を作るのは、その土地が持つ「ステータス」をブランドに盛り込むためです。

これは人々に根付いた共通認識を利用したものであり、自然とお店の雰囲気や傾向を伝えることができます。

まったく無名のブランドであっても効果は絶大で、広告を大量に出すよりも一瞬でブランドイメージが定着します。

お客様との接点が生まれる

普段ECサイトで買い物をされるお客様でも、旗艦店であれば足を運んでくれるかもしれません。

お客様のリアルな反応やニーズといったフィードバックは、ECサイトではなかなか得られないものです。

これにより「セルフブランディング」と「実際の反応」がどれほど一致しているのかを把握し、今後の商品開発やマーケティングに活かすことができます。

新商品·サービスの実験場になる

今までと大きく違った施策を打ち出す際などに、旗艦店を実験場として活用できます。

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小規模な実験から始めることで早期に問題点を洗い出し、改善に向けて動くことが可能です。

また、旗艦店では実験自体をコンテンツにすることができ、「うまくいかないこと」も含めて、アトラクション的に楽しんでもらえます。

この時点であればブランドイメージを損なうこともなく、逆に「挑戦を恐れないブランド」としてポジティブイメージを付けることができます。

旗艦店でしかできない価値の提供

Webですべてが完結する現代において、旗艦店に足を運んでもらうためには、強い来店動機が必要です。

「来てもらえば分かる」では伝わりません。「その店に行くこと自体が目的となる」ような、明確な特徴が必要です。

こだわりのビジュアル

美しい風景写真を見た時に「自分の目で見てみたい」と思うように、デザイン性の高い内装は、それだけで強い来店動機になります。

独創的なデザインは他店と差別化できるだけでなく、ブランドの象徴や、ランドマークとして強く印象に残ります。

また、画面映えするビジュアルは個人のSNSやマスメディアに取り上げてもらいやすく、認知拡大につながります。

旗艦店限定の体験コンテンツ

かつては「商品購入」を前提としたコンテンツが多かったのですが、近年は「体験を買う場所」と変化しています。

・日用品ブランドが自社製品を使ったホテルを経営する
・ベーカリーブランドがパンに合う料理を出すレストランを経営する

上記のような、お金を払って体験しないと価値が伝わらないコンテンツは「特別感」があり、旗艦店まで足を運ぶ理由になります。

また、経営者目線では異業種参入で新たな収益基盤の構築と、既存事業とのシナジー効果が期待できます。

◇旗艦店の実務的なデザインについて詳しく知りたい方はこちら↓

ブランドの「顔」を創る旗艦店とは?直営店との違いと設計・デザインのポイントを解説

 

旗艦店のよくある間違い

繰り返しにはなりますが、旗艦店はブランディング戦略の一環です。

ブランドや時勢によって表現方法が異なるもので、「旗艦店とは○○だ」という固定概念は表現の幅を狭める原因になります。

大型店舗である

旗艦店は必ずしも大型店舗である必要はありません。

・フルラインナップ戦略のために床面積が必要
・体験型コンテンツのスペース確保
・巨大な建物にすることによる集客宣伝効果

現存する大型の旗艦店はこのような戦略を取った結果であり、「旗艦店が大型でなければならない」「大型店舗だから旗艦店」という認識は明確な間違いです。

高級感があるべき

「旗艦店=高級感がある」というわけでもありません。

旗艦店に必要なのは高級感ではなく「ブランドらしさ」です。

サステナブルを掲げるブランドなら再生材を使った温かみのある内装、ストリート系ブランドなら無骨でエッジの効いた内装にするなど、ブランドのコンセプトに忠実であることが最優先されます。

店舗のみ作るもの

基本的には象徴店舗として1店舗のみ設けるものですが、複数店舗あっても問題ありません。

グレードの違う商品展開を始める、地方や世界進出の足掛かりにするなど、目的別に展開するのはよくあることです。

ただし、目的別であっても、同じ商圏で展開するのは非常に危険です。
商品の性質や客層、価格帯などをよく吟味し、「お客様の来店目的」が絶対に被らないようにしましょう。

大きな売上を作るもの

旗艦店は「売上の最大化」を目的とした店舗ではありません。

旗艦店の価値は店舗での体験を通じた、「ECでの売上貢献」「ブランド価値向上」「メディア露出効果」といった、事業全体の波及効果を含めて総合的に評価すべきものです。

近年では物を売らない「ショールーミングストア」として旗艦店を設け、実際の売上はECサイトで作るといった、ブランド全体で売上を作る方向にシフトしている企業もあります。

まとめ|旗艦店をおすすめしたい企業

EC化が加速する現代だからこそ、実体験を重視する「旗艦店」の価値が高まっています。

特に以下のような課題や目標を持つ企業は、旗艦店の出店をおすすめします。

・EC中心で展開してきたが、新規顧客の流入が減り始めた
・お客様から「実物を見たい」という声がある
・ブランドの知名度を上げたい
・ブランドイメージを変えたい(リブランディング)
・顧客の生の声やリアルな体験データを集めたい

旗艦店はただ大きくて豪華なだけの店舗ではありません。
ブランディングの戦略的拠点として、ブランド全体の価値を高める場所です。

自社の目的に合わせた旗艦店を設計し、ECと実店舗が相乗効果を生むマーケティング戦略を展開してみてはいかがでしょうか。

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監修:大昌工芸編集部

この記事は60年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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