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【最新版】内装デザインのプロ直伝!失敗しない店舗照明の選び方と基礎知識

こんな照明の失敗、ありませんか?

「店内が暗すぎて商品が映えない
「色味がくすんで料理や商品が魅力的に見えない
「お客様が落ち着かず滞在時間が短い

店舗照明は、空間の印象を決定づける重要なポイントです。
せっかくコストをかけるなら、失敗は避けたいですよね。

この記事では、内装工事のプロが基礎から選び方のポイントまで丁寧に解説。
失敗を防ぎ、売上や雰囲気を最大化する店舗照明の作り方がわかる完全ガイドです!

感覚ではなく数値で考える!照明の基礎知識

光束(lm)・照度(lx)・演色性(Ra)・色温度(K)などの単位を理解することが照明設計の第一歩です。
これらを正しく使い分けることで、感覚ではなく理論に基づいた店舗づくりが可能になります。

光束(lm

光源から放出される光の総量を表します。単位lm(ルーメン)です。

よく「ルーメン=明るさ」と捉えられますが、ルーメンは光源の明るさを示す単位です。
部屋の明るさは広さや器具の形状で変わるため、ルーメン値だけで判断すると失敗する原因となります。

照度(lx

光源に照らされている面がどれだけ明るいかを表します。単位はlx(ルクス)です。

作業環境や空間の明るさの目安になります。
JIS
(日本工業規格)で場所ごとの基準が定められていますが、店舗にそういった基準はありません。
ただし、商業施設で独自に最低照度を設定している場合があるため確認しておいた方がいいところです。

演色性(Ra

光源に照らされた物体が、どれほど自然光に近い色で再現されているかを表します。単位はRa(アールエー)です。

自然光はRa100とされ、数値が100に近ければ近いほど自然光で見たときの見え方に近づきます。

色温度(K

光源から発せられる光の色を数値で表したものです。単位はK(ケルビン)です。

空間に色味を与え、雰囲気を大きく変えてくれます。
色温度は高いほど青みのある色になり、低いほど赤みのある色となります。
2色の中間は白色です。

売上に直結する「光の心理効果」

照明は、ただ空間を明るくするためだけのものではありません。
光は感情に作用し、購買意欲にも影響を与える「心理デザイン」の要素です。

この章では「照度」「演色性」「色温度」の3つの要素の心理効果を解説いたします。

照度が与える心理効果

照度は実際の明るさを決める要素です。
一般的に照度が高いほど明るく、活動的で安心感が出ます。
照度を下げると落ち着いた雰囲気になり、ムード作りや高級感が出ます。

【場所別の照度の目安】
物販店:5001200lx
定食屋・ラーメン屋:5001000lx
カフェ:300500lx
バー:100300lx

演色性が与える心理効果

演色性は、物体の色がどれだけきれいに見えるかを決めます。
Ra60
70台の照明だと色がくすみ、食品や商品、肌の色が不自然に見え、店の印象もぼやけてしまいます。

【器具別の演色性】
一般的なLEDライト:Ra7085
高演色器具:Ra9098
白熱球:Ra100

白熱球はフィラメントを高温加熱することで熱と同時に光を発しています。
これは太陽と同じ仕組みであることから、白熱球はRa100とされています。

色温度が与える心理効果

色温度は空間の印象や雰囲気づくりに影響します。
一般的に、色温度の高い照明は明るく活動的な空間に適し、色温度が低い照明は落ち着いたリラックス空間に適しています。

【色温度別効果】
27003000K(電球色):落ち着き、温かみ、食事が美味しく見える
35004000K(温白色):爽やか、商品が見やすい
5000K以上(昼白色・昼光色):集中力・作業効率が向上

業種別の照明デザイン術

照明は業種や店舗の用途によって設計が異なります。
ここでは、「飲食店」と「物販店」それぞれで使える、覚えておきたい照明テクニックを紹介します。

飲食店

【ポイント】
店舗入口は明るくする
店内の色温度は3500K以下
キッチンは店内より色温度を高くする
メニューやディスプレイには照明を当てる

低い色温度の照明は料理を温かく見せ、食欲増進効果があります。
一方、キッチンは高い色温度にすることで作業効率が向上します。
ただし、オープンキッチンでは客席の色温度と混ざって印象がアンバランスになりやすいため、色温度の差を小さくするなど工夫が必要です。

物販店(アパレルなど)

【ポイント】
店舗の入口は明るくする
店舗の一番奥にある壁を明るくする(サバンナ効果)
店内は明るめに設定、商品には追加で照明を当てる

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「サバンナ効果」とは、入口付近より奥を明るく照らすことで人に安心感を与え、自然と奥へ進みたくなる心理効果です。
また、空間に奥行きが生まれ、実際よりも広く感じさせる照明テクニックでもあります。

照明の種類と施工ポイント

照明は大きく3種類に分類され、それぞれ役割が異なります。
種類と特徴を理解し、効果的な照明の使い方を把握しましょう。

直接照明

【概要】
光源から光を直接対象物に当てる照明方法です。
照射効率が高く、部屋全体や作業場所を明るくするのに適しています。

【種類と用途】
ベースライト:天井に複数設置し、空間を均一に明るくする
ダウンライト:器具を天井に埋め込み、必要な場所を効率よく照らす
スポットライト:ダクトレール上に自由に取り付けられ、対象を強調して照らす

【注意点】
明るい分眩しさを感じやすく、強い影ができやすい
光が下向きに集中するため、天井が暗くなり空間が狭く感じることがある

間接照明

【概要】
光源を壁や天井に向け、反射光を利用して空間を照らす手法です。
直接光が目に当たらないため眩しさが抑えられ、柔らかい光で奥行きや落ち着きを演出できます。

【種類と用途】
コーブ照明:光を天井に当てて天井全体を明るくする
コーニス照明:光を壁に当て、壁面を均一に照らす
バランス照明:天井と壁の両方に光を当て、空間を2方向から照らす

【注意点】
光源を「ひさし」や「くぼみ」に隠す工事が必要で、後から修正が難しい
光の方向だけでなく、反射面の素材や色にも注意が必要

演出照明

【概要】
空間を明るくするのではなく、空間演出に特化した照明器具です。
デザイン性が高く、存在感が強いのが特徴です。

【種類と用途】
スタンドライト:床やテーブルに置いて使う、持ち運び可能な照明
ペンダントライト:コードやパイプなどで天井から吊り下げる照明
ブラケットライト:壁面や柱に取付ける照明
シャンデリア:天井から吊り下げる、複数の光源を持つ装飾的な照明

【注意点】
器具のサイズ・配置で空間の印象が大きく変わるため、寸法の確認が重要
掃除がしにくい形状や特殊な電球で入手が難しいなど、メンテナンス性が低いことがある

店舗照明は『演出×省エネ×スマート制御』の時代へ

2020年ごろから、明るさ確保のためだけでなく、演出性や体験性を兼ね備えたスマート制御照明が普及し始めました。

IoT照明との連携による自動調光など、省エネ効果も期待されています。

Bluetooth調光

Bluetooth調光は、照明器具に内蔵されたBluetooth通信を利用し、スマートフォンやタブレットから「明るさ」「色温度」「オン/オフ」などを制御できる仕組みです。

無線通信であるため安定性には欠けますが、低コストで導入できるため、小規模店舗に最適です。

【特徴】
追加配線が不要で、器具交換だけで導入可能
通信範囲10m
センサー連動で省エネ・自動化が可能
現場でのリアルタイム調整が簡単

DALI制御(Digital Addressable Lighting Interface

DALIは国際標準化された照明制御規格で、1本のDALIラインに最大64台の照明を個別に管理できる高機能システムです。

明るさや色温度を細かく制御でき、空間のゾーニング演出を精密に設計が可能です。
DALI-2
ではセンサーや非常灯も統合制御でき、長期運用や省エネ、防災対応にも効果を発揮します。

【特徴】
専用配線により安定した稼働が可能
稼働ログ・寿命管理でメンテナンス効率向上
BEMS(建物管理システム)と連携可能
センサーや非常灯も統合可能(DALI-2

まとめ

照明は、完成して初めて「見える」ものです。
だからこそ、見えない段階でどれだけ丁寧に設計するかで、失敗の可能性を減らすことができるのです。

内装材だけでなく、光に意図を持たせることで、空間の印象やお客様の滞在時間、さらには最終的な売上まで変化させます。
見えない部分へのこだわりが、店舗の個性を際立たせ、他店舗との差別化につながるでしょう。

本コラムで紹介した内容は、当社の多くの実績から得られたノウハウの一部にすぎません。
実際の空間づくりに生かしたいと思った方は、ぜひお気軽にご相談ください。

◆◇◆

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監修:大昌工芸編集部

この記事は60年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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