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無機質な風合いを最大限に活かす!“コンクリート打ちっぱなし”が映える店舗づくりのポイント

近年、クールで洗練された印象を与える“コンクリート打ちっぱなし”を内外装に取り入れた商業空間が注目を集めています。特にカフェやアパレルショップ、美容室など、スタイリッシュなイメージを重要視する店舗においては、あえてコンクリートをそのまま見せるデザインが人気です。
しかし、単に壁や天井を“コンクリート打ちっぱなし”のままにしておけばおしゃれに見えるかというと、そう簡単ではありません。素材の特性を理解し、内装・設備・メンテナンスなど多角的に考慮する必要があります。
本記事では、コンクリートならではの無機質な風合いを活かした店舗づくりのメリットや注意点、デザイン面でのコツ、さらにはコストやメンテナンスに関する情報を解説していきます。
これから店舗を新規開業・リニューアルする方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。

なぜコンクリートをそのまま活かすデザインが人気なのか

無機質なかっこよさと洗練されたイメージ

コンクリートの質感は、ほかの仕上げ材にはない独特の存在感が特徴です。木材の温もりやタイルの装飾性と異なり、無機質でクールな印象を与えられるのが魅力。スマートでシンプルな内装を好む若年層からは特に支持されており、一歩店舗の扉を開けるだけで「おしゃれなお店」というイメージを強く与えられます。
また、過度な装飾を控え、素材そのものの表情を生かすデザインは“ミニマル”なインテリアトレンドとも相性が良く、インダストリアル感やアーバンライクな空気感を演出する上で効果的です。

ブランドイメージとのマッチ

コンクリート打ちっぱなしは、多くの業種で共通して映えやすい点も人気の理由です。アパレル店舗であれば、シンプルで都会的なイメージは洋服や靴、アクセサリーなどの商品を引き立てます。カフェやレストランなら、意外性や洗練さを演出しやすく、写真映えによるSNS拡散も期待できます。美容室であれば、スタイリッシュな空間そのものが“センスの良さ”をダイレクトに伝える要素となるでしょう。
いわゆる“コンクリート打ちっぱなし”は、主張しすぎない背景として機能する一方で、独特の存在感を放ちます。店舗のブランディングにおいては「商品やサービスを引き立てつつ、個性も演出できる空間」を目指すケースが多いため、むき出しのコンクリートを活かす手法は非常に有効だといえます。

空間づくりの魅力とイメージ戦略

工業的要素が生むインダストリアルな雰囲気

コンクリートといえば、ビルや工場など大規模建築にも多く使われる素材です。そこから連想される「工業的」「無機的」なイメージは、インダストリアル系のデザインとして人気を博しています。例えば、金属製の照明器具や配管、アイアンフレームの家具などと合わせれば、より一層“倉庫風”や“工場風”の雰囲気を演出できるでしょう。
それと同時に、インダストリアルスタイルはどこか“職人感”や“ハンドメイド感”にも通じるのが魅力です。細部まで意識を配った内装にすることで、カジュアルさと高級感を両立させることができます。

ミニマルデザインと相性の良い素材

余計なものを削ぎ落とし、シンプルにまとめあげるミニマルデザインは、近年ますます注目されるインテリアトレンドです。コンクリートの壁や天井は、何も飾らない状態でもそのまま一種の意匠となり、無機質かつフラットな質感がミニマルな雰囲気を崩しません。
逆に、空間全体がシンプルだからこそ、什器や装飾品を効果的に目立たせることも可能です。たとえばアパレルショップでは商品のカラーバリエーションやレイアウトが映え、カフェではオリジナルの食器やテーブル上のディスプレイが引き立ちます。装飾を最小限にとどめることで、お店が伝えたいコンセプトや商品の魅力をダイレクトに訴求できるのです。

居心地と演出効果のバランス

コンクリートのクールな雰囲気に憧れる一方で、無機質すぎる空間は冷たい印象を与えがちです。快適さや居心地の良さを求める店舗であれば、家具や什器に木材やファブリックなど、温もりを感じさせる素材をうまく取り入れましょう。加えて、照明計画も重要です。間接照明やウォームカラーのライトを使うことで、打ちっぱなしのコンクリート面でも柔らかい雰囲気を作り出せます。
また、小物やアクセントとして金属のパーツを取り入れたり、ガラスや鏡を部分的に使ったりすることで、光の反射が生まれ、空間全体に動きを出すことができます。無機質な中にも奥行きや変化が感じられれば、お客さまにとって「ずっと居たくなる場所」になり得るのです。

デザイン面で気をつけたいポイント

コンクリート特有の汚れや劣化

むき出しのコンクリート面は、汚れが付着すると目立ちやすい傾向にあります。特に店舗の場合は来客数が多いほど、壁や床へのダメージが蓄積しやすいでしょう。油汚れやタバコのヤニなど、素材に吸着しやすい汚れには定期的なケアが欠かせません。
また、コンクリートは湿度や温度変化の影響を受け、ひび割れを起こす場合もあります。小さなひび割れでも放置すると広がることがあるため、メンテナンス計画を立てておくことが大切です。ひび割れ防止用の塗料や保護材を塗布する方法もありますが、それがコンクリートならではの風合いを損なう可能性もあるため、仕上がりイメージとのバランスをとりつつ検討しましょう。

照明計画との連動

コンクリートのままの壁面は反射率が低いため、店舗空間が暗く見えるリスクがあります。デザインとしてはかっこいい無機質な雰囲気を演出できる一方で、来客にとって商品が見づらい、居心地が悪いと感じる場合も。照明を適切に配置し、光の質(色温度や照度)をうまく選ぶことが重要です。
間接照明を壁際や天井のコーナーに仕込む、ダウンライトで床やテーブルを適度に照らすなど、光の当たり方に変化をつけることで、コンクリートのテクスチャを引き立てられます。店舗のコンセプトに応じて、温かみのある電球色をメインにするのか、クールな昼白色を中心にするのかを検討し、適度なコントラストを演出しましょう。

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音響面への配慮

コンクリートの表面は音を反響しやすい特徴を持っています。壁や天井だけでなく、床も硬い素材を選ぶと、騒音や会話の反響が大きくなり、結果的にお客さまが疲れたり、BGMが聞き取りにくかったりする問題が生じるかもしれません。
対策としては、天井に吸音パネルを取り付ける、壁の一部を木材や布張りのパネルにして反響を抑える、床にラグやカーペットを敷いてクッション性を高めるなどが挙げられます。クールな見た目を優先するあまり、音響面がおろそかになってしまうと来店客の満足度が下がる恐れがあるため、内装の段階で十分に検討しましょう。

施工・コスト・スケジュールの考え方

新築・リノベーションの違い

新築の場合、構造体として鉄筋コンクリート造を選択すれば、最初からむき出しの壁面を想定した設計ができます。しかし、テナント物件などでは既存の構造体が鉄骨造や木造という場合もあり、そのままではコンクリートをむき出しにできないケースが少なくありません。
リノベーションでコンクリートを生かしたい場合、もともとRC造の建物であれば仕上げ材を撤去することでコンクリートを露出できます。ただし、内部に配管や配線が通っているケースもあり、店舗レイアウトに合わせて再配置が必要になるため、解体費や改修費が増える可能性があります。

打ち放し仕上げのコスト

コンクリートをそのまま露出させる場合、一見すると「仕上げ材がいらないから安いのでは?」と思われがちです。しかし実際には、打ちっぱなし部分をきれいに見せるためには高い精度の施工が求められます。型枠の組み方やコンクリートの打設方法、養生の具合が仕上がりを左右するため、施工技術が高い職人さんの手配が必要になるのです。
さらに、ひび割れ対策や防汚処理などの保護コーティングを行う場合は、その分のコストも計上されます。完成後、店舗として運用していく中での修繕費用も考慮に入れておきましょう。

施工スケジュールのポイント

コンクリート施工は、養生期間や天候の影響など、仕上げ材よりも時間を要することがあります。新築の場合は型枠工事・打設・脱型・養生という工程を経てから内装に進むため、スケジュールに余裕を持って計画を立てることが重要です。
リノベーションの場合も、コンクリートの露出工事に加えて古い仕上げ材の撤去や下地処理、ひび割れ補修などを行うため、想定外の工数がかかるケースがあります。特にオープン日が決まっている店舗では、工事期間を逆算して計画し、遅延が生じた場合のリスクマネジメントをきちんとしておきましょう。

メンテナンスと耐久性を保つ方法

定期的なクリーニング

コンクリート打ちっぱなしはほこりや汚れが目立ちやすいため、定期的なクリーニングが欠かせません。壁面の場合は、柔らかいブラシや布を使ってホコリをはらう程度であれば大丈夫ですが、しつこいシミや油汚れが付着している場合は専用洗浄剤を使用することも検討してください。ただし、素材を傷めにくい中性洗剤を中心に使い、強力な薬剤は必要以上に使用しないように気をつけましょう。
また、床をコンクリート仕上げにしている場合は、こまめに掃除をすることが来店客の印象にも直結します。美観を保つために、定期的な清掃スケジュールを組み込み、スタッフ間で共有しておくのがおすすめです。

ひび割れやクラックの補修

コンクリートの経年劣化によるひび割れは、見た目だけでなく建物の防水性や耐久性にも影響を与えます。ひびが大きくなる前にシーリング材で補修する、または必要に応じて専門業者に点検を依頼することが大切です。
小さなクラックの場合、DIY的に補修キットで対応できるケースもありますが、店舗という商業空間においては美観面でのクオリティが求められます。補修部分が目立たないように仕上げるためには、施工経験のある職人に任せたほうが安心です。

防汚・防水コーティングの活用

コンクリート表面の汚れや水の浸透を抑えるために、防汚コーティングや防水剤を塗布する方法があります。これにより、雨や水しぶきがかかりやすい外壁部分や、湿気が多い厨房周りなどでも、汚れの付着を最小限に抑えることができるでしょう。
ただし、コーティング剤によってはコンクリート本来の風合いが変化する場合もあるため、試し塗りを行って色味や質感を確認してから全面的に適用するのがおすすめです。店舗のコンセプトや仕上がりイメージを損なわないように、複数の製品を比較検討しながら選びましょう。

まとめ

コンクリートをむき出しにした店舗設計は、一歩間違えると「ただ無骨なだけ」「暗くて居心地が悪い空間」になってしまうリスクもあります。しかし、照明や家具、素材の組み合わせを工夫し、定期的なメンテナンスをきちんと行えば、長く愛される独自の空間を実現できるはずです。
どのような業種でも使える汎用性の高さと、唯一無二の個性を併せ持つこの手法は、これからも注目され続けるでしょう。新規出店やリニューアルを検討している方は、しっかりとした準備とイメージづくりを行い、コンクリートの美しさを最大限に引き出した店舗を目指してみてください。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛けください。

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監修:大昌工芸編集部

この記事は60年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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