コミュニティーデザインに取り組む必要性
~コロナ時代における「デザイン」を考える~
新型コロナウイルス渦を経て、数年前から言われ始めた「ナチュラルキャピタリズム」への業態変化が加速しています。
これまでの様に集客を目的として消費される箱をデザインするのではなく、「安全」や「健康」を目的とした持続可能なコミュニティー自体をデザインするべきと考えます。つまり、コロナ禍に合わせたコミュニティーデザインの展開です。
そのためには商業空間のデザインのみならず、生活に根付いた住空間のデザインへのコミュニティーデザインコンセプトの取り入れ、更には総合的なライフスタイルの提案に取り組む必要があります。
具体的にどの様な事例があるのかまとめました。
1.ダイニングテーブルセット
考案者は、フランス人デザイナー。
「デザインの役割は、私たちの日常生活に新しい火花を与えることです。多くのレストランで行なっている透明な仕切りをテーブルに置くというのは、刑務所の訪問室にいるような印象だった。私は何かを生み出さなくてはならない。と、私自身に言いました。」とコメントしています。
「飲食業界が安心して営業できて、客も快適に食事を楽しめる」ためにデザインされたパーテションは、手入れが容易で使い勝手も考慮された円錐型のポリエチレンテレフタラート製です。
ペットボトルと同じ材料でリサイクルも可能。環境に配慮した材料を使用し、ワイヤーとリング部分で構成された吊り式タイプです。
簡単に着脱でき、会話も支障なく、更に料理の香りが上に向かうので、味覚を楽しむ効果にもつながりました。今後フランスの企業が生産・販売をしていき、すでにアジア・中近東からも問い合わせが多いとのことです。
飲食業界に限定されず、オフィスの受付やエステサロン、学校、介護施設等などの多分野からの要請もあり、特注対応への対応、商品展開も思案されています。
人と人とのつながり方を設計し、それに沿った空間や設備を作ることがコミニティーデザインです。人と人との直接的な関りが難しいコロナ禍に於いて、ともに食事をする人同士が円滑にコミュニケーションを取れるこのダイニングテーブルセットのコンセプトは、まさにコミュニティーデザインの本懐を表していると言えます。
2.ウイルスの渦が進化させるマテリアルの機能
電車など、換気のできない空間での人と人との接触は新型コロナウイルス感染症の流行に伴って最も問題視されました。換気のできない空間でもコミュニケーションを阻害しない空間を設計できる、コニュニティーデザインに沿った空間作りができるマテリアルをご紹介します。
産業用ファブリックを展開する企業が、ファブリックの表面に殺ウイルス効果のあるコーティングを施す技術を開発したと発表しました。この技術を使ったシートは、医療機関向けに販売。屋外病院や簡易テントなど患者用施設、病院内に増設した収納施設、パーティションやブラインドといった屋内設備、マットレス、ストレッチャー、家具などの医療用器具、個人用防護具などに使えるとしています。
例えば、テーブルやチェア、受付カウンターなどに敷いたり、ドアの取手や手摺、ショッピングカートの持ち手などに巻いたり、移動式のパーティションとして使ったりできるとのことです。同社によると、この技術はシート(膜性複合織物)の表面に銀粒子をコーティングすることで、未処理のシートと比較して、コロナウイルスを接触してから15分後には95%、1時間後には99.5%消滅できることが立証されているとのことです。換気が不十分になりがちな空間で浮遊するコロナウイルスの飛沫核を消滅できるのであれば、感染リスクを大幅に抑えることが出来るでしょう。
3.水循環型の手洗いスタンド
手洗いはコロナ禍の生活様式に於いて、必要不可欠な要素です。
上下水道があり、かつ設備が設置されていなければ手洗いはできません。しかし設備の設置が不可能な空間も存在し、人が集まる可能性はあります。屋外や被災地です。コロナ禍におけるこうした空間でも、安心して人が集まることのできるコミュニティーデザイン空間を構築するにはどうすれば良いでしょうか。
白いドラム缶型の水循環型の手洗いスタンド。
開発したのは、水処理装置の製造・開発を手掛ける企業です。
20リットルの水と電源があれば繰り返し使うことができる手洗いスタンドです。
手をかざすと水が出る非接触の仕組みを採用。
ろ過や塩素添加、紫外線照射の技術を活用した水再生処理装置を搭載し、使った水をWHOの飲料水ガイドラインや各国の飲料水基準に準じたレベルまで再生。衛生的な水で手を洗うことができます。再利用できない水は別のタンクにたまる仕組みで、排水量は約1%で済みます。
この装置は、被災地においても入浴支援で活躍しました。今後手洗いが必須とされる昨今、注目が集まっています。
4.新しい生活様式から生まれるデザイン
コロナウイルス感染拡大に伴い、接触を避けた受け渡しや、クラスター防止への対策。
テイクアウト需要増加、これまで行われてきた運営スタイルが見直されています。
消費者の行動心理が変化し、店舗と利用者が互いに衛生管理を徹底している今、新たな「運営手法」・「生活」にデザインが寄り添い、コロナ禍におけるコミュニティーデザインを設計することで新たな体験価値を提供できます。
アルコール噴霧など消毒によって変色・変質しにくい壁紙や床等、ニューノーマル時代でのマテリアルデザインも必要になってくるでしょう。
弊社では新店や改装を含めた内装デザインの見直し・提案も承っております。気になった時は是非お気軽にご相談下さい。
関連するノウハウ
人気記事ランキング
サービス案内
資料ダウンロード
-
【2024年度版】補助金活用ガイドブック
-
TAISHO design activity~ショールーム作りませんか~
-
【2023年度】店舗改装や内装工事も対象!事業再構築補助金活用ガイドブック
-
TAISHO design activity~ARとXRを活用した新しいイベントの形~
-
TAISHO design activity~空きスペースをよりよく活用しませんか。~
-
TAISHO‘sカフェドキュメントwithZEFcoffeeArts
-
TAISHO design activity
~ステキな空間、一緒に作りませんか?~ -
TAISHO design activity
~人にも地球にもやさしい空間づくり、一緒に考えませんか?~ -
TAISHO design activity
~大昌工芸と一緒にブランディングしませんか?~ -
TAISHO design activity
~ECサイトからリアル店舗への展開~ -
TAISHO design activity
~今、求められるレストスペースのアイデア~ -
おしゃれな空間の設計事例集
-
店舗設計・デザインノウハウ集
-
設計業務とは?
-
内装で解決!集客力を高めるためのガイドブック
-
空間演出で変わる!魅せる空間創りのガイドブック
-
店舗改装もニューノーマル!時代にマッチした店舗デザインガイドブック
-
空間演出で他社との差別化を!別視点からの演出方法
-
リノベーションで売上UP!費用問題も押さえたガイドブック