ホテルの客室改修計画
~withコロナ時代に選ばれるホテル~
最小限の面積で計画され、過密化していたシングルルームを大胆に2室利用しての改修。客室面積が広くなることで以下のような活用が可能になる。
①3点ユニットが一般的であった浴室から、住宅同等の浴槽+トイレ独立タイプにすることで、大浴場の利用制限を設けている時でも充実の浴室空間を提供(同時に住宅同等、もしくはそれ以上の浴室空間を旅先でも提供)
②外出後すぐに手洗いができる手洗いスペースの設置
③他のお客様との接触なく、それぞれの客室で食事ができるスペースの確保
④出入口に踏込スペースを計画し、上下足の履き替えを促すことで室内の清潔を保ちやすく
⑤テレワーク利用が可能な広いデスクスペースや女性にうれしいパウダーコーナーの確保
⑥改修に合わせて内装仕上げ材や家具の表面仕上げ材を抗ウィルスの素材に変更することで新たなアピールポイントの一つに。また、現状の客室のまま、表装工事を行うだけでも新たな価値付けを行うことができる。
1.施設全体のIoT化でwithコロナでも安心できるホテルづくりを
上記にて提案の改修方法は各フロアに1室、もしくは1フロアのみなど、予算によって改修範囲を調整することもできるが、表装のみの工事と比べて初期投資が多くかかってしまう。初期投資分を極力早く回収することも改修計画の中で必要な要素である。そこでwithコロナの対応としてだけでなく、今後の施設運営のことも鑑み、改修工事と併せて施設のIoT化を図るということも重要なポイントである。
例えば非接触チェックインシステムの導入やスマートキーとの連動を行うことでフロント業務の無人化を行う。それにより人件費を削減できることに加え、直接お客様とスタッフが対面する機会が減ることで感染リスクも軽減させることができる。また大浴場や食事会場の混雑状況を見える化することで、共用部の利用に際しお客様に安心感を与えることができる。
IoT化した客室ではチェックインやルームキーだけではなく、滞在客は様々な体験を指一本で味わうことができる。
リモートワークにホテルを使う人も増えたが、リモート会議中に部屋がどうにも肌寒いとき、西日が差してきてまぶしいとき。IoT化した客室なら、全て手元のスマホがあれば問題ない。エアコンの温度管理もカーテンの開閉も連動しているからである。
仕事が終わって疲れてベッドに寝転がる。そんな時もスマホは手放せない。目覚ましアラートのセットは言うまでもなく、ライトの照明を暗くしたり、快適なリラックス空間を演出する音楽をかけるのも、一切起き上がることなく叶う。
Withコロナの中では難しいが、収まってきてからもIoT化した客室には様々な魅力体験の訴求が可能だ。観光客向けに、旅先のホテルにあったらうれしい機能もIoTで実現する。近隣の観光情報や交通手段の状況を、備え付けのスマートスピーカーで確認できるようにすれば、その土地に不慣れな人でも安心して滞在できる。旅先の交流を楽しみたいときは混雑している時間を選んで飲むこともでき、静かに食事をしたい日は空いている時間を選んで予約を取ることもできる。定番の「起こさないでください」や、朝食の札も最早不要だ。
大きな改修費用をかけることなく、より効果の高い客室改装を検討するにあたり、IoT化は真っ先に検討したい候補である。
2.都市部の宿泊施設における新たな価値付けの検討方法
withコロナ、ポストコロナ時代にも選ばれる宿泊施設となるためには、お客様に安心・安全を提供することはもちろん、新たな価値を見出す必要がある。目に見える安心・安全への対策として第一に考えられ、既に多くの施設で実施されていることは、フロントや共用部でのパーティションの設置や消毒コーナーの設置である。
さらに人との接触がなくなるシステムを導入していることや、客室においても消毒済であることをアピールすること、また壁・床・家具の材料自体に抗ウィルス素材を使っていることをアピールすることも分かりやすい手法となる。
そして新たな価値を生むには、まずそれぞれの施設の周辺の立地条件(観光地が近い、オフィス街・駅に近いなど)や客層(男女比、1人orファミリーなど利用人数)の違いにより需要がある付加価値を見極める必要がある。先に提案した活用法の中にも需要がある項目があるか参考にしていただきたい。
3.withコロナ、ポストコロナ時代を見据えた改修計画を
今回客室改修の提案については2部屋を1部屋に改修するという大幅改修の方法について提言したが、表装材だけでも現在壁クロスや床カーペット、カーテンや家具の表装、椅子の張地まであらゆる材料に抗ウィルス製品が存在する。
それらの製品を活用し、初期投資を抑えながら安心・安全を提供することも十分に可能である。その場合でも日々消毒を行う中で、宿泊施設だけでなくあらゆる場面において、使用する薬剤によってかえって素材を劣化させてしまう事例も多く出てきているため、改修の際にはメンテナンス方法も合わせて検討する必要がある。
どれほどの規模の改修を行うのか、またIoT化の為のシステム導入についてはwithコロナ、ポストコロナの時代を見据えて投資と回収を見越したバランスのとれた計画を施設毎に十分に考慮して頂きたい。
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