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必見!カウンター席が果たす役割を知ろう!デザイン時に重要な種類や寸法も徹底解説

飲食店において、店内の雰囲気や居心地、お客様の滞在時間や注文数に影響を与えるのがカウンター席です。店舗の顔として、デザイン的な面でも機能的な面でも欠かせない存在といえます。そのため、内装のデザインやテーブルなどの家具を検討するのと同じぐらい、カウンター席のデザインはしっかりと検討しなくてはいけません。
この記事では、カウンター席が果たす役割をはじめ、採用するメリットとデメリット、種類や寸法などの情報を紹介しています。お客様によりよい環境で食事を楽しんでもらうためにも、紹介しているポイントを押さえて、店舗に合ったカウンター席をデザインしましょう。

カウンター席の役割

カウンター席は単なる座席以上の役割を果たし、デザイン次第で店舗イメージやお店の価値を左右する要素になります。
ここではカウンター席の計画が失敗しないように、押さえておくべき役割を3つに分けて紹介します。

店舗の印象を決定づける

カウンター席はお客様が入店して最初に目にする場所であり、店舗の印象を決定づける要素といえます。

【清潔感を感じさせる】
清潔感のあるカウンター席は、お客様に安心感を与えます。対して、汚れたカウンター席はお客様に不快感を与え、店舗の評価を下げてしまう可能性があります。

【雰囲気を印象付ける】
おしゃれなカウンター席は店舗の雰囲気を格上げし、お客様の期待感を膨らませます。例えば、木製のカウンター席は温かみのある雰囲気を演出できますし、大理石のカウンター 席であれば高級感のある雰囲気を演出できます。

【余裕を感じさせる】
余裕のある広々としたカウンター席は、お客様に開放感を与えてリラックスさせます。一方、狭すぎるカウンター席は、お客様に窮屈な印象を与えて居心地を悪く感じさせてしまう可能性があります。

特定層の来店を促す

カウンター席には特定層の来店を促す効果があります。

【お一人様】
一人でも気軽に食事を楽しみたい方にとって、カウンター席は居心地の良い空間です。周囲を気にせず、自分のペースで食事を楽しめる点が魅力です。

【カップル】
二人だけの時間を楽しみたいカップルにとって、距離の近いカウンター席は親密な時間を過ごせる場所です。また、スタッフとの距離が近いため会話も弾みやすいです。

【ビジネスパーソン】
サッと食事を済ませたいビジネスパーソンにとって、カウンター席は時間効率の良い席です。テーブル席よりも回転率が高いため、待ち時間が少なく食事を楽しめます。

回転率や注文数に影響を与える

カウンター席は滞在時間や注文数にも影響を与えます。

【回転率アップ】
カウンター席はテーブル席よりも回転率が高いため、売上の向上に貢献します。お客様が食事を終えた後すぐに次のお客様を案内できるため、混雑時でも効率的な席です。

【注文数アップ】
カウンター席ではテーブル席よりも単価の高いメニューを注文する傾向あると言われています。これは、お客様とスタッフの距離が近いことでおすすめメニューを聞きやすく、つい注文してしまうという心理がはたらくためです。

【コミュニケーションアップ】
お客様との距離が近いカウンター席はコミュニケーションを促し、リピーター獲得に繋がりやすいと言われています。スタッフはお客様と顔見知りになりやすく、好みやニーズを把握しやすくなります。

カウンター席を導入し有効活用することで、お客様に快適な空間を提供しつつ売上向上に繋げることができます。

カウンター席のメリット

調理·提供のプロセスをパフォーマンスとして見せることができる

カウンター席では調理や提供のプロセスを目の前で楽しんでもらうことができます。これは、お客様にとってエンターテインメント性のある体験となります。
熟練した職人の技を間近で見られるのは、カウンター席ならではの魅力です。また、新鮮な食材を丁寧に調理する様子を見せることで、お客様に安心感を与えるとともに料理への期待感を高めることができます。

お客様とコミュニケーションを取りやすい

カウンター席はスタッフとお客様の距離が近いため、コミュニケーションが取りやすいというメリットがあります。
スタッフがお客様と直接会話することで、お客様のニーズを把握しやすくなります。そして、お客様の好みや雰囲気に合わせて、おすすめの料理やお酒を提案しやすいのも魅力的です。スタッフとの会話を好むお客様からすれば居心地の良い空間となるでしょう。

スタッフの作業効率が上がる

カウンター席はスタッフの作業効率が上がるというメリットもあります。
スタッフはお客様の顔を見ながら直接オーダーを受けられるため、オーダーミスが少なくなります。また、調理場とカウンター席が近いことで料理の提供時間が短縮されます。テーブル席に比べると、お客様に対して気を配る負担が軽減されます。

一人のお客様が利用しやすい

カウンター席は一人のお客様が利用しやすいというメリットがあります。
一人のお客様でも、気楽に周囲を気にせず食事を楽しむことができます。中には、隣に座ったお客様との会話から新しい出会い生まれることもあります。

カウンター席は、お客様との距離を縮めて特別な体験を提供できる空間といえます。

カウンター席のデメリット

カウンター席はお客様との距離を縮めて特別な体験を提供できる空間です。しかし、メリット だけでなくデメリットも存在します。

厨房や調理·提供のプロセスが見える

カウンター席では、厨房や調理・提供のプロセスがお客様の目に入ります。これは、お客様にとってメリットになる場合もありますが、デメリットになる場合もあります。
厨房が汚れていたり調理過程が雑だったりすると、お客様に不快感を与えてしまいます。他にも、厨房の音が大きい場合はお客様が落ち着けません。

機能性やデザインが考えられていないと居心地が悪い

カウンター席はお客様が長時間座る場所です。そのため、機能性やデザインが考えられていないと居心地が悪く なってしまいます。
サイズが高すぎるカウンターや奥行のないカウンターは、お客様に圧迫感や窮屈さ感じさせます。さらに、素材や照明が合っていないカウンターは、店の印象を悪くする要因にもなってしまいます。

カウンター席を検討する際は上記のデメリットも考慮する必要があります。 メリットとデメリットを比較し、店舗にとって最適な選択をしましょう。

カウンター席をデザインする際のポイント

カウンター席は、単なる座席ではなく店舗の雰囲気やコンセプトを表現する要素です。ですから、カウンター席はただ設置すれば良いというわけではないのです。店舗のコンセプトやターゲット層に合わせて、適切にデザインすることが重要です。

店舗のコンセプトとターゲットを明確にする

まず、店舗のコンセプトとターゲット層を明確にすることが重要です。
カジュアルな居酒屋、高級レストラン、カフェなど、店舗のコンセプトによって、カウンター席の雰囲気は大きく変わります。同時に、一人客が多い、カップルが多い、家族連れが多いなど、ターゲット層によってもカウンター席の使い方が変わります。
コンセプトとターゲット層を明確にすることで、どのようなカウンター席をデザインすれば良いのかが見えてきます。

業態の特徴からカウンター席の必要性を検討する

カウンター席はすべての業態に適しているわけではありません。
居酒屋ではお客様同士のコミュニケーションを促進するため、カフェでは一人客やカップルが多いのでカウンター席が有効です。一方で、高価格帯のレストランでは、落ち着いた雰囲気を演出するため、テーブル席の席数を多くする傾向があります。
業態の特徴や営業スタイルからカウンター席が必要かどうか検討しましょう。

カウンター席の形状

カウンター席の形状 は空間の広さや使い勝手、デザインなどによって様々です。
ここではカウンターの代表的な 3つの形状である I 字型、L 字型、コの字型を解説します。

I字型カウンター

I 字型カウンターは最もシンプルな形状です。
他の形状に比べてスペースを取らないので、狭くても工夫次第で設置が可能です。シンプルな形状なので様々な業態で採用しやすく、他と比べて製作コストが安いのも魅力です。
ただし、スタッフと視線が合うことで圧迫感を感じさせてしまうこともあります。これに関しては、店舗のコンセプトによっては工夫が必要になります。

L字型カウンター

L 字型カウンターはI字型カウンターを二辺に配置した形状です。
I 字型カウンターよりも多くの収納スペースを確保できるうえ、二辺に作業スペースがあるので、複数人で作業しやすいのが特徴です。
ただし、 I 字型カウンターよりも広いスペースが必要で、製作コストも高くなります。

コの字型カウンター

コの字型カウンターは三辺にカウンターを設置した形状です。
三辺あるため、最も多くの収納スペースと作業スペースを確保でき、複数人で作業しやすいです。空間を一体化させる効果もあり、開放的な雰囲気を演出できます。
ただし、ある程度広いスペースが必要で、最も製作コストが高くなります。

上記の点を考慮して空間や用途に最適なカウンター席を検討しましょう。

カウンター席の高さ

カウンター席の高さも形状と同様に、利用者や利用シーン、空間に合わせて選ぶことが重要です。
ここでは代表的な ローカウンター、ミドルカウンター、ハイカウンターを解説し ます。

ローカウンター

ローカウンターは床からカウンター天板までの高さが70cm程度のカウンターです。座面高40cm前後の椅子と合わせて採用することが一般的です。
座面高40㎝の椅子は床に足がつくため、ゆったりと座って食事やお酒を楽しむことができます。

ミドルカウンター

ミドルカウンターは床からカウンター天板までの高さが95cm前後のカウンターです。座面高65cm前後の椅子と合わせて採用することが一般的ですが、このサイズの椅子は見つけにくいと言われています。
座面高65㎝前後の椅子は座った時に足先がギリギリつくかつかないかぐらいの高さです。座った際の目線が高くなり、カジュアルな雰囲気をつくってくれます。

ハイカウンター

ハイカウンターは床からカウンター天板までの高さが105cm前後のカウンターです。座面高75cm前後の椅子と合わせて採用することが一般的です。
座面高75cm前後の椅子は座った時に足がつかない高さです。目線が更に高くなることでスタッフとのコミュニケーションが取りやすくなります。バーで採用されることが多く、おしゃれな雰囲気をつくり出します。
足がつかないことへの対策として足掛けを設ける場合が多いです。

上記の点を考慮して用途や空間に最適なカウンターを検討しましょう。

カウンター席の寸法

ここではカウンター席の重要な2つの寸法である奥行と幅について解説します。

カウンター席の奥行

カウンター席の奥行は料理をどれだけ置けるかという部分に影響します。つまり、注文数を左右する要素といえます。提供する料理の数やお皿の大きさなどを明らかにしたうえで決めることが重要です。
立ち飲みや軽食を提供する店舗であれば「40cm以下」でも良く、しっかりと料理を提供する店舗であれば「50cm以上」は確保しておきたいところです。

カウンター席の幅

カウンター席の幅はお客様が隣に並んだ際の居心地に影響します。つまり、滞在時間を左右する要素といえます。カウンター席だからこそパーソナルスペースの確保はしっかりと検討しなくてはなりません。
一般的に、一人当たりに必要な幅は「60cm」と言われています。カウンターの想定利用人数に応じて、二人なら「120cm」、三人なら「180cm」、四人なら「240cm」といったように寸法を決めましょう。

カウンターの寸法は用途や空間に合わせて適切に設定すること重要です。 寸法を適切に設定して、快適且つ機能的な空間を目指しましょう。

居心地を更によくする要素

居心地の良い空間は心身ともにリラックスできる場所です。ただ単にテーブルなどの家具を置けば良いというわけではありません。
ここでは、居心地を更によくする 3つの要素(付け台、荷物入れ、足掛け)について解説します。

付け台(立ち上がり)

付け台は寿司屋や小料理屋、ラーメン屋で見られる、カウンター奥の一段高くなっている部分を指します。料理や食器を置くなどの用途で採用されます。
衛生面も考えて高さを設定することが重要で、お客様とのコミュニケーションの有無や必要性に応じて高さを調整します。

荷物入れ

荷物入れはコートやバッグなど、荷物を収納するのに便利な要素です。 荷物入れを選ぶ際には利用客や利用シーンを想定して、大きさ、素材、デザインが合う製品を選びましょう。フタ付きのものや、キャスター付きのものなど、機能性も考慮するとよいです。

足掛け&足置き

足掛けと足置きは、高さのあるカウンターやチェアと合わせて採用されます。足の置き場があることで、本来足がつかない高さでもリラックスしてもらうことができます。また、離席時の補助としても活躍します。

まとめ

店舗にとってもお客様にとってもカウンター席は重要な役割を果たします。採用するかどうかは、カウンター席のメリットとデメリット、注意点を把握してから決めましょう。
また、カウンターの形状、高さや幅などの寸法は、目指す雰囲気や営業スタイルに合わせて選ぶことが重要です。まずは、お客様のニーズやコンセプトなどの情報を明確にすることから始めるのがいいでしょう。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛け下さい。

監修:大昌工芸編集部

この記事は50年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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