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飲食店開業に必要な厨房機器と設備を解説!導入時の注意点と揃える方法も紹介

飲食店の開業において、厨房の準備は成功の鍵を握る重要なステップです。しかし、どのような機器や設備が必要なのか、何を基準に選べば良いのか、導入方法にはどのような選択肢があるのか、多くの人が悩むポイントでもあります。厨房機器や設備は、店舗運営の効率やお客様の満足度に直結するため、慎重に検討しなくてはなりません。
本記事では、必要な機器や設備、選定時の注意点、導入方法について分かりやすく解説し、飲食店開業をスムーズに進めるためのヒントをお届けします。

飲食店に必要な厨房機器・設備と選び方

いかにして「厨房」を整備するかは、飲食店の運営における大きな課題の一つです。効率的かつ衛生的な厨房環境は、お客様が満足するサービスを提供することに直結します。
ここでは飲食店の開業に必要な厨房機器・設備について、それぞれの特徴や選び方のポイントを解説します。

戸が付いた食器棚

戸が付いた食器棚は、食器を清潔に保管するために不可欠です。戸があることで、油はねやホコリ、虫の侵入を防げるため、衛生基準を守るうえでは必須といえます。
調理中に必要な食器をスムーズに取り出すためには、サイズや配置が重要です。サイズを選ぶ際は、収納する物の量だけでなく厨房全体の動線も考慮しましょう。
また、各地域の保健所により規定が若干異なります。上記に加え、規程を細かくチェックしたうえで、選ばなくてはなりません。
素材は耐久性の高いステンレス製が一般的で、清掃のしやすさも重要なポイントです。

調理台&作業台

調理台や作業台は効率的な厨房作業を支える基盤です。特に耐久性と清掃性に優れたステンレス製が主流であり、長時間の使用にも耐える設計となっています。
作業台の高さやサイズは、調理人の体格や作業内容に合わせて選ぶことが重要です。不適切な高さは身体に負担を与え、作業効率を低下させます。
また、引き戸付きや引き出し付きなど、種類が豊富にあります。調理台でどのような作業をするのか、用途を明確にしたうえで選ぶのがよいでしょう。
さらに、調理スペースを広く確保することで、同時に複数の作業を進めることも可能になります。

コールドテーブル

コールドテーブルは、冷蔵能を持つ調理台として作業効率を大幅に向上させる設備です。調理と食材保管を一体化することで、動線を短縮し時間を節約できます。
冷蔵、冷凍、冷蔵冷凍タイプがあり、メニューに適した製品を選ぶことで、食材の鮮度を保つことはもちろん、調理の質向上にもつながるでしょう。また、静音性や高さといった使いやすさにもこだわることで、作業中のストレスも軽減されます。

冷蔵庫&冷凍庫

冷蔵庫と冷凍庫は、食材を安全に保管するための基本設備です。お店の提供メニューや規模に応じて、適切な容量を選ぶ必要があります。
省エネルギー性能が高いモデルを選ぶことで、長期的なランニングコストを削減できます。さらに、庫内の配置が整理しやすい設計になっているかも確認しましょう。
保健所の検査では、冷蔵庫と冷凍庫に温度計が設置されているかチェックされます。こちらも忘れないようにしましょう。

二槽シンク

二槽シンクは、食器や調理器具の洗浄を効率的に行うために必要な設備です。一方の槽で食材を洗浄し、もう一方で食器の洗浄することで衛生的な作業が可能になります。
特に大きな鍋や調理器具を扱う場合に便利です。耐久性の高いステンレス製を選び、排水設備の設計にも注意を払うことで、快適な作業環境を確保できます。

手洗い器

手洗い器は、調理スタッフの衛生管理を徹底するための基本設備です。食品衛生法に基づき、飲食店には手洗い設備の設置が義務付けられています。
センサー式やペダル式の手洗い器は、直接触れることなく使用できるため衛生的です。設置場所は、調理場に近く、アクセスしやすい場所を選ぶことで、作業の妨げを最小限に抑えます。
こちらも保健所による検査の対象です。サイズや水栓の形状、消毒装置などの細かい仕様については、事前に確認しておきましょう。

製氷機

製氷機は飲料提供に必要な氷を効率的に供給するための設備です。氷の生成能力に応じて選択することで、用途に適した活用が可能です。
また、定期的なメンテナンスが求められるため、清掃のしやすさや衛生面にも配慮した製品を選ぶことが重要です。店舗の規模に合った容量を選ぶことで、効率的な運用が実現します。

ガスレンジ&ガステーブル

ガスレンジやガステーブルは加熱調理を支える設備です。調理作業の動線とスペースを考慮し、設置スペースに合ったサイズを選ぶことが何よりも重要です。

また、提供メニューに見合った火力の製品を選ぶことで調理の効率が向上します。設置する際には、十分な換気設備を備えることが安全性の確保につながります。

食器洗浄機

食器洗浄機は、作業効率を劇的に向上させる設備です。特にピーク時には、手洗いよりも迅速かつ衛生的に大量の食器を処理できます。
選ぶ際には洗浄力や乾燥機能の性能を確認することが重要です。また、省エネモデルを選択することで、長期的なコスト削減にもつながります。設置スペースや配管工事の要件も考慮しましょう。

適切な厨房機器・設備の導入は、飲食店の運営を効率化し、質の高いサービス提供を実現します。それぞれの特性を理解し、店舗規模やメニューに合わせた選定を心がけましょう。

飲食店開業時に注意すべき厨房機器・設備導入のポイント

飲食店を成功させるためには、厨房機器・設備の選定と設置を慎重に行いましょう。準備が不十分な場合、効率やコスト、安全性に悪影響を及ぼす可能性が高まります。
ここでは、厨房機器・設備の導入時に押さえるべきポイントを解説します。

主力メニューや店舗の規模から検討する

厨房機器・設備を選ぶ際は、提供する主力メニューと店舗規模に基づいて選定することが重要です。
なぜなら、機器の種類や性能がメニューに適していなければ、調理の効率が下がり、お客様への提供が滞る恐れがあるからです。また、店舗の規模に適さない設備では、過剰な初期費用や運用コストの増大を招きます。
そのため、事前に提供メニューを具体化し、必要な調理手順と機器の仕様を明確にしておくことが重要です。これにより、無駄のない導入計画を立てられます。

作業動線と作業スペースを考慮する

厨房内の作業動線は、効率的なオペレーションを実現するための基盤です。動線が悪い場合、調理スタッフの移動が増えて作業時間が長くなり、ミスや疲労の原因になります。
そのため、機器の配置や作業スペースの広さを考慮することが重要です。特に、複数の調理スタッフが同時に作業する場合、動線が重ならないよう工夫する必要があります。
また、作業台やシンクなどの設置場所を調理工程に合わせて最適化することで、スムーズな業務遂行が可能です。

設置スペースと機器・設備のサイズを考慮する

機器や設備を導入する際には、厨房の物理的なスペースと設備のサイズを事前に確認する必要があります。設置スペースが不足している場合、予定していた機器が収まらないことに加え、作業動線にも影響が出る可能性があります。
特に、大型機器を導入する際には、搬入経路の幅や設置後のメンテナンススペースも考慮すべきです。また、厨房の面積に適したサイズの設備を選ぶことで、作業効率を損なわずに運用できます。

厨房の形状やインフラの位置を確認する

厨房の形状やインフラ(電源やガス、水道)の位置は、機器・設備の導入に大きく関わります。
例えば、厨房が狭い場合や柱が微妙な位置にある場合、標準的な配置が難しくなることがあります。また、電気容量が不足している場合や水道の位置が遠い場合には、追加の配線・配管工事が必要となり、追加費用が発生することもあります。
事前に厨房のレイアウトとインフラの状態を確認し、それに基づいて設備を選定することで、予期せぬ工事費用の発生やスケジュールの遅延を防げます。

排煙・換気・空調設備を充実させる

厨房内では大量の熱や煙、湿気が発生するため、排煙・換気・空調設備の整備は欠かせません。これらが不十分な場合、調理スタッフの健康や作業効率に悪影響を及ぼすだけでなく、店舗全体の快適性も損なわれます。
また、厨房環境の悪化は食品衛生にも影響を及ぼす可能性があります。そのため、高性能な排気フードや換気扇、適切な空調設備を導入し、厨房内の空気を清潔に保つことが重要です。

保健所の検査基準を調べる

飲食店の営業許可を取得するには、保健所の定める基準を満たす必要があります。この基準を満たしていない場合、営業許可が下りず開業が遅れるリスクがあります。そのため、事前に保健所の指導を受け、基準に沿った機器や設備の導入計画を立てることが重要です。
また、基準は地域によって異なる場合があるため、店舗の所在地における具体的な要件を確認し、それに対応するように設計しましょう。

厨房機器・設備の減価償却と耐用年数を確認する

厨房機器・設備は高価な投資となるため、その耐用年数や減価償却の計画を事前に把握することが重要です。耐用年数を超えると機器の性能が低下し、修理や交換が必要となるため、長期的な運用コストを見積もる必要があります。
また、減価償却を考慮することで、税務上の負担を軽減しつつ、設備の更新資金を計画的に準備することが可能です。このように、経済面での見通しを立てながら設備を選定することが、店舗の安定運営につながります。

飲食店の開業における厨房機器・設備の導入には多くの注意点がありますが、一つ一つ丁寧に計画を立てることで、効率的かつ安全に厨房環境を構築できます。

厨房機器・設備を揃える方法とその注意点

飲食店を開業において、厨房機器や設備の準備は店舗経営に直結する課題といえます。一方で、揃える方法にはさまざまな選択肢があり、それぞれにメリットとデメリットが存在します。
ここでは、5つの代表的な方法について詳しく解説します。

新品を購入するケース

新品購入は最新の機器を手に入れられる方法です。
性能が保証され、故障のリスクが低いことが最大のメリットです。また、メーカー保証がつくため、万が一のトラブルにも対応しやすいです。しかし、初期費用が高額になることがデメリットです。限られた予算での設備投資は、資金繰りに大きな影響を与える可能性があります。
そのため、新品購入を選ぶ際は、必要最低限の機器を厳選し、将来的な設備拡張を見据えた計画を立てることが重要です。

中古品を購入するケース

中古品はコストを抑えて必要な設備を揃える手段として有効です。初期費用を抑えられるため、予算が限られた開業初期には特に適しています。
ただし、中古品は使用年数やメンテナンス履歴により状態が異なるため、故障リスクが新品より高い点がデメリットです。さらに、メーカー保証がない場合や部品の供給が終了している場合もあります。
そのため、中古品を選ぶ際には信頼できる販売業者を通じて、状態を十分に確認することが不可欠です。また、購入後の修理費用を考慮に入れることも重要です。

リースを利用するケース

リースは高額な初期投資を回避しつつ、必要な機器を揃えられる方法です。
毎月一定額の支払いで使用できるため、資金計画が立てやすく、最新機器の導入も可能です。また、一部のリース契約にはメンテナンス費用が含まれる場合もあり、故障時の対応がしやすい点もメリットです。
一方で、長期的な支払い総額が新品購入より高くなる可能性があり、解約が難しい契約条件が含まれる場合もあります。
そのため、契約内容を細部まで確認し、自店舗の経営状況に合ったリースプランを選ぶことが大切です。

サブスクリプションを利用するケース

サブスクリプションは、近年注目されている新しい設備利用の方法です。
月額制で最新機器を利用でき、契約期間内でのアップグレードや交換が可能な点がメリットです。また、初期費用を抑えつつ柔軟に設備を利用できるため、新メニューの追加や業態変更にも対応しやすいです。
しかし、利用可能な機器が限定される場合や、長期的には費用がかさむ場合があります。
そのため、サブスクリプションを選ぶ際は自店舗の経営方針に合致しているかを慎重に検討することが必要です。

居抜き物件を選ぶケース

居抜き物件では、前の店舗が使用していた厨房機器や設備をそのまま利用できるため、初期費用を大幅に削減できます。また、設備がすでに設置されているため、開業までの準備期間を短縮できることも大きなメリットです。
ただし、既存の機器が自店舗のメニューや業態に適していない場合や、老朽化が進んでいる場合もあるため、導入前の状態確認が欠かせません。また、必要に応じて一部の設備を交換するコストも考慮する必要があります。

厨房機器や設備を揃える方法には、それぞれ独自の特徴があります。店舗の規模や経営計画に合わせて適切な方法を選ぶことが、安定した店舗運営を支える鍵です。

まとめ

飲食店の開業を成功させるためには、厨房機器や設備の選定が欠かせません。これらは単なる作業の道具ではなく、店舗運営の効率性やお客様満足度に直結する要素です。必要な設備を的確に把握し、選定時には店舗の規模や動線、導入コストなどを総合的に考慮することが成功への近道です。
また、新品や中古、リースなど、多様な導入方法を比較検討することが大切です。自店舗の状況に適した計画と選択によって、厨房は単なる設備を超えた、店舗の心臓部としての役割を果たします。しっかりと準備を整え、理想の飲食店を実現してください。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛けください。

監修:大昌工芸編集部

この記事は50年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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