知らなきゃ損!飲食店経営者が押さえるべき基本的な店舗レイアウト
飲食店の設計を行う時、特に気になることは客席数を如何に増やすかであり、それは売上UPを図る上で大事な要素です。
飲食店を出店する時には、出来るだけ多くのお客様に来店して頂きたいものです。そのためには、用意する席の数は多い必要があります。但し、店舗面積は出来るだけ最小限にし、家賃を出来るだけ抑えたいものです。そうなると狭い面積に出来るだけ多くの席数を設けなければなりません、そこにはおのずと矛盾が生まれます。
では、そのレイアウトの矛盾をどの様にしたら解決出来るのかをまとめてみました。
目次
1.飲食店に於ける席数と売上の基本的な考え方とは
飲食店を出店する時にまず考えることは、どれ程の売上が見込めるだろうか、ということではないでしょうか。単純に考えれば「客席数×回転数×客単価=売上」となります。
それでは、もしも2人掛けのテーブル席に先客が1名で座っていたら、もう1席に他の人が座るでしょうか?
ましてや4人席に1人だけの先客がいた場合には、他の3席は空席となる可能性が非常に大きくなります。これは、お店側にとっては大変なロスとなるでしょう。この様なロスを無くすためのレイアウト設計は、売上に直接関わる大きな要因です。
2.席数から卓数へ考え方を変えるレイアウト検討のポイント
上記でも述べたように客席数だけに捉われたレイアウトを行うと、実際の飲食店営業段階では大変なロスが発生し当初計画していた売上計画が大幅に狂うことが想定されます。その様なロスを最小限に抑えるためには、1卓に対する席数を最小限にするレイアウトを検討することが必要になります。
最も理想的なパターンは「1卓に対して1席」がもっとも効率的になります。つまり、カウンター席がもっとも効率的であると言えます。
更に、4人席のテーブルを半分にすることで、場合に依っては分割して2人席として使用するなど、効率の良いレイアウト設計には色々な方法が考えられます。
3.簡単に客席のレイアウトを変えられる方法とは
それでは、卓数を増やしお客様の人数に合わせて簡単に客席のアレンジを行える、飲食店においての最適解のレイアウト実現には、どの様な方法が考えられるでしょうか。
簡単な方法としては、「ベンチシート席+テーブル+可動式椅子」の組み合わせです。この組み合わせは、テーブルと可動椅子を横並びに増やすだけで自在に客席を増やすことができ、簡単にレイアウト変更を行うことができます。
また、BIGテーブルやカウンター席などお店の広さやオペレーションを考えて工夫をすれば方法は数多くあります。
4.コロナ禍に於ける客席のレイアウトはどの様に考えるべきか
ここまでは、コロナ禍以前もしくはアフターコロナでのレイアウトについて考えて来ましたが、コロナ禍に於いての考え方は少し違って来ます。
【まずは、3密を避けるためには何をすべきか】ということになるかと思います。
出来るだけ客席の間隔を広く取り、対面式のレイアウトを避けます。(止むを得ず対面式になる場合は、飛散防止パネルなどでの対策を講じます)
ここで大切なのは、コロナ禍からアフターコロナへ移行した際に、如何に簡単に対応出来るかです。あまり重装備にしてしまうと、アフターコロナの際に対応が難しくなります。出来るだけ取外しが簡単な物や、レイアウトの変更だけで対応出来るなどの工夫が必要となります。
飲食店に於いて客席のレイアウトやコロナ対策でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
(URL:https://tenpo.taishokougei.co.jp/inquiry/)
5.飲食店のレイアウトを設計する上で抑えなければならないポイント
飲食店のレイアウトを設計する時、以下の3点を抑えているかチェックすることをオススメします。
①動線設計から考える
飲食店の基本レイアウトとして、限られた場所に、どのように機材を配置し、どこを厨房とするのか、検討しなければなりません。厨房の広さに関しては、飲食店舗全体の広さの25%~35%というのが一般的な目安とされています。
②清掃のしやすさを考える
飲食店にとっては、お客様に安心感や信頼感を与えるために、店舗のレイアウト空間を清潔に保つことも重要となります。店内の清掃が十分に行き届かず汚れや異臭が広がれば、害虫・害獣が発生したり、機材トラブルや近隣トラブルにつながったりと、何よりも来店してくれたお客様の評価にも大きく影響してしまいます。
③コンセプトに合ったレイアウトになっているかを考える
飲食店の適切なレイアウトは、ターゲットとなる客層や店舗のコンセプトなどによって異なります。そのため、飲食店のレイアウトがターゲットを意識したものになっているか考える必要があります。
6.併せて押さえたい厨房設計のポイント
飲食店のレイアウトを検討する時、客席設計と同じぐらい重要なのが厨房設計です。厨房には多くの厨房機器・設備が密集して設置されており、手間・工事費の点からも客席以上にやり直しが利かないのです。
前項の説明にある通り、厨房面積は店舗全体の25%~35%が一般的な目安とされています。厨房のスペースを確保したら、更に厨房内のレイアウトをどのようにするのか、それらを検討するうえでポイントとなるのが次の2点です。※提供する料理が決まっていると仮定して話を進めます。
①厨房機器・設備の具体的な想定
厨房レイアウトの検討で重要なのは、厨房機器・設備の配置を繰り返し変更してレイアウトを精緻化させていくことです。そもそも搬入できるのか、適切なサイズかどうか、コンセントや配管・ダクトの位置はどうか、やり直しが利かないからこそ細かな問題や課題を見つけ可能な限り修正することが非常に重要になります。
これらの作業は、厨房図面とサイズ(高さ・幅・奥行)が記載された厨房機器・設備データを用いたシミュレーションで行われるのが一般的です。
②調理オペレーションの具体的な想定
①と横断的に実施することで、料理を提供するにあたっての調理オペレーションを精緻化していきます。従事する人数、作業するスペース、それぞれの作業の繋がりと動線など、こちらでも細かな問題や課題を見つけ可能な限り修正を加えることが重要です。
この作業では現実的な意見、つまり経験を通した得た情報が精度を高める要素として重宝されます。そのため、設計者だけでなく、調理場をイメージできる実際の調理スタッフの声を取り入れることが望ましいです。
7.厨房レイアウトの基本的な4つの型
厨房レイアウトの基本的な型には4つの種類があります。基本的には前項のポイントを踏まえながら状況に併せて選びます。
①直線型キッチン
I型とも呼ばれ調理スタッフが一人などの小型店でよく採用される型です。必要最低限の厨房機器を一直線に配置します。
②L型キッチン
直線型と同様に小型店で採用される型です。但し、直線型に比べて作業スペースを広く設けることが可能です。また、一直線に配置するわけではないため、移動距離を短縮することができます。
③二列型キッチン
多くの飲食店で採用されている最も一般的な型です。前後・二列に厨房機器を配置することで、直線型・L型と比較して、作業スペースは広く、移動距離は短くなります。作業効率のよいレイアウトです。
④アイランド型キッチン
調理における仕上げの部分をお客様の目の前で提供するレストランで採用される型です。メインとなる調理場とは別に独立した調理場を配置します。
8. まとめ
本記事における売上UPの方法は、卓数で客席を考える、客席をアレンジできるように設計する、でした。例え面積の狭い店舗だったとしても、レイアウト次第で働き方も売上も大きく異なってくるでしょう。
もちろん、しっかりと成果を出すレイアウトを検討するには、業種業態や物件の状態に応じた工夫が必要です。飲食店ともなれば、更に複雑な厨房も考慮に入れなくてはなりません。
飲食店以外の店舗レイアウトに関しては『店舗売上アップの秘密はレイアウトにあり!?押さえるべきポイントをご紹介(https://tenpo.taishokougei.co.jp/knowhow/detail060/)』でも解説しています。
当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の施工まで手厚くサポートを実施しております。飲食店の開業をお考中の方はぜひお気軽にお問い合わせ下さい。
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