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飲食店オーナー必読!カウンター席の役割や寸法のポイントを紹介

飲食店におけるカウンター席は、店舗の雰囲気やお客様の体験に大きな影響を与える重要な要素です。
この記事では、飲食店のカウンター席の役割や種類、そして居心地の良さを左右する要素について紹介します。また、カフェや和食店など業態ごとのカウンター席の特徴にも触れていきます。
開業や改装を予定している飲食店オーナーの方々にとって、カウンター席の重要性を理解するための助けとなれば幸いです。

飲食店におけるカウンター席の役割

ここでは飲食店におけるカウンター席の5つの役割について解説します。

調理·提供のプロセスをパフォーマンスとして見せる

オープンキッチンと組み合わせたカウンター席は、調理や提供のプロセスをお客様に直接見せることができます。
調理の臨場感を演出することでエンターテイメント性を高めることができます。また、食材の鮮度や調理過程を透明化することで、お客様の信頼を獲得すると共に料理に対する期待感を高めることもできます。
パフォーマンス性の高いカウンター席は、お客様に特別な体験を提供し、記憶に残る食事を提供することができます。

回転率を高める

カウンター席はテーブル席よりもスペースを有効活用できるため、回転率を高める効果があります。
同じ面積でも、カウンター席の方がテーブル席よりも多くの座席を設けることができるうえ、食事時間も短くなる傾向があります。
待ち時間と提供時間が短くなれば多くのお客様が利用でき、リピーター獲得にも繋がります。

スタッフの作業効率を上げる

カウンター席はスタッフの作業効率を上げる効果があります。
まず、スタッフとお客様の距離が近いためコミュニケーションがスムーズになります。カウンター越しに直接オーダーを取ることができるため、オーダーミスを防ぐことができます。同時に、カウンター越しに直接料理を提供できるため、提供時間を短縮することもできます。
作業効率が上がると、従業員の負担が軽減されサービス向上にも繋がります。

お客様とのコミュニケーションを取りやすくする

カウンター席はお客様とのコミュニケーションを取りやすい環境です。
スタッフとお客様の距離が近づき目線が合うため、コミュニケーションがスムーズになり、会話が自然と生まれます。また、メニューやおすすめ情報などを直接伝えることもできます。
お客様とのコミュニケーションは、信頼関係を築きリピーターに獲得に繋がります。

一人客の利用を促す

カウンター席は一人客が利用しやすい環境です。
一人でも気兼ねなく利用できる環境なうえ、周囲の視線が気にならないので、飲食以外にちょっとした作業に集中できます。コンセントやUSBポートを備えたカウンター席は充電や作業に便利で人気があります。
一人客が増えている現代において、カウンター席は重要な役割を果たします。

カウンター席の種類

ここではカウンター席の種類を寸法、形状、素材から解説します。

寸法

カウンター席で重要な寸法は高さ、幅、奥行です

【高さ】
カウンター席は高さに応じて以下の3つに分類できます。高さによって演出できる雰囲気が異なり、滞在時間にも影響を与えます。併せて使用する椅子の高さも非常に重要で、椅子の座面高とカウンター天板の間が「30cm~40cm」となるように選ぶと良いです。
・ハイカウンター:床から天板までの高さが「100cm~110cm」
・ミドルカウンター:床から天板までの高さが「85cm~95cm」
・ローカウンター:床から天板までの高さが「70cm程度」

【幅】
カウンター席の幅は、「一人当たりに必要なスペース×人数」をベースに割り出すのが良いとされています。
・一人当たりに必要なスペース:一般的には「60cm」。ゆったりとしたい場合は「70cm」。
・二人掛け:「60cm」または「70cm」が二人分となるため「120cm~140cm」
・四人掛け:「60cm」または「70cm」が四人分となるため「240cm~280cm」
・六人掛け:「60cm」または「70cm」が六人分となるため「360cm~420cm」

【奥行】
カウンター席の奥行は、提供する料理の数や使用する食器の大きさなどを基に調整します。奥行次第でカウンターに配置できる品数が変わるため、お客様の注文数にも影響します。
・一般的な奥行:通常は「45cm」程度あればいいとされています。
・バーやカフェ:軽食の提供程度であれば「40cm以下」でもよい。
・和食店やレストラン:しっかりと料理を提供するのであれば「50cm以上」がよい。

形状

カウンター席で有名な形状は、コの字型、I字型、L字型です。設置に必要なスペース、費用、スタッフの作業効率性などが異なります。
・コの字型:3方向にカウンターを設置することで、一体感と活気のある空間を演出できます。
・I字型:シンプルでスタイリッシュな印象を与え、省スペースにも適しています。
・L字型:コの字型とI字型の中間的な形状で様々な空間に柔軟に対応できます。

素材

カウンター席で良く採用される素材は、木材、左官素材、メラミン樹脂です。演出できる雰囲気やメンテナンス性、費用などが異なります。
・木材:温かみのある自然な風合いが特徴です。
・左官素材:独特の質感と高級感のある仕上がりになります。
・メラミン樹脂:耐久性と耐水性に優れ、お手入れが簡単です。

カウンター席のデザインは、形状、高さ、幅、奥行、素材など様々な要素から検討する必要があります。上記の情報を参考に、空間の魅力を最大限に引き出すカウンター席をデザインしましょう。

カウンター席の居心地を左右する要素

ここではカウンター席の居心地を左右する4つの要素(付け台、荷物入れ、足掛け、椅子)について解説します。

付け台(立ち上がり)

付け台はカウンター席と調理場の間にある、一段高くなっている部分を指します。
つけ台の用途は業態によって異なりますが、提供する品や空き皿、調味料やカトラリーを置く場所として設置されます。また、着席したお客様の目線から厨房や調理場、スタッフの手元を隠す役割もあります。
付け台の寸法は、営業スタイルと用途を検討したうえで決めます。素材についても、カウンター席の素材、内装デザインと合わせて選ぶと統一感のある空間になります。

荷物入れ

カウンター席に荷物入れがあれば、お客様は荷物の置き場や汚れを心配する必要がなくなります。
荷物入れ以外にも、服を掛けておくフックや棚なども必要です。また、サイズや素材、設置するスペースは、利用者層など想定して検討しましょう。通常は、お客様の足元に設置しておくことが多いです。

足掛け

ハイカウンターやミドルカウンターといった足がつかないようなカウンター席では、足掛けがあると便利です。お客様は足を楽に置くことができ、長時間座っていても疲れにくくなります。
足掛けの高さは、カウンター席の高さに合わせて調整する必要があり、滑りにくい素材を選ぶと安全です。また、足掛けにはバー状のものや板状のものなどがあります。

椅子

カウンター席の椅子はお客様の居心地を左右する重要な要素です。
椅子の高さは寸法の解説時に書いたように、カウンター席の高さに合わせて調整する必要があります。また、長時間座っていても疲れない素材や形状に加え、空間全体の雰囲気に合わせて選ぶことが居心地の良さに繋がります。

業態ごとのカウンター席の特徴

カウンター席は、カフェ、バー&酒場、和食店&レストランなど、様々な業態で採用されています。業態によって、カウンター席の役割や求められる機能が異なるため、それぞれの業態に合ったカウンター席をデザインすること重要です。
ここでは3つに分類した業態におけるカウンター席の特徴を解説します。

カフェ

基本的には一人でも気軽に利用できるような雰囲気が重視されます。飲食以外の目的で利用されることもあるため、電源やWi-Fiを提供することも一般的となりました。コーヒーに力を入れている店舗では、高めのカウンター席を設けてスタッフとお客様の距離を近づけるなど、気軽に会話できるような工夫も見られます。
テーブル席よりも回転率が高いため、一人客の利用促進や作業効率向上などを目的として、カウンター席を設置することが多いです。

バー&居酒屋

バー&居酒屋のカウンター席はコミュニケーションが自然と生まれる雰囲気が重視されます。ハイカウンターまたはミドルカウンターが人気で、バーテンダーやスタッフとお客様の目線が近くなることで会話しやすくなります。距離が近いというのは他のお客様にも当てはまり、一人客だけでなく、複数人でも交流しやすいような寸法とすることが多いです。また、カクテルや料理を作る過程を楽しんでもらうこともカウンター席の醍醐味としています。
ハイカウンターとバーチェアに加え、照明を落とした落ち着いた雰囲気や豊富な酒類のディスプレイが鉄板です。

和食店&レストラン

和食店&レストランのカウンター席は、食材の鮮度や調理過程の演出が重視されます。ローカウンターまたはミドルカウンターが人気で、調理の過程、食事、コミュニケーションをゆったりと楽しめるような工夫が見られます。また、板前やシェフの技術力を演出するために、L字型やコの字型のカウンター席も人気があります。
技術や食材の鮮度などをアピールするためにカウンター席を設置することが多く、天板素材や照明にこだわることで更に雰囲気を演出することができます。

まとめ

以上、飲食店におけるカウンター席の役割、種類、居心地を左右する要素、業態ごとの特徴について解説しました。カウンター席は飲食店において重要な役割を果たしており、お客様にとって快適な空間を提供します。
適切な形状やデザイン、居心地の良さを考慮しながらカウンター席を活用することで、店舗の魅力を高め、お客様に満足度の高い食事体験を提供することができるでしょう。是非、これらのポイントを参考にして、飲食店のカウンター席を検討していただきたいと思います。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛け下さい。

監修:大昌工芸編集部

この記事は50年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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