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和の風情と現代の洗練を融合!「和モダン」で魅せる飲食店の内装づくり

日本国内はもちろん、海外からの観光客にも人気のある日本文化。その中でも、「和」の伝統美と現代の洗練されたスタイルを融合させた空間デザインは、多くの人を惹きつける魅力を持っています。特に飲食業界では、店舗全体にどこか懐かしさを感じさせる一方で、新鮮かつスタイリッシュな雰囲気を生み出せる“和モダン”が注目を集めています。
本記事では、主に飲食店の内装を和モダンテイストにまとめたいと考えている方々に向けて、デザインの基本的な考え方やポイント、注意すべき点などをわかりやすく解説していきます。
伝統的な要素を取り入れつつも、現代の顧客ニーズに合った空間を作り上げるにはどのようなポイントを押さえるべきか、ぜひ参考にしてみてください。

「和モダン」とは何か

モダンの絶妙な融合

「和モダン」は、文字どおり「和」と「モダン」を掛け合わせた造語です。畳や木材、和紙など日本の伝統的な要素をベースにしながら、直線的なデザインや金属・ガラスなど現代的な素材を部分的に組み合わせることで、シンプルで洗練された空間を演出します。古き良き文化を感じさせつつも、決して古臭さを感じさせないのが最大の特徴です。

なぜ飲食店に向いているのか

和食ブームの高まりや、外国人観光客の増加などを背景に、「日本らしさ」を体験したいというニーズは年々増加しています。そこで、“純和風”にまとめるよりも、モダンテイストを加味することで、幅広い世代にとって親しみやすく、かつおしゃれな空間を作り上げやすいのです。
特に、若年層がお店選びをする際に重要視する「SNS映え」の観点からも、和モダンは非常に映える内装スタイルといえます。

飲食店の内装を和モダンにする際の基本的なポイント

奥深い日本の伝統美とシンプルな現代デザインを結びつけるためには、いくつかのコツがあります。
ここでは、その代表的なポイントを3つに絞って紹介します。

ぬくもりのある内装デザインを意識する

和の空気感を際立たせるためには、木材や和紙といった自然素材の温もりを取り入れることが効果的です。無垢の板を使ったり、畳や和紙を活用したりすると、視覚的にも触覚的にも“ホッとする”感覚を演出できます。
また、布地やクッションなどの柔らかい質感もプラスすれば、長時間の滞在でも疲れにくく、居心地の良い店舗づくりが可能です。

らしさを感じるインテリアを取り入れる

和モダンと呼ばれる以上、和のイメージを連想させるモチーフは欠かせません。
たとえば、格子戸や障子、欄間、組子などを部分的に採用すると、視覚的に日本的な雰囲気が高まります。さらに、伝統工芸品や職人の手仕事が生きる雑貨類をディスプレイとして置くことで、来店者に「和の魅力」を再確認してもらうきっかけにもなります
ただし、やりすぎると「純和風」に寄りすぎてしまい、現代的な洗練さが薄れるため要注意です。

の色彩を踏まえた配色をする

空間の印象は、色使いによって大きく左右されます。
和のテイストを強調したいのであれば、ブラウンやベージュなどのアースカラーをベースにした配色が定番です。床や壁を淡いトーンでまとめつつ、ポイントとして深緑や紺、えんじなどの和色をアクセントに加えると、一気に雰囲気が引き締まります。
全体的には落ち着きのあるカラーを主軸にしつつ、小物や一部の壁面で鮮やかな色を使うとバランスがとれた空間になります。

和モダンテイストの内装を実現するうえでの注意点

美しい和モダン空間を作り上げるには、単に和の要素を盛り込めばいいというわけではありません。以下の点を踏まえることで、長く愛される飲食店づくりが可能になります。

コンセプトの明確化は最優先

「和モダン」の定義は人によって曖昧になりがちです。最初に、「どのような顧客層をターゲットにするのか」「どのくらいの価格帯や料理ジャンルを想定しているのか」など、店舗コンセプトをしっかり固めましょう。そこから逆算して、純和風寄りなのか、それともモダン要素を多く取り入れるのかを検討すると、ぶれのない空間が完成します。

過度に伝統にこだわりすぎない

和モダンの魅力は、あくまで「伝統的な要素をベースとしつつも、現代の使いやすさやスタイリッシュさを兼ね備えている」という点にあります。あまりにも古風な部材や装飾に寄りすぎると、若年層やインバウンドのお客様にはやや敷居が高く感じられる恐れもあります
逆に装飾を削りすぎると、和の味わいが失われて単なるモダン空間になってしまうので、絶妙なバランスを追求することが大切です。

レイアウトとオペレーション導線を考慮する

和風テイストと相性の良い座敷席や掘りごたつ席、カウンター席など、配置によってスタッフの動線やお客様の快適性が大きく変わります。特に、混雑時に窮屈感を感じさせないためには、テーブル間の距離やお座敷の段差位置などを細かく検討する必要があります。
料理ジャンルが鍋物主体なら、掘りごたつ席を多めに配置するなど、メニューと連動したレイアウト設計を行うとスムーズです。

【重点解説】アースカラーを主体とした配色にする方法

ここまでの項目で何度か触れてきたように、和モダン空間の基本となるのが「アースカラー」と呼ばれる自然由来の色合いです。
ここでは、特に飲食店の内装を考える際に役立つ、アースカラー主体の配色を成功させるためのステップを詳しく解説します。

アースカラーとは?

アースカラーとは、土・木・石・植物など、自然界に存在する物質の色味を元にした落ち着きある色の総称です。代表的なものはブラウン、ベージュ、カーキ、グレー、オリーブグリーンなどこれらは明度や彩度を低めに設定した色が多く、目に優しく安定した印象を与えるのが特徴となります。

アースカラーを用いるメリット

■ 落ち着きと温もり
自然を感じさせる色は、見る人の気持ちをリラックスさせる効果があるため、和食やカフェなど“癒やし”が求められる業態にも最適。

■ どんな素材とも調和しやすい
木材・布・紙・コンクリート・タイルなど、さまざまな素材と相性が良く、コーディネートの幅が広い。

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■ 長期的に飽きにくい
流行に左右されにくい色合いで、店舗を運営するうえでもリニューアル頻度を減らせる可能性がある。

ベースカラーを決める

アースカラーによる空間づくりでは、まず「ベースカラー」を明確にすることが重要です。ベースとなる色を壁や床、天井などの広い面積に使用し、他の色を差し色として加えていく形が基本になります。

■ 壁や床には明るめのブラウンやベージュを
壁に濃い色を使いすぎると空間が暗くなりがちなので、床よりもワントーン明るめのベージュや薄いグレーなどを採用すると圧迫感を軽減できます。

■ 天井はさらに明るいトーンで
飲食店の天井を暗くすると、閉鎖的な印象を与えることがあります。白寄りの明るいアースカラーを選ぶか、木目が目立たない薄い色を塗装するなど、開放感を大切にしましょう。

アクセントカラーに和色を取り入れる

単一のアースカラーだけだと、空間が単調になりやすいため、部分的に“和”を連想させる伝統色を差し色として使うと効果的です。
たとえば、えんじ色(深い赤)や藍色、山吹色、薄い桜色などが代表的な和色といえます。

■ クッションや壁飾り、のれんなどに差し色を使う
大面積に派手な色を使うと浮いてしまうため、小物やファブリック、インテリア雑貨などで取り入れるのがおすすめ。

■ ロゴや看板にも活用する
店舗のブランドイメージを強化するうえでも、差し色をロゴデザインと連動させれば一貫性が出て印象が深まります。

素材との組み合わせで印象が変化する

アースカラーの配色を主軸にしていても、組み合わせる素材によって空間の雰囲気が大きく変わります。

■ 木材×ベージュ×薄グレー
典型的な和モダンのパターンで、自然の温かみと洗練された印象を両立。木目が目立つフローリングや柱に、壁や天井は柔らかいベージュ・グレーを合わせるイメージ。

■ 和紙×淡いブラウン
和紙特有の質感とアースカラーは相性抜群。壁に和紙を貼るだけで、空間が柔らかく優しい光に包まれる。

■ 石材×濃いブラウン
若干高級路線を狙うなら、石やタイルを用いて重厚感を出しつつ、濃いめのブラウンやダークグレーを合わせると、シックな大人の雰囲気になる。

照明の色温度と演出を考える

アースカラーをベースにした空間では、照明による演出が非常に重要です。暖色系の電球色を使うと自然素材の質感が引き立ち、食事がおいしそうに見える利点があります

■ 間接照明を活用する
壁や床面、天井付近に間接照明を仕込むと、素材の表情や色合いを陰影とともに楽しめるため、より豊かな空間演出が可能になります。

■ カウンターまわりはスポットライトで“見せる”
お酒や料理が並ぶカウンター部分は、ややスポット的に照明を当てると華やかさがアップ。そこにアースカラーを使った装飾を加えると、落ち着きと見栄えが両立した仕上がりになります。

まとめ:和モダンで差をつける飲食店の内装づくり

「日本らしさ」を前面に押し出しながら、現代的なテイストで洗練された空間を提供できるのが、和モダンの大きな魅力です。飲食店が持つ料理やサービスのコンセプトをしっかり踏まえたうえで、アースカラーや伝統モチーフをバランス良く取り入れれば、国内はもちろん海外からのゲストにとっても「また来たい」と思わせる特別な場所になるでしょう。
皆さんの店舗が、和モダンデザインを通じて多くのお客様の心に残る素敵な空間となることを願っています。

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監修:大昌工芸編集部

この記事は60年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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