おしゃれなバーはこう作る!内装デザインの基本と費用削減のコツをプロが解説

バーを開業・リニューアルする際、多くのオーナーが悩むのが内装デザインです。お客様がバーに求めるのは、美味しいお酒だけではありません。心地よい空間や特別感、そしてその店ならではの世界観といった要素も大きな魅力となります。
本記事では、バーの内装デザインの重要性から、内装を決める際の具体的なポイント、そして最新トレンド、費用の内訳や業者選びの注意点に至るまでを幅広く解説します。読めば、あなたのバーが「また来たい」と思わせる素敵な空間となるためのヒントが得られるはずです。
目次 [目次を表示する ▼]
バーの内装デザインがもたらす効果
魅力的な内装のインパクト
バーは、日常とは違う非日常感を味わいに行く場所でもあります。美味しいお酒やフードがあることはもちろん重要ですが、内装が与える「雰囲気」はそれ以上にお客様の心に残ります。暗めの照明の中にほのかなライトが光るカウンター、洗練された家具やディスプレイ。こうした空間美がもたらすメリットは大きく、リピートやSNSでの拡散などにも繋がります。
また、バーの内装が魅力的だと「特別感」を演出しやすくなり、来店客は「また行きたい」という気持ちを抱きます。高級感や落ち着き、あるいは賑やかで陽気な雰囲気など、店のコンセプトに合った空間づくりができているかが、成功のカギとなるのです。
コンセプトに沿ったデザインの必要性
バーにはカジュアルバーやスピークイージー風の隠れ家バー、スタイリッシュなラウンジバーなど、さまざまなスタイルがあります。オーナーが想定するターゲット層や価格帯、そして提供するメニュー内容によって、内装デザインは大きく変わるものです。
たとえば「若いカップル向けのデートスポットにしたい」というコンセプトならば、ソファ席を中心に置き、柔らかい照明を使って落ち着いた空間を演出する方法が考えられます。一方で「仕事帰りのサラリーマンが集うスポーツバーにしたい」のであれば、大きなモニターやスツール中心の座席レイアウトを採用し、にぎやかな雰囲気をつくると喜ばれるでしょう。
内装デザインはコンセプトやターゲットと深く結びついています。逆に言えば、コンセプトが曖昧だと内装もブレやすくなり、店の魅力を最大限に発揮するのが難しくなります。
おしゃれな空間がもたらすメリット
内装が洗練されているバーは、SNS映えしやすいことも大きな利点です。近年、特に若い世代は「写真映えするスポット」を求める傾向が強く、バーの内装が素敵だとインスタグラムやTwitterなどで拡散してもらいやすくなります。
それだけでなく、おしゃれな空間は客単価を上げる面でも効果があります。雰囲気がよく、「ここでの体験にはお金を払う価値がある」と感じてもらえれば、やや高めの価格設定でも納得してもらいやすいのです。
バーの内装を決める際のポイント
ターゲット層の明確化
内装を考える上で最も重要なのは「どのような客層を想定しているか」をはっきりさせることです。若者中心か、ビジネスパーソンが主な顧客か、それとも女性客が多いのか。想定ターゲットによって内装の方向性は大きく異なります。
たとえば若い女性が多いバーならば、インスタ映えを意識した華やかでフォトジェニックな装飾が好まれやすいでしょう。一方でビジネスパーソンが集う場所なら、落ち着いたトーンの色味と高級感のある家具を配置し、ゆったりと会話を楽しむ雰囲気をつくる必要があります。
テーマ・世界観の設定
明確なコンセプトやテーマが決まったら、それに沿った世界観を内装で表現します。たとえば「アメリカンヴィンテージ」や「モダンラグジュアリー」など、テーマを先に掲げてしまえば、素材選びや照明のデザインもスムーズです。逆にテーマが定まっていない状態であれこれ素材を決めてしまうと、空間全体に統一感が出ず、「何を目指しているのかわからないバー」という印象を与えかねません。
居心地の良さを最優先に
バーはお酒や会話を楽しむ場所ですから、「長居したくなる空間かどうか」は非常に大きなポイントです。どんなに見た目がおしゃれでも、椅子が固すぎたり座席が狭かったりすると、お客様はゆっくりとくつろげません。居心地の良さを左右する要素は多岐にわたりますが、代表的なものを挙げると以下の通りです。
【座席の配置と動線】
テーブルやカウンター同士の間隔を充分に取り、スタッフや他のお客様とぶつからないように配慮します。
【照明の明るさ】
あまりに暗いとメニューや顔が見にくくなり、逆に明るすぎるとバーらしいムードが損なわれます。ゾーンごとに照明を調整して雰囲気と実用性を両立させましょう。
【音響・BGM】
BGMはムードをつくる重要な要素です。音量が大きすぎると会話がしにくく、小さすぎると場が間延びすることも。防音対策もしっかり行う必要があります。
カウンターのデザインと機能
バーの象徴ともいえるのが「カウンター」です。バーテンダーが華麗にカクテルを作る姿を眺めたり、スタッフと会話を楽しんだりする場として、非常に重要な存在といえます。
カウンター設計で考慮すべきポイントは次のとおりです。
【高さや幅】
一般的にカウンターの高さは105cm前後、カウンターチェアの座面は75cm程度が目安とされています。
【素材選び】
耐久性や手入れのしやすさを考慮しつつ、バーの雰囲気に合う素材(木材、ステンレス、人工大理石など)を選択します。
【収納・作業スペース】
バーテンダーが仕事をしやすいよう、ボトルやグラスの保管場所を設けること。カウンター周りが常に整理整頓される工夫も必要です。
照明配置と色温度
照明はバーの空気感を決定づける大切な要素です。暖色系の照明(2500K~3000K程度)はリラックス効果を高め、高級感を演出しやすいのが特徴。一方、やや白色に寄った照明(3500K前後)はモダンでスタイリッシュな印象を与えます。
また、全体照明を落とし気味にして、ピンスポットや間接照明で部分的に明るくするなど、光と影のコントラストをつけるとバーらしい魅力が増します。カウンターやテーブル上はある程度の明るさを確保し、お客様がメニューを読みやすくするなど、実用面の配慮も欠かせません。
最新のバー内装デザイントレンド
洗練されたモダンスタイル
無駄をそぎ落としたミニマルなデザインに、金属やガラス、タイルなどの光沢素材を織り交ぜることで、都会的な洗練感を出す方法が人気です。直線的な家具やシンプルなカラースキームを中心にすることで、どの世代にも受け入れられやすい内装に仕上がります。
レトロなヴィンテージスタイル
木やレンガ、アンティーク雑貨を組み合わせ、温もりと歴史を感じさせる空間を演出するのがヴィンテージスタイルです。レコードやポスター、アイアン製のランプなどを上手に取り入れると、味わい深い空間が完成します。若い人にも「古さがおしゃれ」という感覚で受け入れられやすく、幅広い層に人気が高いスタイルです。
無骨でクールなインダストリアルスタイル
コンクリートや配管、鉄骨など、工業的な要素を隠さずに見せるインダストリアルスタイルも根強い人気があります。無駄を排除した無骨なデザインが逆に新鮮で、モノトーンやダークカラーを基調にすることで、クールな雰囲気をまとったバーになります。
バー内装の費用相場とコスト削減のヒント
居抜き物件とスケルトン物件
バーの内装工事費は、物件の状態によって大きく異なります。前の店の設備や内装が残っている「居抜き物件」の場合は、流用できる部分が多ければ工事費を抑えやすいのが利点です。ただし、前の内装や設備がコンセプトに合わない場合には撤去費用がかかる場合もあるため、物件選びの段階で十分に確認しましょう。
一方、柱や梁だけの状態になっている「スケルトン物件」は、自分の思い描く通りの空間を一からつくれる反面、内装すべてに手を入れるため費用は高くなる傾向にあります。バーのリニューアルや新規オープンで、限られた予算の中でどこまで理想を叶えるかを検討するときには、物件の状態が重要なポイントになります。
主要工事費用の内訳
バーの内装にかかる主な費用には、以下の項目が含まれます。
【解体・撤去費用】
居抜き物件の場合に発生。大規模な解体が必要なほど費用は高くなります。
【内装仕上げ費用】
壁、天井、床の仕上げ材の選定や施工費。高級素材を多用する場合は当然費用も上がります。
【カウンター製作費】
バーの顔ともいえるカウンターをオーダーメイドでつくる場合は、相応のコストがかかります。
【電気・照明工事費】
バーならではの照明計画や配線工事を行うため、一般的な飲食店よりもこだわる部分が多い傾向にあります。
【給排水・ガス工事費】
キッチン設備やシンク、トイレの位置などに応じて工事費が発生。これらの要素は変更が多いほど費用がかさみます。
【デザイン設計費】
プロのデザイナーや設計事務所に依頼する場合は、その設計料も視野に入れる必要があります。
予算を抑えるための工夫
バーの内装にこだわるほどコストは増えがちですが、下記のような対策で費用を抑えられる場合があります。
【既存設備の有効活用】
居抜き物件の場合、前の店で使えるものは極力流用する。不要な部分だけリニューアルして、メリハリをつけることで大幅なコストダウンが可能。
【素材選びの工夫】
天然大理石などの高級素材を多用せず、クッションフロアや合板などリーズナブルな素材を上手に組み合わせると、見た目の印象を損なわず予算を抑えられます。
【DIYやセルフ施工】
内装工事の中でも、比較的リスクの少ないペンキ塗装や簡単な装飾部分を自分で行うことで、人件費を節約できます。ただし、電気配線や配管などの専門工事は資格が必要なため、プロに依頼しましょう。
【助成金や補助金の活用】
条件によっては、自治体や商工会議所からの助成金を利用できるケースもあります。バリアフリー対応や省エネ機器の導入など、対象となる要件を満たしていないか確認しておきましょう。
バーの内装工事を依頼する際の注意点
信頼できる業者の選び方
内装工事は多額の投資を伴うため、実績や評判の良い業者を選ぶことが成功の鍵です。特に「バーの経験が豊富な業者」であれば、照明デザインやカウンターの使い勝手など、バー特有のポイントを押さえた提案を期待できます。
また、ネット上の口コミやポートフォリオをチェックし、実際に同業他社の施工例を比較すると、どの業者があなたの理想の空間を形にしてくれるかが見えてきます。
複数社からの見積取得
内装工事では、業者によって見積金額に大きな差が出ることがあります。安すぎるところは品質が不安、逆に高すぎるところはボッタクリ…という極端な例も否定できません。
複数社から相見積もりを取ることで、おおよその相場感を把握し、その中から最適な提案を行ってくれる業者を選ぶのが定石です。見積書の内訳に不明点があれば遠慮なく質問し、「どの部分にコストがかかっているのか」を具体的に確認しましょう。
アフターサポートの重要性
バーでは、照明トラブルや水漏れ、設備の故障などが起こりやすく、営業中に大きな支障をきたす可能性があります。そのため、施工後のトラブルに迅速に対応してくれるアフターサポート体制が整っている業者を選ぶと安心です。
保証期間が設けられているか、連絡した際のレスポンスの早さなど、事前に確認しておくことで、オープン後の不安を大きく減らすことができます。
まとめ:理想のバー空間を実現するために
バーの内装デザインは、ターゲット層の明確化とコンセプト設定から始まり、テーマに合わせた素材や照明、家具の選び方が重要となります。コンセプトがしっかりしていればいるほど、統一感のある空間が生まれ、お客様の満足度も高まりやすくなります。
また、費用面では「居抜き物件とスケルトン物件の違い」を理解し、主要工事費用の内訳を把握しながら、既存設備の活用やDIYの取り入れなどで上手にコストを抑えることも可能です。ただし、電気や配管といった専門的な工事は安全面を考慮して必ずプロに依頼しましょう。
そして、内装工事を任せる業者選びは最も重要といっても過言ではありません。複数社からの見積取得と施工実績の確認、そしてアフターサポートの充実度をチェックして、信頼できるパートナーを探してください。
洗練された内装、居心地の良い空間、おいしいお酒とサービスが揃えば、バーは大切な人を連れて行きたくなるような特別な場所に変わります。あなたの理想とするバーの世界観を形にし、訪れる人々を魅了する空間をぜひ実現してください。
当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛けください。

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