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飲食店経営者必読!飲食店のバックヤード設計で売上が変わる

飲食店の経営や店舗運営を考えるうえで、つい見落としがちなのがバックヤードです。お客様の目に直接触れない部分であるため、内装や客席のデザインに注力するあまり、バックヤードの設計・デザインを後回しにしてしまうケースも少なくありません。
しかし実際には、バックヤードはスタッフの作業効率を高めたり、在庫管理をスムーズにしたり、衛生管理をしやすくするなど、店舗運営全体において非常に重要な役割を担っています。
本記事では、飲食店の設計やデザインを考えている方、特に「これから新規開業・改装を検討している」「バックヤードの使い勝手を見直して業務効率を上げたい」という方に向けて、バックヤードの役割や機能、具体的なレイアウト方法、設計・デザインのポイントなどを詳しく解説しています。
店舗全体を成功に導くうえで欠かせないバックヤードの知識を深め、最適な設計・デザインを実現しましょう。

飲食店におけるバックヤードの重要性

バックヤードとは

一般的に「バックヤード」とは、飲食店や小売店などでお客様の目に触れない場所を指します。具体的には、以下のようなスペースが該当します。

■ 厨房(キッチン)
■ ストックルーム(在庫置き場)
■ スタッフの休憩室
■ 更衣室やロッカー、クローク
■ 事務所・オフィススペース

飲食店の場合、特に重要度が高いのは厨房およびストックルームです。調理スタッフの作業効率や、食材の管理状態、衛生状態に直結するため、店舗を設計するうえで最も注意を払う必要があります。

バックヤードが店舗経営に与える影響

バックヤードの使いやすさや効率の良さは、以下のような点で店舗経営に大きな影響を与えます。

【作業効率の向上】
スタッフがスムーズに動ける動線や適切な設備配置は、調理や接客を円滑にし、結果として顧客満足度を高めます。

【衛生管理の徹底】
飲食店では食品衛生法をはじめとする衛生面の規定が厳しく定められています。バックヤードが整理整頓されており、衛生管理がしやすい環境であることは、店舗の信頼性を高めるうえでも不可欠です。

【在庫管理の効率化】
食材や備品の管理がしやすいストックルームがあれば、廃棄ロスの軽減や発注ミスの防止につながり、コストを削減できます。

【スタッフ満足度の向上】
休憩室や更衣室が快適で、動線がスムーズなバックヤードは、スタッフのストレスを軽減し、離職率の低減につながります。

飲食店の売上アップやリピーター獲得に直結するのは、もちろん味や接客、雰囲気といった表側の要素です。しかし、それらをしっかりと支えているのがバックヤードの存在なのです。

バックヤードの基本的な機能と役割

仕込み・調理・洗浄

飲食店の中心となる厨房は、仕込みから調理、そして洗浄までを行う重要なスペースです。特に大規模な店舗や専門性の高い飲食店では、それぞれの工程に合わせてエリア分けをする必要があります。

ストックルーム

食材やドリンク、消耗品などの在庫を保管する場所です。

事務スペース・スタッフルーム

注文の伝票処理や経理業務などを行う事務スペースや、スタッフが休憩・着替えをする更衣室やスタッフルームもバックヤードの重要な機能です。

ゴミ置き場

飲食店では、大量の生ゴミや包装ゴミなどが日々発生します。ゴミ置き場をバックヤード内に確保する場合は、臭気対策や害虫対策が必要になります。
防臭設備や専用のゴミ冷蔵庫を導入する、定期的な清掃や消毒を徹底するなど、店舗環境を清潔に保つための管理が欠かせません。

効率的なスタッフ動線とレイアウト

スタッフ動線が与える影響

飲食店のスタッフ動線は、バックヤードだけでなく店内全体のオペレーション効率を左右します。作業の流れに沿った動線を考えず、厨房と客席を往復しづらいレイアウトになってしまうと、スタッフがムダな動きを強いられ、作業時間が増えてしまいます。

【動線が悪い場合のデメリット】
■ スタッフが疲労しやすくなり、生産性が下がる
■ 注文対応や提供が遅れ、顧客満足度が低下
■ 安全管理の観点でも、衝突事故や食器落下などのトラブルが起きやすくなる

動線設計のコツ

【最短距離を意識】
例えば、仕込みエリアと調理スペース、洗浄スペースの間を短くすることで作業時間を短縮できます。

【スタッフの動きと客席動線を区分】
客席側に出入りするスタッフの動線と、厨房内で作業するスタッフの動線を混在させないように設計します。衝突や混雑のリスクを下げるだけでなく、衛生管理の観点でも効果的です。

【広さと視界を考慮】
バックヤード内は狭くなることが多いですが、最低限の回遊スペースや視界確保(棚の高さ、パーティションの位置など)を考慮することで、作業のしやすさが向上します。

衛生管理と安全対策

衛生面のポイント

飲食店のバックヤードは、食品衛生法や各自治体の条例に基づいた衛生管理が求められます。特に厨房や洗浄スペースでは、食中毒や異物混入を防ぐために厳重な管理が必要です。

【業区分の明確化】
生の食材を扱うエリア、加熱済み・完成品を扱うエリア、洗浄エリアなどをきちんと区別する。

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【清掃を行いやすい素材・レイアウト】
壁や床、作業台の素材は、油汚れや水垢がたまりにくく、清掃しやすいステンレスやタイルを選ぶと良いでしょう。

【手洗い設備の充実】
スタッフが衛生を保つためには、適切な場所に複数の手洗い場を配置することが重要です。

安全面のポイント

バックヤードでは熱源や調理器具、洗剤などの危険物を扱うため、安全対策も重視しなければなりません。

【消火設備の設置】
消火器や火災報知器などを適切に配置する。特にフライヤー周辺などは油火災対策を十分に行う。

【床の防滑対策】
調理場や洗浄スペースは水や油で滑りやすくなるため、防滑性の高い床材やマットの使用を検討する。

【動線上の障害物を排除】
スタッフ動線に物が置いてあると転倒事故の原因になるので、常に整理整頓を心がける。

バックヤードデザインのポイント

機能性とデザインのバランス

バックヤードはスタッフが使う場所なので、機能性や衛生面を最優先で考える必要があります。しかし、意外にもデザインが及ぼす心理的効果は大きく、快適で清潔感のある空間はスタッフのモチベーションを高めます。

照明計画

【作業性を高める明るさ】
カット作業や盛り付けなど、正確さが求められる作業場には十分な照明が必要です。

【疲労軽減の配慮】
スタッフの目が疲れにくい色温度や配置を検討することで、長時間作業をサポートします。

【スタッフルームのリラックス感】
休憩スペースには少し柔らかい光を取り入れるなど、過度に明るすぎない工夫をするとスタッフがリラックスできます。

色彩計画

【清潔感を演出するホワイト系】
厨房では、汚れが目立ちやすいホワイト系の色を使うことで、清掃のモチベーションが高まり衛生管理もしやすくなります。

【安心感を与えるグリーンやブラウン系】
スタッフルームや更衣室に取り入れると、落ち着いた空間を演出できます。

【視認性を高めるコントラスト】
作業道具の収納場所など、間違いなく安全に取り扱う必要がある部分は、壁や棚にコントラストを持たせると探しやすくなります。

店舗全体のデザインとバックヤードの関係

店舗コンセプトとバックヤード

店舗のコンセプトが「温かみのあるカフェ」や「洗練されたバー」などであっても、バックヤードは往々にして無機質な雰囲気になりがちです。しかし、お客様の目には直接触れないとはいえ、スタッフは常にバックヤードを使うわけですから、店舗コンセプトとまったくかけ離れたデザインだとモチベーションに影響することもあります。
可能な範囲で店舗のイメージカラーやテイストを一部取り入れると、空間に統一感が生まれます。

バックヤードの存在を意識した店内レイアウト

お客様の目に見える部分を広く取ろうとして、バックヤードの面積を極端に削減してしまうケースがあります。結果として、スタッフが動きづらくなり、衛生管理や在庫管理が滞ってしまう例も少なくありません。
売上を生み出すのは客席ですが、それを支えるのはバックヤードです。客席とバックヤードのバランスを取りながら、店舗全体のレイアウトを考えることが大切です。

バックヤード設備の選定とメンテナンス

設備選定のポイント

【省スペース・省エネ対応】
バックヤードは狭いことが多いので、コンパクトなサイズや省スペース設計の機器を選ぶと動線がスムーズになります。また、省エネ効果が高い機器を導入すれば、ランニングコストも抑えられます。

【メンテナンスのしやすさ】
調理機器や冷蔵庫などは長期的に使用するため、掃除のしやすさや部品交換のしやすさを考慮して選ぶと故障リスクを減らせます。

【衛生基準に適合しているか】
飲食店の場合、保健所の許可や衛生基準をクリアした設備を使用する必要があります。選定段階で必ず確認しましょう。

定期的なメンテナンスの重要性

バックヤードの設備は、毎日フル稼働することが多いため、定期的なメンテナンスを怠るとトラブルの原因になります。

■ 冷凍・冷蔵庫の温度管理とクリーニング
■ 調理機器(コンロ、グリル、フライヤー)の点検・清掃
■ ダクトや換気扇の清掃
■ 定期的な専門業者による点検

メンテナンスをしっかり行っておけば、設備の故障による営業停止リスクを低減し、長期的な視点で見るとコスト削減にもつながります。

まとめ

飲食店におけるバックヤードは、店舗の表側を支える“縁の下の力持ち”です。店舗設計や店舗デザインを考える際、どうしても客席や内装などの見栄えに目が行きがちですが、バックヤードのレイアウトや設備をしっかりと整えることで、スタッフの作業効率や衛生管理、在庫管理など、店舗運営の基盤が強化されます。

飲食店を開業する、あるいは改装を行う際には、是非バックヤード 飲食店という視点を持ちながら、店舗の内装や外観と同じくらい真剣に設計・デザインを検討してみてください。効率的で清潔、そしてスタッフが気持ちよく働けるバックヤードを整えれば、店舗全体のサービスクオリティが向上し、リピーターや新規顧客を獲得する強い武器となるでしょう。
店舗の成長と繁栄を支えるためにも、バックヤードを「経営の要」として位置づけ、最適な設計・デザインを実現しましょう。

当社では各種デザイン・設計のご相談から、実際の工事まで手厚くサポートを実施しております。お困りの際はお気軽にお声掛けください。

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監修:大昌工芸編集部

この記事は60年にわたり理想の店舗作りを支えてきた株式会社大昌工芸の編集部が監修しており、お客様の理想の店舗作りを助けるわかりやすく役にたつ記事を目指しています。

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